【映画レビュー】RED ONE-レッドワン- 感想

RED ONE 映画

今回は2024年11月8日より公開された映画『RED ONE』を鑑賞して参りましたので、その感想記事となります。

クリスマスを控えた前日にサンタクロースが行方不明になってしまったというトラブルを解決するために奔走する本作品。予想以上の傑物でございました。軽い気持ちで見に行ったら度肝を抜かされてしまい最高の映画体験ができたと豪語できます。

この作品は働く立場にある大人にこそ見て欲しい力作です。エンタメ性もあって娯楽映画としても完成度高いのに心に突き刺さる何かを秘めている化け物みたいな映画だと私は身をもって味わいました。

主人公の片欲を務めるカル(演:ドウェイン・ジョンソン)のキャラクター造形が素晴らしいのです。

さて、前置きはこの辺りにして本レビューへと突入しましょう。

合言葉はSAVE THE Xmas!

ストーリー解説

ここではネタバレにならない範囲でレビュータイトル『RED ONE』がどのような作品なのか軽く解説します。

作品の入り口部分の説明に留まりますので、ネタバレNGの方も安心して頂ければ幸いです。

舞台設定となる世界観としてはサンタクロースが実在しているというのがポイントです。架空の存在でもなく、誰かのコスチュームでもなく正真正銘のサンタクロースが存在し12月25日の朝までに世界中の子供達の笑顔のためにミッションを遂行するプロフェッショナルが存在する。そんな世界に起きた最大級の事件を解決するために奔走する物語。

作品をより楽しむためのキーワードもいくつかご紹介。

本作品はバディムービーとしての性質がとても濃い!W主人公のカルとジャックの足蹠コンビが繰り広げる会話劇やバトル・コンビネーション・信頼関係の変遷こそ本作の中核に位置するメインディッシュ!

そして、本作の世界観を支えるMORAという組織についても知識として備えて頂きたい。クリスマスというある種子ども向けイベントを支える組織だが、ガチの特殊部隊並みに規律が整えられたプロフェッショナル集団であること。

世の中のお父さん方のその場しのぎのコスチュームとは比にならないレベルでクリスマスに心血を注ぐプロフェッショナルの姿勢・組織としての深いディテールは本作の品質を底上げする重要な役割を担っていました。決して子供騙しなんぞしないという意思が秘められていたように思います。

最後に本作は子どもだけでなく大人にも響くテーマを内包した作品であることを理解していただければ最高です。
本作品のW主人公はそれぞれ大人だからこそ共感できる悩みを抱えています。その悩みがこの映画の物語でどのように揉まれ、着地するのか是非とも見届けて頂きたい。彼らが辿り着いたゴールは観客にとって最高のプレゼントになること間違いなし!

感想(⚠️ネタバレ注意)

さて、ストーリー解説は終えたので感想へと突入しましょう。

私の独断と偏見で作品の面白さをジャッジさせて頂きます。

期待値を遥かに上回る傑作だったので最高評価の一歩手前のS+という結論に至りました。拍手!

まさかここまでの力作だとは思っていなかった。強いて評価を下げた点があるとすればそれは公開時期ですね。なんでクリスマスシーズンに上映しなかったんだ!?11月上旬は早すぎるんとちゃいます?

と不慣れな関西弁が飛び出すくらいには公開時期について勿体無い。12月中旬くらいに上映スタートしていたら文句なしにSSと評価していた。実に惜しい。。。

この勿体無さは是非とも続編でリベンジして頂きたい。この記事を執筆している現時点では続編の可能性については未知数すぎるので何とも分かりませんが、わからないということは可能性が0ではないということなのでポジティブに考えていく所存。

さて、評価を告げたので具体的な感想をご紹介。あれこれ全てを語ることは難しいのでどうしても語りたい部分について厳選してお届けします。

キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャーズでお馴染みのクリエヴァ。今回は幼少期よりサンタクロースを信じていない捻くれ者。賢いが立派な大人とは程遠い人物像の模様。

役者さんの振り幅の広さに感心する次第です。OPから全力で捻くれ具合をPRする行動を畳み掛けてくるのですが、これがラストとのギャップを生むのが映画の醍醐味ですね。

映画に惚れ込むTake offシークエンス


そして、映画序盤で最も私の心を掴んだのはテイクオフシーン。何がテイクオフするかといえばそれは勿論サンタクロースの乗る🛷とトナカイです。このシーンのヘンテコ具合が凄いのです。管制をしてサンタのテイクオフをサポートするプロの軍人たち。チャイルディッシュなイメージのあるサンタの解像度がガラッと激変するのをこのシーンで体験してしまいました。もう。このシーンを見た瞬間からこの映画は子ども向けクリスマス映画ではないと察しましたね。

そして、テイクオフしたサンタらが帰還したのが北極にある彼らの本拠地=北極界。その世界のディテールもこだわりにこだわっているのがよくわかる。飛び交うドローン。飛び交うプロフェッショナルワードの数々。一人一人のスタッフが心の底からクリスマスというイベントを最高のものに仕上げるために心血を注ぎ誇りを持って従事しているのが伝わってくる。

テイクオフシーンからの畳み掛けで早くもこの映画にノックアウトさせらてしまいました。

大人を唸らせる伏線の散りばめ方とW主人公の辿り着くゴール

この作品、脚本の丁寧さも素晴らしく丁寧に伏線を配置してくれます。

スノーマンを倒すための攻略方法もヒントがちゃんと描写されています。予告編にも写っているのだからたまげるというもの。

サイズを自由自在に調整できるテクノロジーを有している点もちゃんと伏線として機能している。全てはクライマックスに繋がる。単なる戦闘用のギミックかと思いきや本来の用途はそっちかとヒザを打つ作劇には頭が上がりません。

W主人公の関係性の変遷。そしてそれぞれが辿り着くゴールも素晴らしかった。父親として全く不合格なことばかりしてきたジャックがカルとの会話をきっかけに立ち振る舞いを変化していくのは芸術的だと思いませんか?

カルもジャックとの道中を経て、彼が父親としての振る舞いに軌道修正を図る姿を目の当たりにしていくことで抱えていた悩み=大人に対して期待できない現実を考え直すという答えに辿り着くのがこれまた美しい。

特にカルが抱える悩みは現代人の多くが共感できる強力な悩み。カルが悩むことも、最後に出した考えを改めるという決断も妙に心に響く、刺さる。

まとめ

さて、最後に本記事で伝えたかったことをまとめていきましょう。

今回レビューしたタイトルはこちら。映画『RED ONE』。クリスマスに見たい映画ですね。日本公開されたのは11月8日というのは何かの手違いか何かかな?

本作品の凄さは子ども向けコンテンツであるクリスマスを思いっきり大人のガチ仕様に装飾していることです。クリスマスプレゼントを届けるためのプロフェッショナル集団の仕事への姿勢に惚れ込みます。

そのプロフェッショナルっぷりを如実に語っていたのは序盤にて展開されるテイクオフシークエンス。
🛷に乗ったサンタが手綱を握り何頭ものトナカイを従えて、米軍の管制センターからアシストを受けて空へと飛び立つシーンは圧巻の一言に尽きます。

その後、サンタらが着陸する場所=北極界の造形にも圧倒されます。建築物。住う人々。飛び交う言葉。どれをとってもプロフェッショナル。

この世界観に下支えされて繰り広げられる人間ドラマこそ本作の最大の魅力。

サンタクロースを護衛する超重要任務を担っているカラム・ドリフト。
ハンドルネーム“ウルフ”として大金のためならどんなこともする凄腕ハッカー:ジャック・オマリー。

この2人がタッグを組むこととなる事件は起きるのが本作のメインストーリーライン。誘拐されたサンタことレッドワンをクリスマスイヴの夜までに救出しなくてはならない任務を即席コンビの2人がこなしていくこととなります。

サンタ救出と並行して描かれるそれぞれの悩みを解決してくドラマ性も大変素晴らしく、大人にこそ響くパワーがあります。仕事・父親。大人であれば向き合わなくてはならないそれをどうのようにして解決していくのか。たった1日の出来事とは思えないほど濃密でスピーディーな体験をした2人がたどり着いたゴールは是非とも本編で堪能して頂きたい。

そして、最後に繰り広げられるフィナーレイベントは視覚的アトラクション性抜群です。それまで見事に散りばめられてきた伏線がこのフィナーレへと帰結していく流れの美しさと共に是非とも童心に帰って純粋な気持ちで目に焼き付けて頂きたい。

なんだか心洗われる。そんな体験が叶います。

それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。

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