片や勝てば重賞7連覇となるオグリキャップ。片や勝てば天皇賞春秋連覇を成し遂げるタマモクロス。
どっちが勝っても新たな歴史の1ページが刻まれることとなる世紀の大勝負“天皇賞・秋”。
あなたはどっちを応援する?

おはようございます。『ウマ娘シンデレラグレイ』の映画化を夢見る!ブログ管理人のあーさんです。

今回は『ウマ娘シンデレラグレイ』第5巻で繰り広げられたシリーズ屈指の名勝負“天皇賞・秋”に焦点を絞ってレビューしていきます。
第5巻ではもう一つ大きなレース“菊花賞”も展開されましたが、それはまた別の機会に記事にしていきます。

今回のレース“天皇賞・秋”はなんといっても芦毛の傑物同士の決戦が初めて行われた競馬史的にも通説を覆し、ターニングポイントとなった偉大なレース。
コミックスはその史実をこれでもかとドラマチックに描かれていました。
菊花賞まで含めてしまうと記事の主題が分散してしまいますからね。両方とも素晴らしいレース内容・ストーリーでしたので、一記事にまとめるのではなく分割するしかありません。

それでは前置きはこれくらいにして、本編へ突入しましょう。
基本情報

まず、本格的なレビューの前に基本情報をおさらいしていきましょう。レース・重要キャラクターといった最低限の情報を読者の皆様と共有していきます。
レース:天皇賞・秋

タイトル・冒頭文にも記載しましたが、大事なことは何度でも・・・ということで今回の主役となるレースは天皇賞・秋・
史実では1988年の10月30日に行われたレースですね。

コミックスでは第37R〜43Rが該当します。第4巻収録の35〜36Rも出走前の準備エピソードなので実質9話に及ぶ長編。それが天皇賞・秋。
最も頂点に近いウマ娘:タマモクロス

そして、その天皇賞・秋でオグリキャップが対峙しなくてはならない傑物がタマモクロス。作中の時代において最強格と呼ぶに相応しい記録を叩き出している傑物中の傑物。
【どっちにも勝って欲しい】重賞7連覇VS天皇賞春秋連覇

天皇賞・秋はオグリキャップとタマモクロス。長い競バ史においても稀有な傑物と呼ぶに相応しい芦毛同士の直接対決が行われる。
片や重賞7連勝にリーチとなったオグリキャップ。片や天皇賞春秋連覇という偉業に差し迫ったタマモクロス。
どっちにも勝って歴史の1ページに名を刻んで欲しいが、勝利の栄光を掴めるのはたった1名のみ。どっちも応援したくなる贅沢な悩みと向き合わなくてはならない。
レビュー(⚠️ネタバレあり)

それでは最低限の情報を共有したところで、レビューへと突入しましょう。どっちに軍配が上がったのかなど、重要なネタバレを含んでいますのでご注意ください。
評価【SSS+】

まずはネタバレなしのレビューとして評価を判定します。
超高評価のSSS+!
ドラマチックすぎる芦毛同士の対決に心躍ってしまった。どっちにも勝って欲しいという気持ちが自分の中でせめぎ合う。これまで読み重ねてきたオグリに感情移入してしまう自分がいる。その小さな身体で芽が出ない時期を乗り越えて最強に辿りたいたタマも応援したい自分もいる。
その複雑な感情の中で劇的な展開を見せ、想像以上に熱いレースを繰り広げてくれた彼女たちの勇姿を讃えて超高評価をせざるを得ません!
基本戦術を捨てた大胆な策

さてここからはネタバレありゾーンとなります。
このレース=天皇賞・秋。開幕から驚きの展開が繰り広げられます。これまでタマモクロス(9番)は後方からの追い込みを基本戦術としてきました。
しかし、タマモクロスは天皇賞春秋連覇に王手をかけた大一番の勝負でこれまでの戦術を捨てる決断をする。
開幕から飛ばしトップから2番手のポジションを陣取る。
これには読者も驚く!なんならタマのトレーナーの小宮山も驚く!!(作戦を聞かされていなかったそうです)
オグリキャップVSタマモクロス

タマモクロスの先行策に観客や出走ウマ娘の多くが困惑する中、六平トレーナーの指示もあって冷静さを保っていたオグリキャップ(1番)。
残り400mに差し迫った終盤戦で状況が動き出す。
タマは2番手から1番の座へと移る。それに追随するかの如く、オグリはその末脚を発揮し、タマモクロスへ急接近。レース終盤、芦毛同士の直接対決へと移行する。
これだけでも夢のような展開で胸が🔥熱くなる!しかし、これだけに留まらない。読者にとって初めての新境地が待ち受けているのでした。
タマモクロスが辿り着く境地

オグリキャップが迫ってきた心理的プレッシャーと、レース開幕からハイスピードを維持してきたつけが残り400mを切ったタマモクロスに襲いかかる。
自分の限界はここまでなのか?
と、疑念が思考を支配しそうになる。だが、その疑念よりもタマクロスの心に強く刻まれている恩人との思い出が心に宿り、「日本一のウマ娘になるんだ!」という恩人との約束がタマモクロスを次のステージへと押し上げる。
領域
時代をつくるウマ娘ならば必ず到達すると言われる境地にタマモクロスは辿り着く。

残り100mに迫った最終盤。タマモクロスは脅威の加速を披露する。後ろに迫っていたオグリキャップを突き放し、加速していくタマモクロスはゴールへ到達。
会場に押し寄せていた多くの観客および読者はオグリキャップがタマモクロスを破ると予想していた。しかし、その予想を大きく凌駕する覚醒を成し遂げたタマモクロスの剛脚がそれを阻む。
なんというドラマ性でしょう!?。
これまでその末脚を武器に幾度となくゴールに最速で到達してきたオグリキャップに完敗をプレゼントするのが同じ芦毛のウマ娘という事実。
そして、コミックス初お披露目となる“領域”という見栄え抜群の演出。
画力・作劇力。どちらも最高峰の代物で史実を調理し現代に蘇らせてくれたことに深く感謝です。
まとめ

それでは最後にまとめといきましょう。といってもここまでに記述していない内容を含んでいるのですが、その辺はご愛嬌といことで。

今回は『ウマ娘シンデレラグレイ』第5巻で繰り広げられたシリーズ指折りの名勝負“天皇賞・秋”に焦点を絞ってレビューしました。
オグリキャップとタマモクロス。稀代の芦毛の直接対決が繰り広げられ、心躍る展開のラッシュが堪能できました。

なんといっても、その旨みを実現したのは領域という新境地の存在。
シンボリルドルフ・マルゼンスキー・ミスターシービーといった超一線級のウマ娘だけが辿り着く境地にタマモクロスが到達したことが面白さの核を担っていました。

タマモクロスの領域“白い稲妻”。
この境地に到達したタマは全力を出し切ったオグリキャップに完全敗北を突きつける。

それでも2位となったオグリはやはり凄い!
この天皇賞・秋はオグリにとって初のGⅠ。ここに辿り着くまでに重賞6連勝も成し遂げている。
タマモクロスが領域に到達できたのもオグリという最高の好敵手がいたからこそでしょう。

初の完敗を喫したオグリですが、その闘志はむしろより一層燃え上がる。
ゴール到達後すぐに敗因を分析し、次のレースのことを考える。オグリにとって今回の敗北はとても悔しい出来事でしょう。しかし、タマモクロスという最高の宿敵に出会えたことが何よりの贈り物であった。
次なる両者の決戦はそう遠くないタイミングでやってくるのでしょう。

それでは今回は以上となります。ここまで読んで頂いたこと及びにお時間いただきありがとうございました。


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