今回は2024年11月8日より期間限定上映された映画『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』を鑑賞して参りましたので、その感想記事となります。
素晴らしい作品でございました。
『仮面ライダーW』を愛するファン。この作品が初めての仮面ライダーWとの出会いとなった方。双方ともに楽しめる傑作と言って過言ではない作品に仕上がっていました。
とりあえず、私の感想を一言で申すと
今作品は風都探偵の主人公の片翼=左翔太郎の恩師である鳴海荘吉の魅力が濃縮されています。鳴海荘吉の生き様に惚れ込む映画体験であったと断言できます。
さて、前置きはこれくらいにしてそろそろ本記事に突入しましょう。
具体的に何に惚れ込んだのか。高校生時代に仮面ライダーWをリアルタイムで目の当たりにし10年以上ファンとして付き合った身として何が私にクリティカルヒットしたのか記していこうかと思います。
ストーリー解説
感想を述べていく前に、仮面ライダーWならびに風都探偵初心者の方に作品の簡単なあらすじについて解説させて頂きます。最低限の知識武装を済ませた方が本記事を理解しやすくなるので。
今回のレビュータイトル『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』は2009年より放映されたTVドラマ『仮面ライダーW』とその劇場公開作で語られたエピソードの完全映像化作品。
仮面ライダーWが誕生した夜=「ビギンズナイト」の全容が遂に明かされる。
仮面ライダーWのファーストエピソードなので新規ウェルカム。そして、ファンの方にとっても断片的に語られてきた物語の全体像を把握できるという作品です。
作品を楽しむための3つのキーワード
お次は作品を楽しむために知っておきたい3つの「キーワード」についてご紹介。
本作品は仮面ライダーWのファーストエピソードであることについてはあらすじ紹介でも触れましたね。お次が重要。仮面ライダースカルのファイナルエピソードでもあることは是非ともご留意頂きたい。仮面ライダースカルは劇場公開作にしか登場していないゲストキャラ的ポジション。出番が極めてレアなキャラクターの最後の勇姿が完全映像化されたという点は見逃せないポイントです。
そして、その仮面ライダースカルが主役ばりに活躍しているMOVIE大戦シリーズで描かれた映像がアニメとして再度映像化されている点も注目すべき点。実写作品での描写再現に留まらずアニメならではの補完や演出はファンこそ120%の味わいを楽しめます。
関連作品(実写)3選
今回の作品と関連がある実写タイトルは3作。
2009年TV放映スタートした『仮面ライダーW』
2009年劇場公開された『仮面ライダーX仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』
2010年劇場公開された『仮面ライダーX仮面ライダー OOO&W MOVIE大戦CORE』
いずれも仮面ライダースカル=鳴海荘吉について重要な情報が語られる作品です。
『仮面ライダースカルの肖像』では実写作品で描かれた展開と同じ場面が映像化されています。特撮ファンに馴染み深いレジェンドスーツアクター=岡元次郎氏もアニメ化されているのが個人的にツボでした。
コミックス&TVアニメ 風都探偵は未見でもOK
本作品は2024年現在コミックス好評連載中&TVアニメ化済みの人気作『風都探偵』の映画作品ですが、こちらの作品は未見でも問題なし。
仮面ライダーWのファーストエピソードを取り扱っているので本編の旨みを摂取するのにこちらの作品を予習を強いられることはありません。『仮面ライダースカルの肖像』を入口にコミックスやアニメの世界へ没入していくという流れでも全く問題ないのでご安心を。
感想(⚠️ネタバレ注意)
さて、少々長かったストーリー解説も幕を閉じたので本記事のメインラインナップとなる感想を進めていきましょう。
作品評価【S】
面白さを主観と独断でジャッジさせて頂きます。
文句なしの評価:S!
スカルに因んでとかそういうわけではありません。心の底から素晴らしい作品であると確信したので高評価させて頂きました。
なぜ、高評価をマークしたのか具体的な理由についてコメントしていきましょう。
鳴海荘吉の再起
おやっさんと翔太郎の出会いが具体的に描写されたのは今回が初めて。少なくとも実写映像化作品では2人の出会いはなかったので冒頭からファンにとって嬉しい描写です。そして、スパイダードーパントとの決戦を終えた後のおやっさんの心境が明かされた点も素晴らしかった。
探偵業を休業するほどに落ち込んでいたとは。
それほど大切な相棒であったことの証明ですね。そして、その失意の底から立ち上がるきっかけをくれたのが翔太郎少年であったという事実もエモいといもの。
そして、その復帰戦で明かされたスカルメモリの能力。何それ!?と驚く他なかった。児童向けコンテンツである特撮作品側では描写できないのも納得の「死を超越」する能力。映画開幕早々にファンを仕留めにくるサービス精神には頭が下がる限りです。
MOVIE大戦2010の補完が素晴らしい!
男の意地の張り合いを終えて探偵見習いとして翔太郎を受け入れたおやっさん。
2人にとって運命を分つシュラウドこと園咲文音からの依頼が舞い込む。遂に物語はビギンズナイトの地へと移り、『MOVIE大戦2010』で断片的に描かれた出来事が完全版として展開されます。
アニメ化したことでキッズ向けの呪縛を解き放たれたのか園咲冴子の色気がすごいことになっていた。予告編でもこの色気を隠し通したことにも拍手したい。
【アニメならでは】スカルVSタブーの戦闘描写
仮面ライダースカルVSタブードーパントも表現がパワーアップしまくっている。実写での制約を振り切ることができるアニメならではのタブードーパント描写=足先の目玉がギョロギョロ動くし、頭部の小人も動くなんて、私聞いてない!?
生と死を超越するスカルメモリの能力を攻略するためにタブードーパントが全力で戦いに臨むのもスカルの格を上げる効用をもたらしていて素晴らしかった。この決戦でロストドライバーを破損した展開もおやっさんが後に凶弾に倒れる筋書きへの納得感を増す要素になっている点も細かい気配りができていてGOOD。
鳴海荘吉がフィリップにアクセスできた理由が明かされる
『MOVIE大戦2010』では勢い的な感覚で納得せざるを得なかったフィリップとおやっさんの精神干渉も納得のいく補完がされていて唸る。スカルメモリのアシストを経ていたとは首を頷けるしかない。既に人間ではなくデータの塊となっているフィリップと繋がることができたのは死を超越するスカルメモリによる橋渡しであったというのは後付けであろうと最初から設定されていたとか関係なく絶賛する他ない。
ファングジョーカーVSオーシャンドーパント
ビギンズナイトといえばファングジョーカーです。
初めての変身で直感的にジョーカーメモリを選択した翔太郎の主人公補正は素晴らしいが、流石に戦闘センスまでは初陣を補えるものではない。そこでファングジョーカー。戦闘本能を解き放ち、フィリップの知識を活用できるファングジョーカーのみが頼み綱。
ファングジョーカーに相対するのはオーシャンドーパント。孤島周辺の海をホームとして戦闘能力にバフをかけてくるというダブルの初戦としては強すぎる相手でした。めちゃくちゃ強い。海水を手足のように操り、地の利を活かしてダブルをとことん追い詰める。
ダブルが勝つことが確定しているとはいえ、どうやって勝てるんだ?と不安になるレベルで強敵。
圧倒的ピンチを覆したのがなんとバイクでした。そう!仮面ライダーのアイコンであり相棒であるバイクがここで登場するのです。そして流れるWBXのイントロ!
勝利確定BGMと共にバイクに跨り海上を駆ける仮面ライダーダブル ファングジョーカー。劣勢を好機へと変換させ、トドメの一撃を放つ。ここでは必殺技口上はなく雄叫びを上げるだけに留まっているのも通好みの演出。
まとめ
それでは、最後に本記事で伝えたかったメッセージを厳選していきましょう。
今回レビューしたタイトルはこちら。映画『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』。
『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』の魅力は以下のようなラインナップとなります。
本作品はこれまで断片的に語られてきた仮面ライダーWの誕生譚となるエピソード「ビギンズナイト」を過去最高の解像度でお届けする物語に仕上がっておりました。
仮面ライダーWのファーストエピソードに相当するので完全新規の初心者の方でも十二分に楽しめます。
既存のファン方はさらに作品の理解を深めることが叶う誠にありがたい作品でもあります。
翔太郎とおやっさんの信頼関係がどのように築かれいてったのか遂に明らかに。スパイダードーパントとの決戦で心に傷を負ったおやっさんの心にどのようにして翔太郎少年が入り込んでいったのか是非本編でお確かめください。
身体能力強化系のガイアメモリかと思われていたスカルメモリのとんでもない真価が判明する点も重要なトピック。この能力が物語を何度も盛り上げるスパイスとして機能するので本作を支える要とも言えます。
仮面ライダースカルが主役級の扱いを受けた『MOVIE大戦2010』『MOVIE大戦CORE』と重複する描写もただのアニメ化に留まらずアニメ映えするようにクオリティ向上を図られていたことも製作陣の本気具合が伺える。
そして、なんといってもこの映画には男の中の男=鳴海荘吉の生き様は詰まっています。帽子で目元の冷たさと優しさを隠し依頼主との約束を必ず守る仕事に対する姿勢。自分の生きる道を自分で決断する覚悟を備えた精神性。それは誰もが惚れ込む人間性。
鳴海荘吉が翔太郎やフィリップに与える影響を是非とも映画本編で堪能して頂きたい。
その男の生き様は街を無くして語れない。風都を愛し守った男の意思は2人の男に託され、後に「仮面ライダー」と呼ばれるようになったことをこの映画を目撃した私たちは胸に刻んでいきましょう。
それでは今回は以上となります。お時間いただき誠にありがとうございました。
コメント