【ショートレビュー集】コミックス これ描いて死ね

これ描いて死ね ショートレビュー

おはようございます。
映画も好きだが、漫画も大好物!ブログ管理人のあーさんと申します。

漫画を作るのは一人で映画を作るものと語る著者もいるので、やはり二つのコンテンツには通じるものがある。だから両方とも好きなのかな〜

先日、書店に寄ったら予想外のコピーに出会いました。

コミックス『これ描いて死ね』がTVアニメ化決定!

なんだとっ!?

こちとら🎞️映画のネタバレ対策でネットを遮断していることが多いので知らなかったのですが、私の大好きな作品がTVアニメ化するという重大情報が発表されているではないですか!


これは映画化に繋がる道のりが開けたと解釈させていただきましょう。

というわけで、この記事ではコミックス『これ描いて死ね』のレビュー&プレゼンを実施していこうかと思います。

とても素敵な作品なのですよ!

物騒なワードな挿入されていますが、作品自体は非常に温かくハートフルな作風です。なんと言いますかやる気をプレゼントしてくれる。一言で形容するならばこの言葉に尽きるのかな〜


記事のスタイルとしましては短い文を積み重ねていくやり方を採用します。
あまり長ったらしく文章を書くのは専門外なので、要点を短く簡潔に伝え、短いながらも勢いよくレビュー&プレゼンをしていく所存。

というわけで、本編スタート!

それでは最初のチャプター。コミックレビューです。

ネタバレ情報を含んでいますので、ネタバレNGの方は次のチャプター=プレゼンへとジャンプを推奨します。

第1巻。主人公:安海相の魅力がこれでもかと炸裂したエピソードのオンパレードで彼女の魅力にノックアウト寸前まで読者=私を追い詰めてくる。

主人公の行動力がエグいのですよね。東京から離れた離島に安海相があるきっかけで島を飛び出しコミティアに参加。少女の冒険が第1話で語られる。この島を飛び出すまでのスピード感。勢いの力強さに引き込まれる。飛び出したはいいものも不安も抱えている彼女の顔色が目的地に到着してから一変していくのにも圧巻。

第1話の行動を機に創作の世界に飛び込んでいくのですが、もちろん彼女は素人。最初から品質の高いものは作れない。

でも、時間がかかってでもゴールにまで自力で辿り着く。

これがまぁ涙腺を刺激する。

出来上がった代物は決してハイクオリティとは縁遠いもの。だが、完成させたから以上それは0点と烙印を押すことはできない。他人からの批評を恐れて完成せずに中断してしまう人が世の大半。

でも安海相は笑顔で完成した作品を誰かに見せた。

一人の少女が創作の世界に飛び込み、苦戦しながらも創作者としての第1歩を踏み出す展開。これをたった2話でお出しされたら絶賛するしかないでしょう!


以上第2話までのレビューでした。

第1巻には第4話と番外エピソードの合計5話収録です。全部レビューすると長いのでこの辺で切り上げ。

第2巻。主人公ら漫研がコミティアに参加する物語。

第1巻では主人公が創作の世界を知る⇨漫画を1タイトル作る⇨仲間を集めて漫研設立・・・という流れでした。

そこから最後の引としてライバルキャラ?の登場で次巻に続くという流れを受けての第2巻。

この作品恐ろしくテンポが良い。

第2巻で早くも一つの大きな舞台に出陣するのですから。

そのテンポの良さとコミティアに参加するまでのプロセスをしっかり丁寧に描写しているのだから恐れ入る。

特に2巻表紙の藤森心が家族にコミティア参加を切り出すまで展開は心に染みる。内向的な彼女はコミュ力低め。それ故にお堅い家族にコミティア参加の許可をもらうスタートを踏み出せずにいた。そんな彼女がコミュ力を補う手として選んだのが漫画で自分の想いを伝えるという選択。

これはずるいな〜

私も内向的な人間なので心の気持ちは強く共感できる。怖い人に話しかけるのって非常に勇気がいるのですよ!その恐怖を乗り越える選択ができるのも素晴らしいし、そのための手段として主人公との出会いで手に入れた漫画という表現技法を採用する文脈がエモいのですよ!


というわけで、コミックス2巻収録の第6話のレビューでした。

第3巻収録エピソードで最もインパクトぬ優れているのは第13話。

3巻の表紙となっている赤福が主役の回でして、これがまぁ彼女の魅力を炸裂させた恐ろしいエピソード。

作中屈指の奇人というか魔人といっても差し支えない漫画家へびちか先生に恐怖心を与える赤福のキャラクター造形に読者としても心底心惹かれてしまうわけです。

底抜けに明るい・・・というのでは説明不足。赤福は自分の凡人としての資質を超肯定的に捉えていると言えば良いのだろうか?


一般的には凡人というワードをポジティブに受け入れる人はレアでしょう。でも赤福は本気でそれを良いことだと受け入れる感覚の持ち主。


漫画家として普通であることを捨て、生きているへびちか先生の天敵がまさか漫画を描かない赤福になるとは予想外過ぎる。


第13話は赤福とへびちか先生の関係性だけでも100点満点の出来栄えなのだが、その関係性が光の心に一筋の光明をもたらすのだから超絶面白い!

第4巻。何かしら創作活動をする人に響くエピソードが収録されていて多くの人のバイブルになり得るポテンシャルを感じました。

かくいう私もこうしてブログで何かしらの創作物を世に届けているのでクリティカルヒットしてしまったわけでしてね。


今回はコミティアに再び参加するエピソードが印象深く、プロに自分の作品を披露するというとても勇気のいる現場を読者は目撃する。

自分が時間・技術・センスを詰め込んだ作品を誰かに見せるってやっぱり怖いのですよ。

それを15歳の女子高生が実行しているという光景に心がざわついてしまう。そして、帰ってくるのは決して優しい言葉だけではない。だけど、その言葉を真摯に受け入れて最速で対応する姿勢に胸打たれてしまう。

これだけでもコンボとして高得点だが、まだ終わらず、主人公:安海相は自分が創作する理由をコミティアで再確認するというクリエイターにとって重要な原点をサラッとやってしまんだ。


はぁ〜待ってくれ!

こんなコンボを喰らってこちらがどんな心理になるのか作者は考えてくれたのだろうか。

胸がポカポカしてくるじゃないか!

第5巻は石龍光のエピソードが非常に印象深い。

親譲りの才能と人並みはずれた努力で創作活動の1線に踏み出している光。尖った才能はコミュ力を代償としている面もあり、本人もなんとなく気にしている様子。

そんな彼女の心境にフォーカスを当てたのが第21話。島に引っ越してきて漫研のメンバーとの出会い交流がもたらした彼女の心に読者が触れることを許可したエピソード。

う〜ん、心に染みてしまう。


私も人間関係には悩んできた。いや現在進行形で悩みを抱えている。
人間関係に悩み苦しんでいる人は私だけでなく世の中に大勢いることでしょう。

そんな人に読んで欲しいエピソードですね。誰かに居場所ができるお話というのはいつだって心を温めてくれます。

第6巻以降は少々お待ちください。

意見をまとめ次第執筆致します。

ここからはチャプター2:プレゼンのターン。

私はどこにも属していない野生のプレゼンター。なので特に忖度なしに思いのまま作品の魅力をプレゼンしていきます。

『これ描いて死ね』の最たる特徴は漫画的技法に満ち満ちている点。

これに尽きる。

魅力的なキャラが紡ぐストーリー。それを独創的な漫画的表現で読者にお出ししてくるのだから参ってしまう。

漫画を構成するコマ割り・吹き出し・擬音・フォント・etcといった要素を武器にあの手この手で読者に視覚的快感を提供してくるのだ!


エピソード毎に異なる手札を披露してくるので、作者のとよ田みのる先生の引き出しの多さには脱帽ものです。

キャラクタープレゼンをしましょう。
主人公:安海相(やすみ あい)。彼女はなんというのかな〜・・・主人公補正の塊のような女の子といえば良いのかな?

主人公補正=ハイスペックという意味ではないです。

技能的には素人創作者だが、マインド的にはチートという意味

こう歌唱技術的には拙いのに応援したくなるアイドルっているでしょ?ああいう類のキャラカテゴリーに属しているイメージ。

彼女が選択する行動。それを生み出す思考回路が主人公補正に溢れている。でも、技術は追いついていないから行動しても結果は伴わないパターンの方が多い。それでも諦めるという辞書は彼女にはなく挑戦する気概に溢れている。

行動力が化け物なのですよね〜

こんな子の心理=思考パターンをダイレクトに摂取できる読者という立場は贅沢の極みですよ!

だって心の底から応援したくなっちゃのだもの!

手島先生。私はこの方をもう一人の主人公兼作品の最終ボスとして睨んでいます。

毎巻最後に収録されるエピソード:ロストワールドにて教師となる前の物語で創作意欲全力全開の時代を描かれているので、準主役どころか前作主人公ポジションと言っても過言ではない手島先生。

本編ではその熱意は消え去ったところから第1話が開幕し、主人公:安海相の影響を受けて少しずつ消えてしまった熱意を取り戻していく姿が確認されています。

この人の魅力は常識人の面を被った奇人であること。読者にはこの魅力は明白な事実なのです。だってロストワールドでエシディシの真似をする人間なのだと表現されてしまっているのだもの!

生徒思いの先生であることは間違いないが、同時に漫画家として重要な資質である奇人という一面も併せ持つということは両立できてしまう。本編では心の熱意の鎮火と共に奇人資質が表に出ないようになってしまっただけでしょう。

であるならば、安海相ら生徒たちの成長・進化と並行して手島先生の真価が発揮される展開を期待してしまう自分がいる。

安海相が手島先生の真価を取り戻してくれる展開を強く願う。

藤森心。主人公:安海相とコンビを組み漫画を制作する作画担当の少女。
私の一推しです。

彼女は今作では少数派な内向的な少女でして、物静かで意見を言わず・言えずに引っ込めてしまう場面が多々確認される。

だからこそ、勇気を振り絞って行動する発言するシーンの破壊力はギャップ効果で凄まじい破壊力を誇る

第1巻収録のエピソードで彼女の方から作画に申し出るシーンは永久保存版の魅力がございます。

内向さ故の優しさに溢れているし、そんな奥手な自分という殻を破る勇気を持っているとか反則ですよね〜。

いかがだったでしょうか?
この記事ではコミックス『これ描いて死ね』のレビュー&プレゼンを実施しました。

少しでも作品の魅力が伝わったのであれば嬉しく思います。


最後におすすめのクリエイター讃歌タイトルを紹介して締めてさせていただきます。

何かを作る人の熱意と狂気。それにはいつの時代も色褪せないパワーがある。そんなクリエイター讃歌作の一つの中から私が大好きな作品を一つご紹介。

『映画大好きポンポさん』

約90分に凝縮された創作への熱意。創作に必要なのは才能ではなく狂気じみた心持ちであると宣言する作品に込められたメッセージは万人には届かないかもしれない。

だが、響く人にはとことん響く。

このメッセージは『これ描いて死ね』にも通じるものがあると思い『映画大好きポンポさん』をご紹介させて頂きました。

それでは今回は以上となります。

このブログでは映画レビューや映画化に値する作品(例:ウマ娘シンデレラグレイ)の紹介を行なっております。他の記事に目を通したり、ご家族や友人に紹介やSNSで拡散していただけると励みになります。

ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。またのご縁をお待ちしております。

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