今回は2010年1月23日より劇場公開されたアニメ映画『魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st』をU-NEXTにて鑑賞しましたので、その感想記事となります。
この記事を執筆しているのは2024年11月。レビュータイトルは約15年ほど前の作品ですね。今回の鑑賞が初ではなく、当時社会人なりたてであった私が実際に遠方の劇場まで電車に揺られて鑑賞しに行った、非常に思い入れの深いタイトルです。
慣れない電車移動に慣れない地。多少大変なプロセスを踏んでも見て良かったと言える作品を久方ぶりに鑑賞したので、15年前の自分にプレゼンする気持ちで筆を取っていこうと思います。
率直な感想としましては、やはり素晴らしいの一言に尽きる。自分のドストライクゾーンを撃ち抜く作品に出会えた。
美少女✖️メカニカルディテール✖️直球の熱い物語
こんなものをお出しされたら絶賛する他ない!
なんといってもW主人公の出会いを紡いだ作劇に心打たれましたとも!
さて、前置きはこれくらいにして早速レビューに突入しましょう。と言っても今回の記事を参考に視聴を検討している方もいるかもしれないので簡単なストーリー解説も踏まえていく所存です。
それでは行きましょう。
Standby ready
ストーリー解説
まずは簡単なストーリー解説。
私の要約となりますがご容赦ください。
重要なのは2人の少女の物語であるということ。これだけ理解しておけば十分事足ります。今作はリリカルなのはシリーズの第1作『魔法少女リリカルなのは』(放映時期2004年10月〜)をベースにした完全新作ストーリー&新規作画の作品なので特に事前知識も不要。
誰が物語の軸を担っているのかさえ理解していれば問題なしです。
自分のことをごくごく平凡と評する小学3年生の少女:高町なのは。彼女が本作の主人公。
視聴した私の身からすると「こんな小学3年生いるのか?」と口からこぼれそうになりますが、そんな野暮なツッコミは傍に置いておくことにします。
もう1人の主人公:フェイト・テスタロッサ。なのはと同年代の少女。彼女が本作の物語のキーを握ると言って良いでしょう。劇中でなのはと幾度となくぶつかるフェイトがなのはとどのような関係を紡いでいくのか。それが本作の味わいを左右します。
感想(⚠️ネタバレ有り)
さて、お次は感想を述べていきましょう。
具体的な感想の前に作品の面白さを独断と偏見でジャッジさせていただきます。わかりやすく面白さをランク付けしていきます。
じゃーん。堂々の評価【S】!
うん。素晴らしい限り。
ストーリーはかなり直球で、叙述トリック的な種明かしもありますが大きな捻りはない。その分かりやすい物語を彩る魅力的なキャラクターとキャラ同士が紡ぐ関係性の変化・終着点に心魅了されてしまいました。
故に評価【S】。2010年公開の作品とは思えないほど作画クオリティも素晴らしくアクションも大変見応えあります。これを劇場で鑑賞できた経験を持つことは誇らしい。
それではそろそろ具体的な感想を述べていきます。W主人公{なのは・フェイト}・戦闘描写・その他の合計4つの角度で行きます。
高町なのは編
なのはに対してはやはりかなり精神年齢高いなぁと感じる次第。こんな小学3年生いるのか?と疑問に思えるレベルで大人びてる。覚悟・肝の座り方が常人離れしている。突如巻き込まれた超常の出来事に対して面食らいつつも決してパニックにはならない。出会ったばかりのユーノに協力を惜しまない姿勢。インテリジェントデバイスのアシストがあるとは言え戦地に自ら赴く行動力。列挙しても上げきれないレベルで精神的に成熟している印象を強く受けます。
そんな彼女の異質性を最も強く感じるのがフェイトへの態度。なぜ、そこまでフェイトを救おうとするのか。結構疑問に感じます。それを読み解くヒントはわずか数カットの過去回想のみが頼りと来た。
頑張って考察するしかないじゃないですか!
わずか数カット数秒の過去回想で描写されたのはなのはが自宅で1人寂しそうにしているという情報。これに合わせて兄弟との歳の差。なのはの精神的な大人っぷりを考慮して導き出した私の答えは
「高町なのは」は大人になるしかなかった
という答えになります。(レビュータイトルのみの情報を頼りに推察なので、ご容赦を。)
なのはは元々しっかりしている子で、1人でお留守番を任される程度に家族から信頼を受けていたのかな?その信頼に応えられるだけの人間性を兼ね備えており、家族に甘える機会を自ら逃し続けていたのかもしれない。でも、なのはは年相応に甘えたい願望も持っていて、そんな自分の願望をアウトプットしたかのような瞳を持ったフェイトに心動かされるものがあったのではないでしょうか。
以上、考察終わり。
散々大人びていると述べてきたなのはですが、時折年齢相応の少女らしいリアクションを見せる点が彼女に魅了される所以。
ユーノが人間体に戻った時。
フェイトと庭園で共闘した際の「うん。うん。うん。」
普段大人びている彼女がありのままの自分を出力している時の魅力は破壊力抜群です。
フェイト・テスタロッサ編
フェイトへの印象は健気で不憫な子というイメージを強く受けます。全ては母親のための行動。なのにその母親たるプレシアはフェイトではなく本当の愛娘:アリシアの蘇生を達成するためにフェイトを利用しているという始末。
あまりにもフェイトが残酷な仕打ちを受けるので、アルフと感情がシンクロして胸が痛くなります。そんな彼女が自分の出生に真実を知り生きる目的を喪失して瞳から光が消えていく演出は胸に刺さる。
しかし、そこから立ち上がっていく展開に胸が熱くなるものを覚えます。誰かに励まされたわけではない。ずっとなのはがかけてくれた言葉が彼女の心の中に強く残っていた。だから立ち上がれた。再起したフェイトの意思に応えて半壊状態であったバルディッシュがリカバリーコンプリートする。
そして、なのはとの共闘。「2人でなら倒せる」となのはへ伝えた場面は本作屈指の名場面!その後、再び対面することとなる母親に向けて感謝を伝えられる心の強さに胸を打たれます。
この熱い展開のラッシュこそリリカルなのはの魅力です!
戦闘編
戦闘面ではインテリジェントデバイスに触れない訳にはいきません。リリカルなのはシリーズに欠かせない存在。あの無機質でクールなシステムボイスが私を狂わせる。
とにかく格好いい!
魔法少女というガーリーな響きに対して作品を彩るディテールは男の心をくすぐる装飾満載なのがリリカルなのはシリーズの特徴。
インテリジェントデバイスのシステムボイス。魔法の杖の先進的でメカニカルな外観。デバイスは用途に応じて形態変化をさせ、形態変化の度にメカニカルな効果音が付随する。
放たれる魔法はビーム砲と表現して差し支えないほど大出力・大轟音。
この作品に出会う以前の私は魔法に対して偏ったイメージを抱いていた。ハリーポッター的なファンタジー色満載。あまり得意なジャンルではない。そんなイメージ。その偏見を全力全開でブレイクしてくれたのが『魔法少女リリカルなのは』。
その他いろいろ
リンディー艦長のお茶へのスタイル。やはり笑ってしまう。
何故、砂糖を投入するのだ?
本作品はコメディ作品ではなく、真面目なシーンが大半を支配している。そんな中でギャグシーンでもないのにユニークなティースタイルを突然お見舞いされた私の心中を察してください。
そんな稀有なコミカルシーンを挟みつつも話しは真面目に進んでいき、作品世界観を掘り下げていく本作品。魔法というファンタジーな響きに対して世界観の造形はSFに傾いている。時空管理局。多次元世界設定。ロストテクノロジー。クローン技術。
ファンタジーが苦手な自分だが、SFは大好物。こういうワードが飛び交うだけで嬉々として飛びついてしまう。
地球が第97管理外世界としてカテゴライズされているというのも男心を刺激します。ガラケーが登場するし、他の世界との文明・テクノロジーの格差を如実に語っているように思える。そんなガラケーに時空管理局が電話をかけることができると言うのも他の世界の技術水準のスケールを肌で感じてしまう。
まとめ
それでは感想を終えたところで、まとめといきましょう。
今回レビューしたタイトルはこちら。映画『魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st』。
ここが魅力という点を抜粋してご紹介。
なのはとフェイト。W主人公の出逢いを紡いだガールmeetsガールの物語。
魔法というワードに男心くすぐる色とりどりの装飾で飾ったデザインの数々。
2010年の作品とは思えないほどのクオリティで描かれる魔砲が飛び交う圧巻の空戦描写。
W主人公の出逢いと衝突が生み出すエモーショナルな作劇はド直球!心のストライクゾーンを撃ち抜く。
主人公らを装飾するディテールの数々は非常に男心を刺激する!魔法の杖をメカニカルに造形した製作陣のセンスには脱帽です。
少女らの戦闘をサポートするインテリジェントデバイスの音声もit’s So Cool!
本場アメリカ出身の声優さんによる音声の格好良さに痺れてください!
魔法少女といえば変身バンク!本作にもしっかり健在。
しかし、その変身バンクも侮れない。キャラに似合う少女らしいガーリーなファッションがデザインお中核だが、細部に男の好みを射抜くディテール満載。普通変身バンクにネジなんて登場しません。しかし、リリカルなのはには登場してくる!こういうところに心を撃ち抜かれてしまう。
戦闘中こそメカニカルなディテールの真骨頂が発揮される!
少女らの武器・・・いや相棒の魔法の杖は用途に応じて変幻自在。機械的な効果音に彩られる形態変化は聴覚に快をもたらす。主人公なのはのデバイス:レイジングハートにはトリガーが出現し、視覚にまで強い快を贈る。
魔法少女の戦闘もド派手。ファンシーな描写は一切なく敵を仕留める気全開の弾幕の雨が降る。
魔砲の規模は大小様々。ここまでやるかと思わせてくれる大出力も拝める。
少女と少女が出逢い、ぶつかり合い紡がれていく物語。譲れない想いを胸に、少女たちは空を舞う。
その想いが届くのか否か本編でお確かめください。
今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
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