【映画レビュー】ライオン・キング ムファサ 感想

ライオン・キング ムファサ 映画

今回は2024年12月20日より劇場公開された映画『ライオンキング ムファサ』を鑑賞してまいりましたので、その感想記事となります。

前作『ライオン・キング』が公開されたのが2019年。5年の歳月を経ての続編。
今回の主人公はシンバの父:ムファサ。プライドランドを納めた王の過去が語られる作品。

率直な感想としましては、それなりに良かったという印象。
元よりライオン・キングでムファサがどうなるのか知っていることもあって意外性のようなものは特にない。
定められたゴールに向かってどこまで旨みを引き出せるかが課題の作品となった今作はムファサとタカ(後のスカー)の関係性がどのようにして拗れていくのかが肝となっていました。

中盤まで仲睦まじい両者の間に亀裂が生じる転換点に成程と納得のいくものはありましたが、そうきたか!?と驚きを抱くほどのインパクトはなかった。

尖った要素はないが、酷評するところも特にはない。良くも悪くも王道を歩む作品として優等生であったという印象に着地する。

ということで今回は絶賛するわけでもなく、酷評するわけでもない記事となるかと思います。しかし絶賛しないからといって作品に魅力がないわけではない!

ここは評価できるポイントと思えた箇所を読者にお届けできたらと思います。

大まかなストーリーの流れ → 作品レビュー → 魅力のプレゼン

という流れで進行していこうかと思います。それではお付き合いのほどよろしくお願いします。

ストーリー解説

それでは第1章ストーリー解説といきましょう。核心に迫るようなネタバレは省いていますが、大きな枠組みとしてのストーリの流れはわかるようになっています。ネタバレNGの方はご注意ください。

前半の流れ

前半戦は大体上記のような流れ。
前半戦はムファサとタカの信頼関係が醸成していく様と目的地ミレーレに向かう動機や仲間との出会いというイベントが待ち受けている。

作品の魅力の片翼を担っているミュージカルパートが4曲もあります。

後半戦の流れ

後半戦は概ね上記のような流れ。
作品のメインディッシュとなるムファサとタカの関係性に大きな変化が起こるのもこの後半戦から。
その関係性の変化を踏んでラストにて描かれるタカからスカーへと名を改めるシーンは見て良かったなと思っています。

作品レビュー

それでは第2章:作品レビューへと参りましょう。

作品評価【A】

今回の評価は【A】。
表現を改めるのならば普通に良かったという形になります。

私は映画に驚き・意外性・サプライズ要素を求める口です。今作は丁寧にイベントを積み重ねてムファサとタカの関係性の変遷を描いていくプロセスが売りの作品。その積み重ねは丁寧でしたが、意外性には欠けていた。なので自分のストライクゾーンには入らなかったので評価【A】という結果になりました。

良かったところ3選

主観的なストライクゾーンに入らなかったけれど、客観的に良かったと思える要素をピックアップしました。

今回出番がかなり多かったラフィキ。若かりし頃から変わり者で仙人めいているというか賢者のように達観している。その賢者性が若く未熟なムファサを導く先導者のような印象を与えていて良かった。アーサー王伝説に登場するマーリンのように良き王の側には偉大な賢者がいるものですからね。

ムファサの王としての資質が立髪の短い少年期の頃からバリバリに発揮されていて、ムファサは天性の王様なのだと強く感じました。目を閉じ感覚を研ぎ澄まして周囲の環境を把握する能力は疑う余地もなく王に相応しい才覚。知性にも長けていて雪山での逃避行の際足跡を消すようにザズーに頼む手腕も見事。
何より格上のキロスらに立ち向かえる勇敢さまで兼ね備えている。

王しか相応しくない。そう断言できる獅子でした。

あまりにも凄まじい王の資質を持ったムファサとの出会いにより運命が狂ってしまった悲しきライオン:タカ。
父は小さなライオンの群れの長。すなわち王でした。その小さな群れの中でならタカも親の後継として王の座につく事もできたでしょう。しかし、ムファサと出会いが全てを狂わせた。

知性・勇敢さを兼ね備え、自分を含めた周囲への優しさまで発揮できるムファサという圧倒的光の存在にタカは影となるしかなかった。タカが雪山にて心を通わせるムファサとサラビを目の当たりにし闇堕ちする様は胸にくるものがあります。

お気に入りシーン3選

今回のお気に入りシーンは上記3点。それぞれ個別に解説してきましょう。
なお、第3位は既に前述して被ってしまっているので割愛させていただきます。

第2位はクライマックスにてキロスに追い詰められたムファサを救ったタカ。
キャラクターアイデンティティと言える目の傷が生まれる瞬間でもあります。

このシーンはなかなか解釈が難しい。

あそこまで恨んでいてムファサを身を挺して救うタカの心境は正直よくわからない。理屈で納得できる領域にはないように思える。それだけタカにとってムファサの存在は大きく近づきすぎている。愛情もあるしネガティブな感情も多々ある。あの瞬間はポジティブな感情・思い出が勝ったという解釈で良いのかな?

純粋に良かったシーンとは言えないのですが、深く考えさせられる場面として第2位に選出。

第1位はムファサがその勇敢さを大々的に発揮した場面。キロスが派遣した白ライオン2匹と交戦しタカの母:エシェを守り抜いた場面です。

ここのムファサの勇敢さ・勇ましさ・格好良さと相対するかの如く恐怖に臆し逃げてしまったタカとの塩梅が素晴らしい。

主役2名のキャラクター性を象徴するかのような場面で最も気に入っております。

まとめ&プレゼン

それでは第3章もとい最終章へと突入です。レビュータイトルの魅力を濃縮してお届けします。

今回レビューしたタイトルはこちら。『ライオン・キング ムファサ』。

作品の魅力を一言で表現するならば上記の言葉に帰結します。
ムファサとタカ。義兄弟として信頼関係を積み上げてきた両者の間に訪れる光と影がくっきりと描写された物語は『ライオン・キング』の前日譚として咀嚼感十分なエピソードでした。

特筆すべきは主人公:ムファサが無意識的に発揮している王としての才覚。

勇敢さ・知性・優しさ。
誰かの上に立つ者としての資質を無自覚に発揮していくムファサの姿は眩しすぎるくらい輝いて見えます。

ムファサの光り輝くほどタカに濃い影を落としていく物語も作品の大きな魅力でした。

『ライオン・キング』の前日譚として意外性にこそ欠けるが前作への理解・深みを増す要素に富んでいたと捉える事もできます。

本作のクライマックスにて王ムファサの誕生。そしてタカが名を捨ててスカーとなる経緯が明らかとなります。その具体的な経緯をここで明かすというのは野暮というもなので、その答えに興味がある方はぜひ作品本編でお確かめいただけたらと思います。

それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました