今回はDisney+にて配信されているMCUドラマ『アガサ・オール・アロング』を全話視聴完了したので、その感想記事となります。
『ワンダヴィジョン』で非常に強いインパクトを残した“おせっかいな隣人”が主役として抜擢された作品。これまでのMCU作品の主人公とは明らかにベクトルの異なる人物像を持つアガサ。彼女が物語のセンターを務めるということで、如何様な作品となるか期待と不安、両方入り混じりながら視聴しました。
早速結論を述べましょう。
いくつかの謎を残しながらも、最終話後の後味はスッキリ爽快と言って良い!
前作に相当する『ワンダビジョン』の正統な続章として、“途中で始まり途中で終わる”という物語。
テキストにしてみると中途半端感MAXな作品に思えるが、見終えた方は口を揃えて良い終わり方だったと唱えるのではないでしょうか?
今回の記事では何故、そのような感想に至ったのか綴っていく所存。
記事の流れはこんな感じです。
簡単な作品概要説明→感想→まとめとして作品の魅力のプレゼン。
それでは行きましょう。
作品解説
私の要約となりますが、大雑把に作品の導入を説明させていただきます。
物語は『ワンダヴィジョン』の顛末で力と記憶を封じられたアガサが記憶を取り戻すところから始まる。
『ワンダヴィジョン』から直結と言っても過言ではない物語なので、本作をMCUの導入作として検討されている方は先に『ワンダヴィジョン』の方がおすすめですね。
しかし、興味を抱いたのであれば本作から視聴をするというのもありです。その好奇心の火種を絶やさない方が重要ですので。
作品を楽しむためのキーワード解説
僭越ながら全話視聴した立場として、この言葉は理解しておきましょうというキーワードをご紹介させていただきます。
押さえておきたいのは2つのキーワード。
【魔女の道】と【ヘックス事件】
魔女の道は本作のメインロケーションとなる空間。本作から登場するキーワードなので特に予習すべき作品はなし。
作品の根幹を担うキーワードで最終話にあっと驚く仕掛けが施されているので、魔女の道を考察しまくると最終話の旨みが増します。
ヘックス事件は本作の前日譚となる『ワンダヴィジョン』で大きな爪痕を残した事件。本作に非常に重要な影響を与えているのに割と具体的な描写はされていないので、『ワンダヴィジョン』を視聴して理解を深めておく必要がある。
『ワンダヴィジョン』の視聴が億劫・時間がないなど様々な理由で視聴時間を確保できない方のために軽く解説しておきましょう。
ヘックス事件はワンダがヴィジョンを失った喪失感を払拭するために、ワンダの力の真価が発揮されておきた事件。
彼女が持つ“現実改変能力”が開花し町:ウエストビューを覆い尽くすほどの異空間を形成。町の住人はワンダが描く理想の日々を現実とさせるための配役を演じることを強要される。
ワンダは理想の日々を過ごし、現実改変能力によりワンダとヴィジョンの間に生まれるはずのない子宝が授けられ、双子ビリーとトミーを賜る。
マキシモフファミリーは幸せな日々を過ごすが、ワンダの力を狙った魔女:アガサや事件に終息のために介入した組織:swordが生んだ“ホワイトヴィジョン”らの乱入によりワンダが思い描いた理想の日々は崩壊しヘックスは消滅する道を辿る。
それはヘックスにより存在を保たれていたヴィジョンやビリー&トミーの消滅を意味するものであった。
だいたいこんな感じですね。
この事件でウエストビューの住人に爪痕を残し、ホワイトビジョンも行方不明となります。
ワンダヴィジョンにてメインヴィランを務めたアガサは力を奪われ、お節介な隣人という配役を演じ続けることになる。そして、家族を失ったワンダの物語は『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』に続く・・・
感想(⚠️ネタバレ注意)
さて感想と行きましょう。
いきなり具体的な感想を述べる前にサクッと作品の面白さをランク付けさせていただきます。
評価【A+】という結論です。
なぜ、そうなったかというと最終話の消化不良感と後味の良い終わり方を受け、熟考した末の答えです。冒頭で述べたように“途中で始まり途中で終わる”作品として世に出された『アガサ・オール・アロング』。単作で評価するのは難しい作品というのが本音。
本作は3部作構想の中継作。正式な評価はまだできないというのが正直なところ。残された謎がしっかり回収されるのか否か3部作目を見届けたからジャッジしたい。
であるならば、ここで高すぎる評価をするのも違うかな・・・ということで評価【A+】。割と途中までは評価S前後でも良いと判断していたのですが最終話の内容を見るとこれが妥当かと。
エピソードランキング:TOP3
さてようやく具体的な感想のターンです。
全てのエピソードに触れるとボリュームが大きすぎるので最も心に印象深く残ったエピソード3つに触れていきます。
第3位:第9話「乙女 母 老婆」
第9話こと最終話。アガサが霊体となってカムバックしビリーと揉めつつも互いを認め合い共に旅立つ幕引きを迎えたエピソード。
終わり方にグッとくるものがあります。子供を失ったアガサと家族を失ったビリーが手を取り合うエンディング。アガサの母性が全面的に押し出された前半パートも彼女のキャラクター性を崩さずに善性をアピールできる良いドラマでした。霊体としてこの世に残り続ける理由もニコラスに顔を合わせられないからというのも良い。それを受けてビリーがアガサを受け入れる流れも秀逸。
と結構褒めましたが、やはり違和感というか消化不良ではある。どうやって霊体になったのか。2話で現れ、アガサが唯一恐怖を示したあの影はなんだったのか未処理のまま。この辺がしっかり処理されていたら素晴らしいと絶賛していた確信があります。
第2位:第7話「死と手をつなぎ」
第7話。非常に面白かった。リリアメインのエピソード。彼女の奇々怪界な発言の真相が明かされ全てが繋がる作劇に胸が熱くなるものがあります。
シチュエーションのスリリングさも素敵でしたね。天井から落ちる剣。時間制限で刻一刻と迫り来る剣山とかした天井の脅威。明確な敵キャラを出さずとも状況と環境で主役陣営を追い詰める作風を進める『アガサ・オール・アロング』の魅力が遺憾なく発揮されています。
そして、リリア。時間を超越し未来を見ることができる能力を受け入れたリリアが仲間のために1人残り、セイラムの7人を相手取る展開にジェンやビリーと感情をシンクロして視聴している自分がいました。
第1位:第6話「使い魔たずさえ」
1位はこのエピソード以外あり得ないでしょう。第6話です。第6話!
これまで謎に包まれ、シジルによる個人情報保護が働いていた“ティーン”の正体が明かされたエピソード。第5話のラストでのチラ見せから、その全容が明かされる第6話。面白すぎた!!文句なしの神回!!
あの人まで再登場し、密接に『ワンダヴィジョン』との繋がりを感じられる物語に心が躍ります。
偶然あのタイミングで空っぽとなった肉体に移ったビリー。ウィリアムとビリー。どちらが本当の自分か悩む彼がビリーとしての自分を探す物語に興奮を隠せない。
もう、この台詞を聴いた時鳥肌が立ちましたね。
思わず、「おお〜」とこぼしている自分がいた。物語にのめり込むと心が反射的に口を動かすことがあります。
それくらい心揺さぶられるエピソードでした。
アガサの警察官としてのヘンテコな日々を見れたのもグッドポイント!
まとめ
それでは最後にまとめといきましょう。
今回レビューしたタイトルはこちら。マーベルシネマティックユニバースのドラマ『アガサ・オール・アロング』。ディズニープラスにて好評配信中です。
全話視聴した上で、ここが作品の魅力だと言える部分を抜粋してご紹介。
本作のメインロケーション:魔女の道。道を進む魔女団に試練をもたらし、最果てに辿り着いた者の望みを叶える。待ち受ける試練は多種多様。本作ではエピソードごとに訪れる過酷な試練に立ち向かうアガサら魔女団のアドベンチャームービーとしてのワクワク感が満載です。
待ち受ける試練には時間制限が設けられ、魔女団の誰かのトラウマを掘り下げる試練を突破しなくてはならない。その過酷な試練を即席チームかつ、あのアガサを中心とした魔女団で突破しなくてはならない。
面白くなるに決まっている!
魔女団のメンバーの中で最も重要なのが唯一の男性である謎の少年“ティーン”。彼が全ての謎を握っている。なぜか自己紹介しようとするとシジルという魔法で個人情報保護が働き本名がわからない。
そんな彼の正体が明かされる第6話は神回と言って良い!物語後半戦に突入しての種明かしと少々遅めだが、それだけ待つ価値はある。そこに至るまでのエピソードも魔女の道がもたらす試練が面白さを約束してくれます。
本作の主演:アガサ・ハークネス。
彼女についても触れねばなりません。『ワンダヴィジョン』で悪役としてインパクト絶大な登場をし、お節介な隣人としての配役を強制させられる顛末を迎えた彼女が座長を務めるドラマ。
本作を視聴前の私はアガサというキャラを魅力的と思いつつも主役として相応しいか疑問を抱いていました。
しかし、その疑問は晴れた。
彼女がワンダヴィジョンで見せた悪役性は保ったまま、もう一つの顔を披露するという離れ技を今作は成し遂げてくれました。
そのもう一つの顔がなんなのか。ここで触れるというのは野暮というものでしょう。ぜひ本編でご確認ください。
本作品は『ワンダヴィジョン』と次作を繋ぐ中継作。
途中で始まり途中で終わるという結末を迎える物語。残された謎はありますが、次作が処理してくれることでしょう。
それでは、今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
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