最終章-18。こんな凄いレース体験は初めてだ。新たな領域へと至ったオグリキャップが先頭集団を抜き去っていく。追い抜かれた側の示したリアクションはこれまで見たどのレースにも該当しない異彩を放っていた。有マ記念ここに決着!ウマ娘シンデレラグレイ第208R『ありがとう』の感想プレゼン。

おはようございます。「フィルム&プレゼンテーション」へようこそ!『ウマ娘シンデレラグレイ』🎞️映画化を夢見るフリープレゼンターの🦉あーさんと申します。
ヤングジャンプ2026No.2に掲載されたシングレ最新話を読みました!
そんなわけで前置きは不要!
最新話『ウマ娘シンデレラグレイ』第208Rの感想プレゼンを実施していきましょう。
まずは率直なネタバレなしの感想を記します。

「こんなレース初めて観た…」――という感想になりました。良い意味でこんなレースというワードをチョイスしましたので誤解なきよう。
ウマ娘と初めて出逢ったのは2018年のTVアニメ第1作『ウマ娘プリティーダービー』。以来、TVアニメ・OVA・YouTube・舞台・映画といった映像化コンテンツはコンプリート。コミックスもアンソロジーと『ウマ娘 ピスピス⭐︎スピスピ ゴルシちゃん』以外は網羅してきました。
つまり、ほぼ全てのウマ娘で紡がれきたレースはチェック済み・・・のはず。
だからこそ、今回のシンデレラグレイの最終決戦=有マ記念の決着が描かれた第208Rには驚きを隠せません。
まさか、レース中の出走者である彼女たちがこのような表情を見せるとは・・・
ネタバレOFFの場ですから詳しくは言及できないのがもどかしい!
あえて表現するならば序章カサマツ篇のクライマックスレース=ゴールドジュニア、白い稲妻篇のクライマックスレース=有マ記念。これらに通じる“それ”がありました。
どちらにも共通するのは物語の凄まじい熱量、そしてどこかハートフルな作劇。こう、心がジワ~と温まる感覚。これが再来したのですよ!
――以上!ネタバレなし感想プレゼンでした。

本編ではネタバレ情報を色々解禁してお届けしましょう。まずは第208R未読の方へのレポートパートをお届けします。その後、詳細に突入し当ブログ恒例の🪞エミュレートプレゼンversion杉下右京にてお届け。是非とも水谷豊さんのお声をイメージしてお楽しみください。
第1部:《ネタバレ注意》エピソードレポート

登場キャラクター
- オグリキャップ
- ベルノライト
- 北原穣
- ヤエノムテキ
- メジロアルダン
- ミルワカバ
- ブライトロック
- メジロライアン
- フジマサマーチ
- ノルンエース
- ルディレモーノ
- ミニーザレディ
- フェイスノーモア
- スーパークリーク
- イナリワン
- タマモクロス
- 実況(赤坂)
- 解説
- 六平銀次郎
- オグリキャップの母
ストーリーライン
ストーリーの流れは大雑把に記します。ネタバレに配慮する都合上、かなり本編の肉と脂を削ぎ落としたような内容となっております。
🔻Chapter1:オグリキャップに追い抜かれて
領域=勝利の鼓動と末脚で突き進むオグリキャップは先頭集団となるヤエノムテキ・メジロアルダン・ミルワカバを追い抜いていく。
追い抜かれた彼女たちはそれぞれの反応を示す。
🔻Chapter2:いけ!
オグリキャップの後方から迫るメジロライアン。それを目の当たりにしたオグリに縁のあるギャラリーは口ずさむ。
いけ……―――と。
🔻Chapter3:決着
自分に向けて語っているのか、それとも誰かに語っているのか……。オグリキャップは胸にしまっていた想いを吐露し、ゴール板へと先着する。
第2部:エミュレートプレゼンSTART
瞳に涙を浮かべ、微笑む。
これがオグリキャップに追い抜かれヤエノムテキやメジロアルダンが披露した表情でした。
レース後ではなくレースの最中にこの表情を出力する。
通常ではあり得ません。しかし、本レースは特別極まる代物。彼女たちにとっても、僕たちにとっても・・・
台詞なき表情作画が全てを語る

一体彼女たちがどのような想いだったのか。それははっきり断定することはできません。何せセリフもモノローグも何一つ記されていなのですからねぇ。
しかし、記さなかったことこそ最適解であったと思います。
表情作画だけで全てが語れているのですから。
厳密には彼女たちがオグリキャップと共に駆け抜けた日々・歴史・蹄跡が代弁しているといったところでしょうか。その想いを言語化するには膨大なテキストが必要となるでしょう。だからこそ、何も記さず表情作画に全てを託す。
読者はその表情だけで全てを受け取ることが叶います。連載期間5年を超過する大河タイトルだからこそ成し得た表現。
お見事でした。
芦毛の怪物に執着するミルワカバの瞳に映るのは・・・

オグリキャップに追い抜かれ唯一台詞を発するリアクションをしたウマ娘:ミルワカバ。
彼女についても触れなくてはなりませんね。
現時点で唯一のクラシック1989世代となる彼女はいわゆる不作の年にカテゴライズされています。オグリキャップを筆頭とする先輩世代とメジロマックイーン・メジロライアンなどの気鋭の新世代の板挟みとなり埋没しつつある不遇の世代。それ故にとりわけオグリキャップに対して愛憎入り混じる複雑な心境を抱いており、最も芦毛の怪物にその競争人生を狂わされた存在と言って良いでしょう。
芦毛の怪物への異常な執着心。
これが解消されない限りは彼女はいつまでも囚われ続けることとなる。ミルワカバは救われるのかどうか気になる読者は大勢いたことでしょう。僕もその一人です。
この有マがそのラストチャンス。著者らはどうするのか……。その疑問に対する答えがようやく本エピソードで確認することができました。
🔻「怪物」と言い切ることができなかったミルワカバ
領域=勝利の鼓動を発動させ次々とウマ娘を抜き去るオグリキャップの姿を目の当たりしたミルワカバは嬉々として芦毛の怪物の再来を口にしようとする。
「怪ぶ…」
最後の一言を言い切る前に彼女の瞳に映ったのは走ることを心の底から喜オグリキャップの表情。それを目の当たりにした彼女は最後の一文字を口にすることなく呆然とする。
このシーンを最後に今回の彼女の出番は打ち止めとなりました。最後の一文字=「つ」を口にしない。できない。これだけで彼女の中の芦毛の怪物という偶像が上書きされたことが読み取れます。
救済のゴールとは言い難いですが、入り口には立てている。僕はそのように感じました。あとはゴールするのみ―――ですね!
エピソードタイトルをクレジットするタイミング

最後に本エピソードで最も秀逸であったタイトルクレジットのタイミングについて触れるとしましょう。
第208R「ありがとう」
このクレジットは最終ページに掲載。同一ページにはオグリキャップの台詞=「ありがとう」も記され、同じ文言が一つのページに重複する形となっています。
通常ならば別々のタイミングで記すべきでしょう。プレゼンスライドのタイトルとフレーバーテキストに全く同じメッセージを記しているようなものですからねぇ。
ですが、今回に限ってはこれ以上ない采配であったと断言できます。
何故ならばタイトルの「ありがとう」を発しているのはオグリキャップではない―――と解釈できるのでコール&レスポンスの構図として受け取ることができます。
オグリキャップが放った「ありがとう」に対しての返答としてタイトルコール「ありがとう」を挿入する。タイトルコールを出力しているのは著者ら、そして読者である僕たち自身であると僕は受け止めました。
思わずオグリキャップのありがとうに対して反射的に「その台詞はこちらのものですよ」という気持ちが湧いてしまいましたからねぇ。著者らも同じだったのでしょう。だからこそ、最後のページに同一メッセージを記した。
結びに

如何だったでしょうか?
ウマ娘シンデレラグレイ第208R「ありがとう」。一読者として咀嚼させていただきました。
やはり今回のエピソードは「このようなレースは初めて体験した」という感想に帰結するのでしょう。追い抜かれたものが悔しさや焦りなどではなく喜びの感情を抱いてしまう。通常ではあり得ない展開ですが、シンデレラグレイの5年間を超える連載期間の歩み・歴史・蹄跡がそれを可能とした。
ウマ娘で大河ドラマを実施するという初の試みとなった『ウマ娘シンデレラグレイ』が到達したゴールとしてこれ以上のものはないでしょう。
おっと!いけませんね。まだ3話残されています。
結論を出すにはまだ早い。
これ以上の頂に到達できる可能性はまだ十分あります。必ずや見届けてみせますとも。
それでは本プレゼンは以上となります。ご愛読いただきまして誠にありがとうございました。また別の記事にてお会いできることを楽しみとしております。

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