【半世紀以上の愛は重かった】ボルテスVレガシー超電磁版 感想レビュー

レッツ・ボルトイン 映画

おはようございます😄映画レビュアーのあーさんです。

今回は2024年10月18日より劇場公開された映画『ボルテスV レガシー超電磁版』字幕版を鑑賞して参りましたので、その感想レビュー記事となります。



まずは結論として面白いか否か・・・なのですけど、正直評価に悩む作品です。

酷評するような作品ではないです。しかし、厄介なのが作品に詰まった愛が特定の層に刺さる方向性を持っていること。
私はその層に属していないので評価に困っています。

私は主観的な「満足度」と作品のバックボーンを含めた「完成度」について別々でジャッジするスタイルを採用していますが、今回は完成度を正しく判定するのは至難の業です。

この作品が日本に超電磁版としてバージョンアップして凱旋したこと自体奇跡のような出来事なので余計に評価に困る。

純粋な作品だけでジャッジしていいような生優しいタイトルではないのです。なんせ半世紀以上に及ぶ歴史と結びついているタイトルですから。

今回はなぜジャッジに困るのかを含めて感想&評価を述べていきます。

それでは本編へGO。

評価まとめ:完成度【B+】

Screenshot

決してクオリティが高い作品ではない印象を受けました。TVドラマ向けの映像を映画向けに再編集したのが本作のスタートラインであることを踏まえるとむしろ凄いです。

TVドラマであそこまでVFXにリソースを注いだ作品を製作できるポテンシャルをフィリピンの製作局が持っていることに驚きます。

高評価ポイントであるが作品の方向性を尖らせてしまっている「愛」

評価が高い「ボルテスVへの愛」が全体のクオリティに妙な影響を与えているところはあります。原作アニメへのリスペクトが現代=2024年の作品水準と異なる方向へ作品の完成度を押し上げたといえば良いでしょうか。

かなりマニアックな作品なように思えました。

一般受けなど気にしない。フィリピン人の愛を詰め込んだ怪作映画だったように思えてならない作品でした。


私にようなボルテスVと接点の薄い人間でもはっきり理解できるレベルで愛が詰め込まれています!

見る人が見たら1億点をマークしてもおかしくないかもしれません。

満足度:星*6

正直面白いかどうか問われると判断に困ります。

かなり原作への愛が詰まった作品なので原作を視聴していること。フィリピン人のボルテスVへの想いを理解していることが作品を骨の髄まで味わうための必須条件になっているように思えました。

単作として成立しているのに予備知識が必要という奇妙な作品です。

全く予備知識なくてもストーリーを味わうことができる。でもお出しされた物語を正しく摂取するには作法というかボルテスVの歴史が重要になってくるんです。

それでも見応えのあるところはあるのでVFXとか音楽に関しては素直に高評価させていただきました。

フィリピンのボルテスVへの愛 3選

昭和味が強烈な物語

本作の物語はビックリするくらい昭和全盛期の作劇です。

どシンプル・ど直球!

敵は侵略宇宙人。それに立ち向かう地球防衛軍。地球防衛軍に属する5人の主人公パイロット。主人公3人は兄弟で母親はボルテスVの設計者。

コテコテです。

ここまで昭和テイスト全開で来られると逆に新鮮かもしれません。

ボルテスVだけは最先端水準

ボルテスVのVFX水準・殺陣は超ハイクオリティでした。

他の様々な要素は原作が製作された昭和の味を残しているのにボルテスVだけは見事にアップグレードを遂げている。

なんとしてもボルテスVを格好良く見せようとする製作陣の魂の叫びが聞こえるような気がします。

原作をリスペクトしすぎなコスチューム

正直、メインキャラクターの外見を見た時驚きました。

ここまで昭和ロボットアニメな衣装コスチュームが2024年に拝めると思っていなかったので。

原作アニメのデザインとくりそつです。そっくりです。

通常現代の需要に合わせてリデザインするのが一般的かと思いますが本作品は忠実に再現することを選択している。

ここまでくると狂気ですね。

ボルテスVとフィリピンの歴史


軽い気持ちで本作を鑑賞しましたが、軽い気持ちで見に行ったことを軽く反省するくらいに愛溢れる作品だったのでフィリピンとボルテスVの関係性を歴史の流れで軽くまとめさせていただきます。

1979年に最終話を目前の状態で放送を休止に追いやられたこと。

その休止ジャッジを下したのが当時の政府であること。

その後7年の歳月を持って放送再開に至るという道筋にドラマがありすぎです。

2000〜10年代は沈黙期のようですがそこから90話の実写ドラマに至るのもすごいの一言に尽きてしまう。

合体シーンは最高です‼️

本作の1番の上がりどころはここでしょ!

ということで、合体シーンです!

急に日本語のBGMが流れてくるところも最高です。ありがとう堀江美都子。

字幕版で見ていたのに急に聴き馴染んだ日本語が耳に飛び込んでくるのは驚くしかなかったです。

ちょっとツッコませてくれ(⚠️ネタバレ注意)

本作品を私のようなボルテスVニワカが色々とコメントするのは野暮かもしれませんが、本編を見ていてツッコミを入れたくてしょうがないシーンが多数あったのでこの場を借りて意見を述べさせていただきます。

マークよ。なぜ乗馬🐎しているんだ?

冒頭でマークが初登場したシーン。

なぜ彼が🐎乗馬していたのかさっぱりわからない。他の4名も個性的な登場シーンだったけれど基地の近くで一人乗馬しているマークは謎すぎる。

母の愛が強すぎる

本作の超重要人物であったアームストロング家のお母さんことマリアンヌ。

中盤から超高速で死地へ全速全身する彼女が怖かった。

母親の愛は強しというけれど、この人は強すぎるよ!

一回退場タイミングはあったんだ!でも、なぜか生き延びているし、そこから結構元気に動いてスムーズに戦闘機に辿り着いて、結構な尺を使って移動してボルテスVの元に駆けつける。そして感動的な特攻で帰らぬ人になる。

ツッコミどころが多すぎるっ!

どの道帰らぬ人になるなら最初のタイミングで良かったんじゃないか?

そこから助かったと思ったら周囲の制止を無視して息子たちの元へ急ぐ。ここはわからなくもないけれど、戦闘機の警備がおざなりだし簡単に操縦してるし都合よくボルテスVの設計責任者権限で基地側でコントロールを奪うことができないという展開。

なんとしても息子たちの目の前で輝いて散ることを仕組まれているようにしか思えない。

これは原作通りなのか!?原作と同じだからこうなったの?

顔のアップが多いっ

本作品はボルテスVのコックピット描写が非常に多いのですが、問題なのはカメラアングルが1パターン気味であったこと。

5人もパイロットがいて彼ら全員を満遍なく移すために頻繁にショットが切り替わる。しかし、カメラアングルが正面からばかりが目立ち画面が単調になりがち。

実写ロボットドラマの決定稿を目指したとされる特撮ドラマ『特命戦隊ゴーバスターズ』では様々なアングルで単座式コックピットを描写する工夫がなされていたので、同じく東映の旗本にある作品としてコックピット描写に一工夫欲しかったですね。


しかし、制作プロダクション的に関係性を強引に紐づけるのは無理があるかな?

【公式サイトに画像がない】ズールはもしかして不憫なポジション?

映画本編の内容とは関係ないのですが、公式サイトに行ってビックリしたのでここに載せさせていただきます。

ズール。公式サイトにその姿が確認できないんですよね・・・

映画本編でも司令官に説教喰らう不憫なポジションなのに公式サイトでも扱いが低いなんて。

終わりに

今回は映画『ボルテスV レガシー超電磁版』をレビューしました。

いや〜判断が難しい作品でした。

なんせこの後90話に及ぶTVドラマに繋がるわけですからねエピソード1だけ見てジャッジするというのは難しいです。

さらに歴史的背景も重なってニワカには難しいレビューとなりました。


メインターゲット層は結構高めな年齢層な印象を受けますが、20代30代でも楽しめる作品ではあると思います。

Vtuberなどの方々がリアクションしながら配信するという形で同時視聴できると楽しいかもしれません。

ニコニコ動画の弾幕も愉快なものになりそうだな〜。

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