久住先生がシングレ執筆に至った経緯・引退後のサラブレッドが行方不明となる暗黙の了解・競馬マンガの到達点としての『ウマ娘』―――などなど『KOTOBA』競馬特集号のプレゼン。

おはようございます。「フィルム&プレゼンテーション」へようこそ!『ウマ娘シンデレラグレイ』🎞️映画化を夢見るフリープレゼンターの🦉あーさんと申します。
『KOTOBA』競馬特集号を購入し、読んでみました。
正直購入するかどうか迷っていた。内容には興味があるのだけれど電子書籍がないと来た。筆者はゴリゴリの電子派なので、あまり実物をお手元に揃えるのは好みません。紙・実物だと保管場所に困るんですよねぇ。
だが、意を決して購入してみました。
その結果、買って良かったと心より思えた次第。なんという情報量の密度。騎手・ウマ娘関係者・作家・小説家・アナウンサーなどなど多方面から競馬と接点を持つ方を招致しここでしか聞けない情報のラッシュが読者に提供される。
これは永久保存版だ‼️―――と確信しました。できることならば電子の方が良かったのは揺るがないのですけどね。電子はポータブル性・経年劣化の観点で優れている。保管場所も電子書籍リーダーあるいはスマホ・タブレットで済みます。いっそ電子化を自分で試みた方が良いかもしれません。
そんなわけで、今回は『KOTOBA』のプレゼンです。

内容に興味がある方に向けて、どのようなことが記されているのかご紹介していくとしましょう。なお、旨味と思える部分はオミットします。それは本誌にて直接ご賞味いただきたい。
こんなこと書いているんだぁ~~~―――と捉えていただければ何より。旨味をオミットする分、本文は味付け濃くしていきましょう。エミュレートプレゼンversion杉下右京。和製ホームズこと右京さんを模倣したテキストで彩っていきます。是非、名優:水谷豊さんのお声をイメージしてお楽しみください。
エミュレープレゼンSTART
競馬を読む―――実に心地良い響きです。
シンプル イズ ベスト。本書籍を端的に表現する文言としてこれ以上のものはないでしょう。文責を担う執筆者特有の文体に彩られたそれぞれの知見から出力されるテキストは、何故か異なる味わいを醸し出す。
表紙にクレジットされている方々だけでなくより多くの競馬に関わってきた方々の見解・哲学に触れることが叶います。
- クリストフ・ルメール
- 久住太陽✖️みうらたけひろ✖️高柳知葉
- 馳星周✖️河野啓
- 早見和真✖️藤原菜々花
- 梅崎晴光
- 杉本清
- 島田明宏
- 椎名誠✖️星野博美
- 平林健一
- 加山竜司
- 高橋源一郎
- 田中裕二✖️じゃい
- 豊﨑由美
- 水晶玉子
- 加藤ジャンプ
15のチャプターに区分けされ、それぞれのテーマでメッセージが綴られているのが本書籍の特徴。これで半分のボリュームしか占めていないのですから驚きを隠せません。
この記事で全てに触れる道を選択すると凄まじいテキストボリュームとなってしまうこと必死。なので、3つに厳選してピックアップしていくとします。
シングレ鼎談が明らかとなるオグリキャップ号を背負う経緯
まずはこれから触れていくとしましょう
久住太陽✖️みうらたけひろ✖️高柳知葉による鼎談(対談の3人バージョン)。コミックスの著者・アニメ監督・ボイスキャスト・・・―――オグリキャップ号の歴史を現代にリブートする責任を背負った三名による談話。
8ページに及ぶ大ボリュームで本書で初めて目の当たりにする情報も多く大変読み応え抜群でありました。
やはり、最注目となったのは久住太陽先生のお言葉。
どのような経緯でシンデレラグレイの筆を取ることとなったのか、連載に当たって何を勉強したのか―――などなど蔵出し情報のオンパレード。彼の人となりが窺えて非常に好感が持てました。
無論、みうらたけひろ監督や高柳知葉さんのメッセージもオグリキャップ号の歴史を背負う覚悟に溢れていたと記させていただきます。
シンデレラグレイの原作を愛読する方やアニメで心踊る体験を味わった方は是非ともお目を通して欲しい。そう思うばかりです。
引退後のサラブレッドの多くが“行方不明”となる
続いて2つ目のピックアップは
映画監督・作家・起業家である平林健一氏のチャプター:「引退馬のセカンドキャリア」。
こちらはターフを去った競走馬の多くが辿ることとなる運命について語られており、無視も軽視もできないと強く受け止めるほかありませんでした。
🔻暗黙の了解=屠畜
屠畜(とちく)―――という言葉をご存知でしょうか?
噛み砕いて説明しますと、牛や豚などの家畜を食肉にするための処置。競走馬生を終えたサラブレッドの多くは行き場を無くし、行き着く果てが屠畜となる定めにある。
平林氏の独自調査によると競走馬が屠畜となる数は年間で4000にも及ぶ(2018年において)―――とのこと。
衝撃的な数字です。彼の監督作『今日もどこかで馬は生まれる』でも扱われている数字らしく映画公開後に訂正要求ともなかったことから、妥当な数字なのでしょう。
しかしながら、信じ難い・・・いいえ、信じたくない値です。
🔻ロイヤルファミリーも屠畜されたいた可能性
日曜劇場にて紡がれたTVドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』。そこでは屠畜という言葉こそ出現しませんでしたが、引退後に行き場を失った競走馬が処分されるというやりとりが印象的でしたねぇ。
これは屠畜を意味していたのでしょう。
そして、もしも中条耕一馬主の保有馬:ロイヤルファミリーがまともな賞金を獲得できずに引退を迎えていたら・・・。
想像したくもありませんが、あり得た可能性ではあります。
屠畜というルートを知った上で、『ザ・ロイヤルファミリー』を振り返ると中条耕一馬主が引退後の馬生のために賞金を確保することについて言及していたこと、栗栖栄治が引退馬を受け入れるファームを第3のキャリアとしたこと。彼らの選択・決断がどれほど価値あるものであったのか改めてその重みを実感させられます。
競馬マンガにウマ娘が与えた功績と予断許さぬ未来
最後の3つ目。再びウマ娘に視点を戻すとしましょう。
漫画ジャーナリスト:加山竜司氏のチャプター『競馬漫画の蹄跡 横山光輝から「ウマ娘」まで』。こちらも大変興味深い見解が述べられていました。
氏曰くウマ娘は競馬漫画が辿り着いた帰結点と評し、約70年に及ぶ競馬漫画の歴史が到達した一つのゴールであるという旨が記されていました。半世紀を超過するトライ&エラーの末、擬人化という日本特有のアプローチがクリティカルヒットを起こし昨今のムーブメントを引き起こしている。という加山氏の冷静な推察、僕も腹落ちするものがありました。
そして、同時にウマ娘のみに依存する現状に危機感も抱いていると彼は記しています。
より多様な競馬漫画が出現しなければいつまでも『ウマ娘』を拠り所とすることとなる。
漫画ジャーナリストである加山氏の言葉が可能な限り多くのクリエイターを志す者たちに届け―――と僕も少しだけ力添えできればと思い、ピックアップさせていただきました。
結びに

如何だったでしょうか?
今回は『KOTOBA』を読んだインプレッションをプレゼンさせていただきました。
15のチャプターの内3つしか言及できていませんが、これだけでも本書籍のポテンシャルが伝わったのではないでしょうか?
尺が許すことであれば、早見和真先生の学生時代のエピソードやロマン馬券について熱く語る爆笑問題の田中さん、沖縄競馬、インド人が支える日本競馬などなど触れたい・記したいインプレッションはこと尽きません。
しかし、そろそろ終わりの時のようでして・・・止むなし――といったところ。
『KOTOBA』競馬特集の魅力・真髄はご自身の眼と心でご堪能頂ければ何よりです。
本プレゼンは以上。ここまでご愛読いただきまして誠にありがとうございました。多謝です。また、別の記事にてお会いできることを楽しみとしております。

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