【感想】BanG Dream! Ave Mujica  1〜13話

BanG Dream! Ave Mujica #1 U-NEXT

記事の趣旨は至って単純明快。『BanG Dream! Ave Mujica』『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』同様に劇場版に辿り着いて欲しい。という想いを乗せて作品の魅力を言語化していこうという趣旨の記事となります。

2024年に劇場上映された『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』は大変素晴らしかった。ならば対となる作品にも映画化して欲しいと願ってしまう。

今回は2025年1月2日よりTV放映スタートしたアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』を視聴スタートしましたので、レビューの皮をかぶって作品の魅力を宣伝したいと思います。

記事のスタイルとしましてはスタック性を採用。
スタック=積み重ねていく。

1話ごとに記事を投稿するのではなく一つの記事を随時更新していこと思っています。最終的に目次がえげつないことになりそうですが・・・気にしない。気にしない。(気にしたら負けな気がする

各話3つほど素晴らしいと思えたところをピックアップして紹介していくようなスタイルを志しています。

毎週更新できるかどうかはさておき、可能な限り鮮度を持って更新していく所存。

それではこれより、本格的なレビューと行きましょう。
よろしくお願いします。


  1. #1Sub rosa. レビュー
    1. 三角 初華/ドロリスの圧倒的歌唱力
    2. 豊川祥子が自ら選択した逆境
    3. 仮面舞踏会=マスカレードの終幕
  2. 【1/12更新】#2 Exitus acta probat. レビュー
    1. 元CRYCHICメンバーのリアクション
    2. 初華は祥子に依存し始めてる?
    3. 終わりの始まり
  3. 【1/19更新】#3 Quid faciam? レビュー
    1. 激化する祥子とにゃむの対立
    2. 同じ商業バンドRASからゲスト出演!レイヤ
    3. 睦の崩壊
    4. 1人13役をこなした渡瀬 結月さん
  4. 【1/25更新】#4Acta est fabula. レビュー
    1. モーティスの独壇場
    2. にゃむの執念のルーツ
    3. 解散回避からの解散確定
  5. 【2/1更新】#5Facta fugis, facienda petis. レビュー
    1. 祥子の心境を投影するかの演出
    2. 解散したバンドメンバーのぎこちなさ
    3. 事実上の『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』第14話と言える物語
  6. 【2/8更新】#6Animum reges. レビュー
    1. ワイルドカード:要楽奈
    2. 敬語キャラは仮面?素顔はどっち?
    3. 【ガールズバンドアニメです】睦VSモーティス
  7. 【2/15更新】#7Post nubila Phoebus. レビュー
    1. CRYCHIC 奇跡の再LIVE
    2. 睦に宿った小さな意思
    3. 燈が与えた祥子への影響
    4. ファインプレーを連続する愛音
  8. 【2/22更新】#8Belua multorum es capitums. レビュー
    1. 謝罪ができる立希
    2. 作中屈指の💣爆弾へと成長中の睦
    3. 海鈴の変化
  9. 【3/2更新】#9Belua multorum es capitums. レビュー
    1. 初華の暗黒面
    2. そよの意外な反応
    3. 作品の中核に位置する“芝居”という要素
  10. 【3/9更新】#10 Odi et amo. レビュー
    1. それぞれのステージネームと向き合う物語
    2. 逃げなかった若麦
    3. 祥子の決断
  11. 【3/16更新】#11 Te ustus amem. レビュー
    1. 佐々木李子さんの演技力
    2. 明らかになる初華の秘密
    3. AveMujica崩壊の危機
  12. 【3/23更新】#12 Flutuat nec mergitur. レビュー
    1. 祥子の覚悟
  13. 【3/30更新】#13 Per asprera αd astra. レビュー
    1. 圧巻のLIVEパフォーマンス
  14. おまけ:予習作品について
    1. 劇場再編集作2タイトルは予習には不向き
    2. 共有:
    3. 関連

#1Sub rosa. レビュー

三角 初華/ドロリスの圧倒的歌唱力

第1話で最も印象に残ったのは初華の圧倒的歌唱力。

幾度となく繰り返されるフレーズ「KiLL KiSS」の切れ味の鋭さに惚れ込んでしまう。

CVを務める佐々木李子さんのことは2019年放送スタートしたTVアニメ『キラッとプリ☆チャンseason2』の頃から存じ上げていました。その頃から同作キャラクター:虹ノ咲だいあの歌声に魅了されていましたのですが、明らかに歌唱力がパワーアップしているように感じられます。

力強さ・場を支配する歌声の残響感が桁違いに思えてならない。

この歌声をこれから毎週のように摂取できるのは贅沢の極み!


豊川祥子が自ら選択した逆境

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』では祥子はヘイトを集めやすいポジションにいました。その最終話で彼女がコールセンターでアルバイトをしているという事実が発覚したことで、並々ならぬ事情があることは察せられていましたが、その全容が遂に明かされた。


没落貴族設定は多くの視聴者の理解するところであったと思うのですが、父親を見捨てないために自ら茨の道に飛び込んだというのは衝撃的な真実でした。

2024年に上映された2本の映画ではMyGO!!!!!のメンバーに焦点を絞った都合、祥子の描写は限定されていました。故に映画だけ見ていると祥子の抱える問題は全くわからない状態に陥ってしまう。映画からシリーズに参入した視聴者にとってもこの展開は祥子を主人公に据える『BanG Dream! Ave Mujica』の視聴モチベーションに大きく貢献できたと思います。

仮面舞踏会=マスカレードの終幕

いつかは来ると予想していた素顔バレ。流石に1話では来ないであろうとタカを括っていました。しかし、第1話から爆弾を投下してくるテンポの良さに参ってしまいます。

3話か7話くらいかな〜?と予想していたこちらの不意を突く衝撃。素顔バレによって顔を隠すリアクションをとる睦の表情の悲痛さ。その正体バレの瞬間を目の当たりにしてしまったそよ。初華まで素顔を晒したことで、アイドルユニット「sumimi」の活動の雲行きが怪しくなりそうですし、今回の一件だけで一気にドラマが生み出される予感がしてなりません。

この様々な憶測を呼び込む波乱の幕開けで1話を締めくくるという構成には次のエピソードへの期待が高まる限り。


【1/12更新】#2 Exitus acta probat. レビュー

元CRYCHICメンバーのリアクション

「Ave Mujica」の正体が明かされたことで、元CRYCHICメンバーのリアクションが印象的だった第2話。

特に驚いたのが燈の反応。

怒るそよ。燈を心配する立希。こちらの反応は想定の範囲内。

対して、燈の反応は意外なものでした。
もっと動揺すると思っていた。ショックを受けて塞ぎ込んでしまう。

しかし、違った。燈の反応はどちらかというと祥子の変化にただ戸惑っているといった印象を受ける。
CRYCHICとAve Mujicaで祥子のパフォーマンスの方向性に大きな差異があることに違和感を覚えている様子。祥子の変化に心配という感情を抱いていると解釈しても良いかもしれない。

このリアクションには驚いたけれど、『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』での燈の成長を目の当たりにした身として納得いくものもございます。

初華は祥子に依存し始めてる?

第1話で父親の家に帰れなくなった祥子。彼女がTV局?らしき場所で寝泊まりしていることに気づいた初華は同居を申し出る。

ずっと居て良いと言う初華。

これは解釈に困るな〜〜

幼馴染に全力全開の善意を示しているともとれる。だが、今作は地雷原を最速で突き進むような作品。
ただの善意だけと受け取るのは違う気がする。

初華は相方のまなに対しても何か温度の差を醸し出している。まなは初華に対して裏のない善意を示している。けれど、初華はまなに対してそこまで強い想いを抱いていないように見える。

初華が抱える爆弾とは一体何なのでしょう?

祥子と初華の同居スタートは、2人の関係に大きな変化を呼び込む爆弾の導火線に点火してしまったように思えてならない。考えれば考えるほど作品にのめり込んでいけるので楽しい限りです。

終わりの始まり

正体バレから加速的に憔悴し始める睦。

口数の少ないキャラなので彼女が抱えている悩み・問題がどのようなものか全容を現時点で知ることは不可能。気になって仕方ない。

何がそこまで彼女を追い詰めるのか?

綺麗な豪邸に似つかわしくない傷だらけの椅子。睦が大事に抱えるギター。幼少期に芸能活動していた彼女がそれを辞めた理由。

これらの🧩ピースがハマる時が待ち遠しい。

全国ツアー初日のLIVE。重要な大舞台で糸が切れたように座り込んでしまった睦。
それに対してにゃむが最も驚き焦っている様子なのがグッと来ます。にゃむは所謂戦犯みたいなポジションなので、彼女自身が罪悪感を抱く展開はユニーク。

彼女がバズという💥起爆を起こすために引き越した代償とどのように向き合っていくのか今後の展開が気になるというもの!

【1/19更新】#3 Quid faciam? レビュー

今回のピックアップは4点とオーバーしています。

激化する祥子とにゃむの対立

第3話はにゃむのプロ意識の高さがよくわかる描写が豊富でした。
手段ではなく、目的にこだわる姿勢。ゲストが求めているものに応えるのがエンタメであるというにゃむの言葉は核心をついている。大学のレッスンにも自主的に参加し、自宅でも練習を惜しまないにゃむの日の目に出ない姿を確認できた。

対して、祥子は自身が初期から掲げるブランドイメージを崩さないことを重視している。
そのスタンスはにゃむとは相容れない水と油の関係。

若葉邸のスタジオでの今にも開戦の火蓋が開かんとするシークエンスにドキドキしてしまう。まだ第3話だぞ!?ここまで険悪化が激化していくのか!?

もっと深刻化していきそうなので、次週以降の展開が楽しみですね。

同じ商業バンドRASからゲスト出演!レイヤ

シリーズファンには嬉しいゲストキャラが登場。
RASのレイヤがにゃむの自宅のお隣さんとしてカメオ出演。

彼女の口からマスキの名前も登場。

過去シリーズを未見の方には誰?という状況でしょう。
RASは「Ave Mujica」同様に商業路線で活動をしているバンドです。今回登場したレイはそのボーカル兼ベース。

めちゃくちゃ格好いい曲・パフォーマンスを披露するバンドです!

睦の崩壊

第3話冒頭は祥子の機転と睦の座っているだけなのに圧倒的存在感を披露するという意図しない離れ業で窮地を乗り切ったと思いました。

しかし、睦の崩壊が訪れてしまう。

自分には燈・立希・そよ・祥子のような才能はないという睦。
ギターを弾くではなく、歌わせる才能がないという表現の仕方から感情を反映させた情動に訴えかけるような演奏ができないという意味と解釈。

これが睦が抱えるコンプレックス。

そのコンプレックスを解消できないまま、祥子のために「Ave Mujica」の活動を続けたツケが訪れる。

大衆に求められるのは血筋に刻まれた演技力。

演技を披露することを受け入れた睦は、自身が作り上げたペルソナ=モーティスに飲み込まれる。

直接的でないにしても、1人のキャラクターの退場を意味する展開で衝撃的すぎる。

1人13役をこなした渡瀬 結月さん

既に第3話の良い点を3箇所挙げましたが、4つ目も今回は取り上げなくてはなりません。
若葉睦役をなされている渡瀬 結月さん。

今回、別のキャラクター12名も担当されていて合計13役を1人でこなす。

Excellent

これは絶賛する他ないでしょう。

これまで感情表現に乏しい睦を演じてこられました。故に渡瀬 結月さんの真価に気づけない状況になっていた。それがお話の面白さを爆発的に引き上げるスパイスにもなっていて、ここまで演技力溢れる人物であることに驚きと興奮を隠せません。

今回のエピソードはモーティス劇場と呼ぶに相応しいレベルで彼女の演技力が猛威を振るったエピソードでした。

睦のために表舞台に出現し、解散寸前だった「Ave Mujica」を立て直す。今まで接点の薄かった祥子を除くメンバーと交友を深め、逆に祥子とは溝を生む展開。

中盤で祥子と2人っきりになってからの正体バレのシークエンスは赤い照明の演出も相まってホラー色濃厚。本当にバンド=音楽アニメなのか!?と疑いたくなるレベル。

話しが積み重なるごとに個人的に株を上げ続けているのが祐天寺にゃむ。プロ意識の高さはメンバー内随一でゲストファーストの精神性は紛れもないプロそのもの。

そんな彼女が芸能界で上り詰めていこうとするルーツの一端が判明。九州地方出身で上京していたのですね。方言は博多弁でしょうか?

これまで一切見せてこなかった素の一面がにゃむの自宅にて繰り広げられた母親との会話で垣間見えました。これはますます好きになってしまう!

家族にはあざとさなど一切ない優しい態度で面倒見の良さが伺える!母親に甘える声も弱さを見せて良い相手ならではの計算などない口ぶりで、普段とのギャップがクリティカルヒットする!

まだ4話だぞ!?、と視聴者全員のツッコミが飛び交うこと必至となったクライマックス。
本当に解散してしまうんだ・・・

ホテルの一室でモーティス以外のメンバーが作戦会議しているところに鳴り響くノック音。その音の主はモーティス。彼女が🚪ドアから顔を出す姿はどこか名作ホラー映画「シャイニング」を彷彿とさせてしまうのが個人的にツボでした。

そこからモーティスのターンが再びやってくるかと思いきや、場の主導権を握ったのはにゃむ「Ave Mujica」脱退というワイルドカードは全員が持っている。それを躊躇なく使うあたり、にゃむの目標達成への覚悟は本物。

祥子の近くにいたい初華。「Ave Mujica」しか帰る場所の無い祥子。複数のバンドをサポートベースとして掛け持ちし、正式なバンドに所属してこなかった海鈴。睦のために「Ave Mujica」を守ろうとしたモーティス。4名とも目的地というよりも居場所を重要視している。

しかし、にゃむは違う。必ず東京で成功を掴むと明確な目標を持っている彼女にとって手段にこだわる必要はない。

序盤の解散回避からの急展開。面白い!実に面白い!!オリジナルアニメならではの誰も先を知らないストーリー展開を高速で畳み掛けてくるハンドル捌きが素晴らしい!しかも続きが気になって仕方ないのだからずるい!

第5話。真っ先に印象に残ったのが台詞もBGMもない時間の長さ。バンド解散による祥子の喪失感・虚無感を視聴者に体感させるかの如く、作品を彩る音楽が消え去り、祥子の台詞も途中まで一才なし。

やっと台詞を発したと思ったら、

「私は、私のことが嫌いですわ」

この言葉のための溜めだったのか!と膝を打ってしまう。

ムジカ解散後、顔を合わせた組み合わせは2つ。初華とにゃむ。初華と海鈴。どちらもぎこちなさが凄い!よそよそしさMAX!『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』でも解散の危機はあったが、あれは怒りとか嫌悪とか、そういうネガティブ感情が起点となっていた。なのでまだ救いがあった。ネガティブ感情とポジティブ感情の境界線が曖昧なので。

しかし「Ave Mujica」の解散後のメンバーのやり取りを見ていると無関心という感情が色濃く見える。無関心という感情は最も0に近い感情。これはポジティブにシフトするのは難しい。

これは救いの余地があるのでしょうか!?
しかし、物語はまだ7〜8話残っています。このままの関係性で終わるわけない!脚本家陣がこの状況をどのように調理するのかその手腕に期待!!

TVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』はガールズバンド:「It’s MyGO!!!!!」の結成譚でした。紆余曲折を経てバンドとしてスタートラインを踏み切った5人の少女の物語。その物語は綺麗に締めくくられていますが、未解決な問題もあった。

「It’s MyGO!!!!!」の前身と言えるバンド:「CRYCHIC」の発端となった燈と祥子の関係。こちらは未解決。『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』第13話で、燈の方から祥子にアプローチするという大きな前進を見せたが、祥子は拒絶の姿勢を貫く。

その続きがどストレートに描写されたのがこの第5話!
これは事実上の『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』第14話と言える物語と言っても過言ではない!

前話となる第5話にようやくちょびっとだけ登場した楽奈。これまでの出番を取り戻すかの如く、短い出番で急速に物語を加速させていく。

最後までMujicaとは特に接点を持たずに終わるリスクもあったが、意外にもモーティスの方から接近する展開。

なぜかモーティスの中に眠ってしまった睦の存在に気づくというファインプレー。さらに睦のコンプレックスであるギターを歌わせる才能を持つという楽奈の存在が無罪の存在を呼び覚ます。しかし、それはモーティストの避けられない衝突の合図ともなり、状況はどちらかというと悪化していく一方。

お、お、面白い!

まだまだ状況は悪化していく。それがカタルシスを生むことを我々視聴者は知っている。オリジナルアニメならではの先の読めない展開と深刻化する状況の相乗効果で辿り着く到達点が与えてくれるエモーショナルに期待が高まるばかり。

明らかに今までと異なる態度を示した八幡海鈴。
唯一心の距離が近い立希ちゃんからの痛烈な言葉に不機嫌になり溢れてしまった本音と思わしき言葉。

ここまで敬語キャラを死守してきた彼女の口から、放たれたのは敬意の欠片もないトゲだらけの言葉。
こっちが素顔なのか!?

今まで謎だらけであった海鈴の本性に少しでも触れられたことに嬉しく思う。そして、折り返し地点を迎えた本作。残りのエピソードで彼女をより深く知る機会があることを願う。

楽奈との対面で復活した睦。それによって開幕する睦VSモーティス。側から見たら一人芝居にも等しい会話を始め、周囲を困惑させる。

まさかガールズバンドアニメで二重人格者による1人問答を目の当たりにする日が来るとは思ってもいなかった。

凄い時代になったものだとしみじみ思います。

第7話。私はボロ泣きしながら視聴させていただきました。なんて言えばよくわからない。感情が揺さぶられまくっている。うまく文章にまとまらないでしょうが、ここに想いを記します。

MyGOとムジカの前身バンドであるCRYCHIC。
解散という表現では生ぬるい。崩壊を迎えたバンドです。

それが奇跡の再LIVEに至る。

MyGOのリハーサルを拝借する形なので客はいない。だが、それで良い。ここで奏でられる演奏も歌声も全てメンバーのために奏でられるものだから。

5人ともCRYCHICのことを強く引き摺っていたんだと思うのです。特に睦は解散の最後の一押しとなる言葉を放ってしまった引け目があった。あの日雨の中泣きながら帰った祥子に傘を差し出すことすらできなかった後悔を抱え続けていた。

モーティスに睦が閉じ込められたことは決してポジティブな印象を受けませんが、このことがきっかけで睦に祥子や元CRYCHICのメンバーに向き合い謝罪する意思を灯したのだと思います。

この小さな意思の灯がなければ奇跡の再LIVEはあり得なかった。

モーティスに拒絶されながらも睦に会いに通い続けた祥子。これは燈の行動の積み重ねが与えた影響でしょう。

毎日下駄箱に貼り続けられたポストイット。そこに記されていたメッセージの数々。

捨てても良い代物なのに綺麗にノートに移管していたのは、蔑ろにはできなかったからだと思います。心の支えにしていたんだと。

燈が諦め続けない姿勢を保ったから祥子に何度拒否されても睦のもとに向かう意思を与えたのだと思います。

愛音無くして崩壊してしまったバンド:CRYCHICの一度限りの再結成はあり得なかった。やっぱり一度挫折を経験しているキャラクターというのは強いですね!

第8話。個人的にグッときた点として謝罪する立希を挙げさせていただきます。

謝罪って、そうそうできるものではないのですよ。大人として生きているとヒシヒシと感じます。特に正論を言った場合は謝罪する理由なんてないと言っても過言ではない。だって正しいことを言っているのだもの。

でも、人間関係は正論という⚔️刃物を突きつけているだけでは成立しません。

時には正しいことを言っていたとしても相手を傷つけてしまっていたら頭を下げることも重要です。

それを女子高校生の身でできる立希のことをすげーな・・・と、素直に感心してしまいます。もちろん誰に対しても謝罪するようなキャラではないでしょうが、親しい間柄だからこそ打算とか抜きに言いすぎた発言を認め謝罪するというアクションを実行できたことが美しく見えるのですよね!

CRYCHIC、一度限りの復活LIVEを経て祥子との関係性の修復と主導権の奪還を果たした睦。

てっきり睦のターンは前回で終了、残りの話数は海鈴たちに尺が割かれていくかと思いきや違う模様です。

なんというか危険人物として現在進行中で成長中・・・いや膨張中とでもいうべきだろうか。

CRYCHICへの執着を披露し始め、今まで結果はどうあれど自分を守ろうとしてきたモーティスに対して強い姿勢を示し始める。

こ、これは・・・一体どうなっていくのだ!?

実の母親からも化け物呼ばわりされているし、もしかしてラスボスなのか!?

本タイトル始動前は物静かで物語を動かすようなパワーを持っていないように感じていた睦が作中随一の重要人物として君臨している現状にワクワク感を抱いてしまいます。

一体どこに物語が着地するのか全く予想できない!これぞオリジナルアニメーションの醍醐味!!

第8話にてようやく過去が明らかになりキャラとしての深みがました海鈴。

過去にドタキャンされた経緯があったのですね。それは堪える。。。メンバー4人の裏切りを経験していたら、行動スタイルが変化してしまうのも納得です。

そんな過去からがあるとは知らずに放たれたと思われる立希からの「信用できない」発言。

この言葉が相当響いたのか今月ピンチになりながらも焼け買い。にゃむにも接触して乙女の尊厳を死守できるか否かのリスクを背負いながらの🥤ジンジャーエール一気飲み。

たった1話で一気に個性豊かなキャラクター像を積み上げていく!

ものすごくドライなキャラかと思いきや人間味溢れる嫉妬心などのネガティブな感情でアクションを起こす海鈴。

良いですね!!

今までの一歩引いた位置にいた海鈴が前線に踏み出したことで、作品がどう転んでいくのかますますわからなくなってきました!

モーティスを巻き込む策が吉でるか否か。どう転んでも面白くなることは約束されているでしょう!

初華のヤバさがこの9話、最大の見どころだった。
ここまで祥子に重い感情を抱いているとは。対して祥子にとっての優先順位は睦の方が上。その事実を知ってしまう初華の反応=見開いた瞳が語る心境が素晴らしい。

初華の感情は今後の作品の面白さを増す燃料となること確実。

CRYCHIC再結成への呼びかけに対してMyGOの反応はそれぞれ。燈と立希は困惑が大きかった印象。

最も目を引くリアクションをしたのが、そよ。

TVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』でアレほどCRYCHIC再結成に尽力と執着を見せていたそよが欲していたはずの言葉が、想いが自身に届いたのに薄い反応。

これは『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』#10の出来事がそよの中で非常に大きな存在になっている証拠でしょう。

あの神回の株をさらに上げてくるとは天晴れ!

『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』最終話で唐突に視聴者に披露されたAveMujicaの演劇。
正直、あれを見た時はこの路線は危ういと思った。バンドアニメに芝居要素なんて求めてないというのが本音。

だが、蓋を開いてみれば芝居要素が作品の面白さを加速させる推進剤として機能しているではないか!

生まれながらにして異能とも呼べる芝居の才能を持った睦。その才能を当人の意思とは無関係に引き出してしまったAveMujicaの舞台。

それが上京しマルチタレントを目指すにゃむの心を侵食していく。

そして、幾つもの“役”を持つ睦自身にも崩壊を招いていく。

バンドアニメなのにほとんど演奏を披露していないAveMujica。まさかここまで芝居要素で視聴者を揺さぶってくるとは恐ろしい限り。

Ave Mujicaのメンバーはそれぞれステージネームを持っている。
その名が示す意味がストーリーに反映されているのは素人目にも明らか。特に第9話以降、海鈴がトラウマを告白して以降、直球で視聴者にテーマを届ける采配がなされている。

第10話ではにゃむがステージネームの回収を成し遂げ、睦/モーティスも死と向き合い何かしらの前進を遂げていると解釈できる。

未解決なのはドロリスとティモリス。オブリビオニスは判別が難しい。

「はつめ」発言によって幕を引いた第10話。明らかに弩級の爆弾を抱えている初華を筆頭に、どのような形でステージネームとの決着を描くのか期待が膨らむ!

AveMujicaの中でトラブルメーカーというか飽和ブレイカーというべきかチームが安定する状態を良くも悪くも崩す役割を担っているにゃむ。

その人並外れた野心を持ちながらも人並みな器量故に睦という圧倒的才能に押しつぶされそうになるが。めげない挫けない姿勢を維持するのは拍手するしかない。

若葉邸に赴き、積み重ねてきたキャリアと年齢が醸す風格から厳しい言葉を投げかけてきた森みなみに正面から向き合う度胸は天晴れ!

あれほど頑なにAveMujica再結成を拒んでいた祥子。にゃむのソウルメイト発言を受け決意が改まったのか再始動へ行動を移す。

なぜ踏み出す決意をしたのか正直よくわからない。

祥子というキャラクターは本心を隠すタイプとして演出されているので視聴者として解釈が難しい。

だから考察するしかない。

私の中での祥子は子供の心と英才教育によって培われたプライド・教養・技能。それらが混ざり合った未成熟な少女といった見解。

平時は英才教育された部分が勝っているが追い詰められると子供の部分が表面化してしまい脆くなる。

祥子はこの子供な部分から脱却する物語を歩んでいるのではないかと推測する。大人ないしはプロフェッショナルとして発言に責任を持つ覚悟を持つ道を模索し始めたのだと。

以上、燈からのポストイットを眺める祥子の分析&推測でした。

第11話。なんと言っても殆どのセリフを担当した佐々木李子さんの演技力に脱帽!

これまでのエピソードと異なり11話は劇場での朗読スタイルで進行していく。

はっきり言って動画映えはしない。視覚的な刺激・快感はどうしても薄くなる。

だが、それを補って余りある佐々木李子さんの演技力が場を支配する!
三角姉妹の演じ分けをこなしていく様は圧巻でした!

AveMjica結成当初からsumimiの活動に何か思うところがあったことが確認できていた初華。

今回ついに彼女が抱えている爆弾・秘密の正体が明らかになりました。

妹の名を語って生きてきたのは当人にとって計り知れない罪悪感を抱かせていたことでしょう。

その上、祥子父が失墜する原因まで関わっている。

自分で自分を許すことができない。だからこそ、祥子が、AveMujicaのメンバーがどう動くのかが鍵を握る。

第10話で感涙ものの復活を遂げたAveMujica。その翌週放送となる第11話で早くも分解寸前状況になってしまっている。

早い。この作品はテンポが異様に早い。

曲者だらけのメンバーが揃い、それぞれが爆弾を抱えている状態でスタートしているので連鎖的に何か大きな出来事が起きてしまう。

製作陣はよくぞここまで強烈な個性持ちをデザインしたものだと感心してしまいます。

面白い作品を作る最も手早い方法は主人公を追い詰めること。本作はメンバー5人全員を主人公のように扱っているので、攻める対象が豊富になっていることが大きな強みなのかもしれません。

この第12話。見所は1点!
豊川の家との決意を表明し覚悟を初音と共に生きていく意志を固めた祥子の姿!

これに尽きる!!

人形を置き去り初音と共に談笑して豊川邸を去っていく祥子の姿はこれでもかと眩しく映る!

豊川という後ろ盾を自ら捨て去り、持たざる者となってしまった祥子。ある意味第1話と同じ・・・いや、もっと不利な状況に陥ったと解釈できる。だが、その姿からは何かを成し遂げてくれる気迫のようなものが滲んでいる。

次回第13話で何を我々に見せてくれるのか?期待して待とう!


13話。驚異的なLIVEパフォーマンスのラッシュに面くらったのは私だけではないでしょう。
私は配信の視聴する派なのです後で知ったのですが、TV放送ではCMを跨がずにシームレスにオンエアされたとか。

テレビ画面越しにいる視聴者を可能な限り箱に足に運んだ観客へと近づけるマジックを制作サイドが施してくれたと解釈したい。

歌唱・楽曲の素晴らしさも圧巻であったが、3Dアニメーションである利点を活かしたカメラワークに酔いしれてしまった。

何よりサプライズであったのがMyGO!‼︎‼︎の新曲。

新曲が聴けるとは思っていなかった。
2ndアルバムのラスト曲がTVアニメで披露された点もCDを購入した身として感動を覚えてしまった。
なんだかボロ泣きしながら毎週視聴していたのだが、なんだかんだ言って私はMyGO!‼︎‼︎が好きなんだと実感させられる最終話でした。

この13話。実質的に『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』の新たなる門出となるエピソードと言っても過言ではない。

祥子らの物語は先週の12話で一区切りを迎えていたことも含めて、この13話は続編の布石と受け止めた方がしっくり来る。

楽奈ちゃんがメンバーの名前を呼んだ瞬間の感動は当分、心から離れてくれないだろう。5人の関係値がTVアニメ2本でここまで成長できたことを心から嬉しく思う。

北欧で実施されたロケがどのような形で我々に提供されるのか、楽しみに待とう。🎬映画だと私は飛び跳ねて喜びます。

最後に本作と関連が深い3作品について述べておきましょう。


TVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』は『BanG Dream! Ave Mujica』とセットとなる作品としてデザインされています。

いわば『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』は前編とも解釈できますね。

故に予習効果は最も優れている。『BanG Dream! Ave Mujica』の第1話を見る限り最低限単作として成立するような脚本にはなっていますが、祥子のみに限られた配慮かもしれません。

Ave Mujica5名の人間関係は『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』で把握できるので、是非とも未見の方は各種配信サービスやBlu-ray等で履修を推奨します。


映画はTVシリーズの再編集作品。前編・後編ともに非常に面白い作品に仕上がっていますが、Ave Mujica5名の出番はかなりカットされています。

こちらはMyGO!!!!!5名の物語に絞っているので『BanG Dream! Ave Mujica』の予習作品としては不十分といった印象。面白いので見ておくこと自体はお勧めできますが、予習作品としてはTVアニメに軍配が上がります。

前編は祥子と睦のみの登場となっております。TVアニメ前半戦の内容ですが、大胆な編集と新規エピソードの追加でTVアニメと大きく異なる印象を受ける傑作です。

後編には全員登場します。しかし、Ave Mujicaのプレエピソードとも言えるTVアニメ最終話でのLIVEはゾッソリカットされています。

こちらも傑作なので、機会があれば視聴をお勧めしたい一作。

ということで今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。





コメント

タイトルとURLをコピーしました