TVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』第2期13話を原作勢の視点で拝見しました。
初見時は普通に原作を忠実に再現しているなぁ・・・と、安心感と面白さに浸っていました。
しかし、どうせ原作コミックを所持していて、こうしてブログ投稿できるポジションにいるのだから比較してみようと思い立った次第。なので、iPadにコミックを映し、モニターでTVアニメを再生するという二刀流で再視聴を試みたところ。予想外の発見の嵐でした!
ストーリーラインは原作を忠実に再現ています。素晴らしい👍
しかし、セリフの数々に微調整が施されていたことに驚きを隠せない。
カット・追加・同じ意味で短い言葉に短縮
などなど。さまざまな微調整が施されていたのです。
視聴者の立場としてどこまでが脚本家の仕事なのか、アフレコ時の声優さんのアドリブなのか、判別はできませんが、原作と異なる台詞を採用していることは疑うことのできない事実。
というわけで、今回は原作とは異なる台詞を採用したアニメの素晴らしさをプッシュアップしていこうと思います。
今回のコンテンツはこちらの3つ。
原作コミックの第何話をアニメ13話に落とし込んだのか。
採用されたエピソードのセリフでカットされて部分や逆に追加された要素などピックアップ。
台詞自体をアニメように調整したなどの微修正。
といった内容でお届けします。
それでは本編へGO!
第13話はコミックス23〜24+25話(数ページ)を映像化
それでは映像化されたエピソードが原作コミックの第何話に相当するのか解説。
Aパート=コミックス第23話
まず前半Aパートはコミックス第23話に準じます。
第22話まではTVアニメ1期で映像化済みなので、順当に映像化されていますね。
コミックス第3巻番外編は映像化未定?
ここで一点補足。第3巻に収録されているエピソード番外編は未映像化で終わりそうであること。
少なくとも現在TV放送された第13話までに第3巻番外編の映像化は確認できません。
番外編は羽々里と恋太郎が理助長室でイチャイチャするという内容のエピソード。ページ数5で展開されるショートエピソード。少々色気の豊富な描写もあるので、今後のTV放映エピソードで映像化される見込みも薄そうではある。
テンポよく進めて100人全員TVアニメデビューを目指していただきたいので、番外編はコミックスの専売特許という落とし所が無難でしょうか。
Bパート=コミックス第24+25話(数ページ)
新キャラ:原賀胡桃の登場エピソードとなったBパート。
こちらは24話全てと25話の冒頭4ページほどを消化しています。
恐ろしくテンポが良い。
台詞回しの微修正。カットしても成立する描写は大胆に切るというスタンスの模様。
テンポの良さを優先する姿勢は作品のコメディ生徒もマッチしていますし、原作を読んでいても大筋がズレていないので違和感も全く訪れない。
このバランス感覚は賞賛に値します。
アニメ化にあたっての改変点
さてお次はアニメ化によってカットされてしまった描写などをまとめていこうかと思います。
逆に追加されているところもあるので、そちらも取り上げていきます。
しかし、全てをピックアップするのは難しいので説明しやすい項目のみに限定させていただきますがご容赦を。
カットされた凪乃と羽々里の台詞
まずはコミックス第23話3ページ目での描写をご紹介。著作権の都合上、原本をそのままアップするわけにはいかない。手前味噌ではありますがコマ割りとセリフのみの紹介に留めさせていただきます。
羽香里の倦怠期の危機が迫っているという説明を受けて各々の反応を示す場面。
アニメではここの台詞は静ちゃんのセリフだけになっていましたね。
アニメでは流れるように静ちゃんの台詞が続くので、全く違和感がなかった。
しかし、コミックスを同時に読んでみると、この台詞が完全になくなっている!?と驚愕した次第です。
原作勢に変化による違和感を気取らせないとは恐ろしい限りです。
このシーンに限らず、なくても違和感を生じさせないような台詞は大胆にカットするアプローチが行われているので、原作と比較しながらアニメ視聴すると片手では足りない変化点に気づけます。
補強された羽香里と薬莉のやりとり
逆にコマNo.3に該当する台詞はアニメだとカットではなく盛られるアプローチが施されていました。
コミックスでの羽香里のツッコミは1度だけでした。しかし、アニメだと2回は行っています。
テンポの良さを優先し、なくても成立する台詞をカットしているだけではないようです。より面白さやキャラクターらしさを強くできる時は追加というアプローチも選択する。
8番目の彼女の登場をずらすための改変
Bパートでは、恋太郎はいきなり購買に足を運んでいましたね。
アニメのみ視聴している方からすると、何も違和感がないシーンでしょう。
しかし、恋太郎は普段弁当派。購買に寄るのは極めて稀です。
では、今回なぜ購買に向かったのか?
それは薬莉が弁当を忘れたから自分の弁当を譲ったから。そうすると自分の食事を確保できないので、購買に速やかに移動したというわけです。
では、このシーンをカットした理由はなくても成立するシーンだったから?
というわけではございません。
超重要人物:芽衣さんが先行登場するシーンでもあったので、アニメでは彼女の出番をずらすためにカットするという選択をしたと推理できます。
著作権の都合でカットされた?
続いてご紹介するのは著作権の都合でカットされたと推理できる描写。
何かを見聞きすると、それに連想する食事を摂取したくなる胡桃の性質を説明するシーンが原作コミックではアニメよりも多めにありました。
アニメでは山崎さんがいると🍞パンが食べたくなるなど2点ほどの説明に留まっていましたが、原作だとさらに🍎リンゴを見ただけで🍔マックを食べたくなる胡桃の難儀な描写もありました。アップルユーザーにしか分かりづらいからカットされたのか?それともスポンサー的にクリアできなかったのかな?
ナイス追加台詞「礼儀正しい子だな」
ここまでカットされた台詞を中心にピックアップしてきましたので、そろそろ追加された点も取り上げていこうかと思います。
まずは胡桃が食事をする際に「いただきます」と唱えた後の恋太郎のリアクション台詞。
この「礼儀正しい子だな」という台詞は原作コミックには存在しない。
この追加はナイスとしか判断できな程、胡桃の第1印象を視聴者にプラス方向に焦点を当てる良い改変であったと思います。
初期の胡桃はツンツン具合が目立つので、こういった些細なところで彼女のイメージをポジティブにするアプローチは製作陣の愛が感じられて嬉しい限りです。
アニメ3期?以降に登場するヒロイン2名もカメオ出演
続いては本来ならこの時点で確認できるはずのないキャラクターの姿がチラリしていたので、原作ファンとしてこの2名ではないか!?と推理させていただきます。
胡桃は中等部3年生。学校を歩いている胡桃の付近に何人かモブ生徒が映っていました。しかし、原作勢の目は騙されない!明らかにモブではない正ヒロインのオーラを纏ったキャラが2名いるではありませんか!?
中等部1年伊院知代ちゃん。大きなメガネと黒髪を三つ編み状に結った姿が特徴的な少女。
中等部3年茂見紅葉。類稀なマッサージの才能を持ち、女性のバストを揉むことを生き甲斐とする少女。
アニメ製作陣の皆さん、一言言わせてください。
ありがとう!
台詞微調整箇所
それでは、最終チャプターです。
台詞の修正箇所をまとめてみました。こちらも非常に数が多かったので、ほんの一部のみの紹介となってしまいます。
静ちゃんが唐音と入れ替わった時の台詞
まずはこちら。静ちゃんが唐音と入れ替わった時の台詞。カットの方では?と迷ったところではあるのですが、部分的なカットだけですので台詞微調整の項目としてご紹介。
アニメでは「ドラゴンだって狩れらァ」のみで少々分かりにくい表現になっていました。
コミックスだと唐音のゴリラ並のパワーをわかりやすく表現した台詞でした。
「今のと」&「素手」
が加わることで大分わかりやすくなるので、日本語って不思議かつ難解な言語ですね。
胡桃加入時の唐音の台詞
続いてこちら。胡桃加入時の唐音の台詞。原作だとマッドサイエンティストといった少々尖った台詞ですが、アニメだとサブカル系魔法少女系といったマイルドな方向に修正されていますね。
胡桃加入時の凪乃の台詞
続いてこちら。胡桃加入時の凪乃の台詞。どちらも同じ意味ですがコミックスよりもアニメの方が短縮バージョンとして成立するように台詞が構成されています。
脚本家の仕事っぷりがよくわかる改変です。
どちらも読む上では時間的な差は大差ないでしょう。しかし、台詞として読み上げる上では致命的な差を生んでしまう。脚本家はアニメの制限時間を厳守しなくてはならないですから、こういった微妙な調整が重要なのです。
おまけ:コンビ名が変わってる
最後にちょっとしたおまけとしてコミックスとアニメとでコンビニ名が異なっていたのでご紹介。
コミックスではセブンイレブンを彷彿とさせる店名6elevenだったのですが、アニメではLAWSONを想起させるLOVSONになっていますね。
スポンサーの都合なのでしょうか?
最後に
いかがだったでしょうか?
今回はTVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』第2期13話を原作勢の視点で比較してみました。
アニメとコミックス。どちらもストーリーの大筋・本質は同じ。摂取した時の感覚や心象はアニメ化でも損なわれることなく楽しめる作品に仕上がっていました。
しかし、読み比べてみると随所に細かい改変・改良の痕跡を発見できた次第。
上記記事でもコミックスの純粋なレビューを行っていますので、本記事と併せてお楽しみいただくことが可能です。
まとめ:プロの脚本家の仕事が光る尺調整のラッシュ
第2期のファーストエピソード。第1期の復習・Aパートに第23話を映像化・Bパートに第24話+第25話4ページ分の映像化。オープニングとエンディングもお披露目。
これだけの情報量を24分の中に凝縮するプロの仕事っぷりに恐れ入ります。
第13話の執筆を担当した脚本家あおしまたかし氏の手腕に心からの拍手を送りましょう。
それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
この記事では取り上げていない細かい変更点はまだまだたくさんございます。
ご興味惹かれるようでしたら、コミックスをお手に取って自身の目でプロの仕事っぷりを発見する旅路を推奨します。
脚本家志望の方は特に参考になるのではないでしょうか?
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