今回はホビージャパンより正式に連載がスタートした『コードギアス 新潔のアルマリア プロローグ前編』を読了しましたので、その感想記事となります。
ページ数はわずか3ページ。
なのに面白い!たった3ページの中に情報がぎっしり詰まっている。
プロローグの前編ということもあってウォームアップ的なエピソードなのですが、限られた尺の中で読者を喜ばせようとする仕掛けが施されていて読んでいて気持ちいいのなんの。ルルーシュ=ゼロの台詞を持ち出すというある種のワイルドカードをここで切ってくるかと膝を打ってしまいました。
まだ、物語は本格始動するわけではないですが好きな人にはブッ刺さる情報満載という印象で想像以上に満足度が高い。
これは今後への期待も高まっていくというもの。
今回はこの興奮と感動をシェアしていきます。
ストーリー解説
まずは作品の物語を簡単に説明します。
本文ままを載せるわけにもいかないので私の要約バージョンとなります。ご容赦を。
今回の物語は2006年にTV放映された『コードギアス 反逆のルルーシュ』と重複するストーリーラインとなっております。
日本がブリタニアに敗北を喫したその日を味わった主人公ハクバ。
そして、彼が仮面の男ゼロの活躍を目撃し黒の騎士団へと入団。1期のラストエピソードに当たるブラックリベリオンに至るまでの彼の心境が描かれています。
ページ数は3Pと少ないので要所要所の重要イベントをハクバがどのように感じたのか語られていく。
より厳密にはTVシリーズではなく映画の方とリンクしていると解釈した方が正しいです。TVは『復活のルルーシュ』に直結しないように制作されていますので。
登場人物紹介
登場キャラクターについても紹介させて頂きます。今回は4名。劇中のセリフが再録されているようなエピソードなので、今回紹介する4名はその再録に該当しない完全新規のセリフが収録されたキャラクターとなっております。
そうでないとジェレミアとゼロなど登場キャラクターのカウントが膨張してしまいますので。
まずは主人公の宗賀ハクバ。彼が今作の語り部。
少ないページ数に彼の特徴が可能な限り描写されています。感の鋭さやKMF操縦技術に卓越していること。そして、それなりの名家の出身であること。プロローグとは言え見過ごせない情報満載。
続いてハクバと親しい関係と推察される女性?と思わしき人物、結。詳細なキャラデザも説明もなくハクバと会話が多いキャラクターなので重要キャラだと思われます。
カメオ出演的なチョイ役で扇要も登場。ハクバが黒の騎士団へと入団する際に会話する相手として登場。必然的なキャスティングですし、いきなり彼の名前が登場した時思わず「おお〜」と喜んでしまいました。見知った人物がカメオ出演すると嬉しいものです。
最後は皇神楽耶。新潔のアルマリアのメイン時系列となる復活のルルーシュと奪還のロゼの間ではハクバは彼女の直属機関に属するエージェント。今回のエピソードで2人の初対面が描写される。これは目の当たりにしたかった描写なのでこんなにも早く描かれて嬉しい限り。
感想
さて、最低限の解説を済ませたところで肝心な感想を述べていきましょう。
まずは当ブログ恒例行事作品ジャッジ。独断と偏見で面白さをランク付けさせていただきます。
少々評価をセーブしてB+。正直もうちょっと上の評価にしても妥当だと思います。A-くらいにしても私の心は良いと言っている。しかし、今回のエピソードはプロローグ。しかも前編。
ここで高い評価をしてしまうと後続エピソードのハードルが上がってしまうので心の声に蓋をする決断をしました。
それでは恒例行事を済ませたのでお次は具体的な感想を述べていくとしましょう。
ハクバの入団時期などが判明
今回読んでいて「おっ」と思ったのがハクバの入団時期が判明したこと。TVシリーズでいうとSTAGE10に相当するナリタ連山のエピソードの時に大量の新団員が黒の騎士団に入団した時。この時にハクバも黒の騎士団入りを果たしていたことが判明。
妙に納得のいくタイミング。黒の騎士団が旗揚げし、勢力を拡大した最初のタイミングだったというわけです。
また、ハクバと神楽耶が初めて出会った時期も判明。STAGE22「血染めのユフィ」の時期に対面を果たしているとのこと。神楽耶の女傑っぷりが発揮されるエピソードの時に両者が出会い、後に直属の上司部下の関係になるというのは運命の導きだったのかもしれませんね。
ハクバと深い関係であることが推察される女性:結。彼女の詳細はよくわからない。ハクバが黒の騎士団へと入団する理由を担っていることは窺える。しかし会話があまりにも少ないのでこれ以上推測できない。親族なのか許嫁的な関係なのか邪推はできるのですが、その辺の答えは後のエピソードで明かされることを祈る限り。
今回のエピソード。ギアスの顔的役割を担っているKMF=ナイトメアフレームの出番はほぼ0。挿絵と会話にその名が登場するくらい。
しかし、KMFだけがギアスの魅力でないと証明するかの如く今回のエピソードは面白い!
その面白さの大黒柱となっているのがゼロです!
コードギアスの歴史をなぞるようにハクバの視点で過去の出来事が語られていく。彼が出会った仮面の男=ゼロの名台詞の嵐がたった3ページに凝縮されているのです!
今回のエピソードで披露されたゼロの名台詞を一部ご紹介。
スザクを救うために初めてゼロが表舞台に立ちジェレミアとの会話で披露された台詞。
ユフィを救出し、黒の騎士団の旗揚げを堂々と宣言した際に放たれた力強い言葉。
こちらも旗揚げ時に放たれた言葉。ギアスファン的にはSTAGE1でルルーシュの印象を確固たるものにした名台詞といった印象の方が強いかな。
他にも長い台詞も含めて満載です。よくぞ3ページにここまで詰め込んだものだと拍手したいです。
そして、今回のプロローグはブラックリベリオンまでで終了。黒の騎士団の一団員であるハクバの視点であの時に混乱っぷりが鮮明に描かれます。
物語は後編へと続くわけですが、後編でもハクバの視点で語られるのかな?サトリが今回出番0だったのでサトリとの出会いが描かれることを期待したいですし、R2の時系列を一気に消化していくことも心待ちにしたい。この濃密なギアスの歴史に触れる体験は堪らない。
まとめ
それでは最後に本記事のまとめに突入しましょう。
今回はホビージャパン2024年12月号にて連載スタートした『コードギアス 新潔のアルマリア』のプロローグ前編をレビューしました。
ページ数は僅か3P。しかし、3ページとは思えないほどコードギアスの歴史を味わえる素晴らしい作品に仕上がっています。主人公のハクバというアナザーの視点で捉えられた黒の騎士団とゼロの武勇。
大変味わい深いエピソードです。
僭越ながら一読者として感じた魅力を抜粋してご紹介させていただきます。
まずはなんといってもこの方。ゼロの台詞が満載であること。彼のセリフを聞くたびにあの名シーンがフラッシュバックする。
ハクバがこれらのセリフをどのように感じたのかについて触れることができる点も魅力的です。我々読者と主人公ハクバの感情がシンクロしていく。リンクしていくというのはなんとも心地良い!
『反逆のルルーシュ』に歴史をなぞっていくことで激しい戦闘が行われたエピソードをハクバがどのように携わっていたのかもわかります。
彼がいつ入団したのか。
後に直属の上司と部下の関係になるハクバと神楽耶の出会いもしっかり描かれる。
そして、今回のエピソードの締めが「ブラックリベリオン」。
ゼロが行方不明。副リーダーの扇も銃に撃たれ倒れる。組織の柱が同時に失われる異常事態となったあの「ブラックリベリオン」の混乱を団員ハクバの視点で垣間見ることが叶います。
物語はプロローグ後編へと続く。
それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
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