真打昇進の場で破門を突きつけられ、落語と袂を分けた男=桜咲徹。彼が再び落語と向き合う時が訪れる。

おはようございます。「フィルム&プレゼンテーション」へようこそ!フリープレゼンターの🦉あーさんと申します。
えーーー今回は『あかね噺』についてのプレゼン。
私は本作が大好きです。噺家という普段お目にかかることのできない類の人物譚を特等席で味わえる作品ですからねぇ。ストライクゾーンど真ん中!着物を纏い、座布団に座し、扇子と己の語りだけが武器の世界。なんとなくですが、これもプレゼンテーションだよなぁ~と親近感を抱いて読んでいます。
可能な限り多くの人にこの作品の存在を知ってもらいたい……―――なんてエゴを抱いてしまったのでこの記事では『あかね噺』を語る上で欠かせないキャラクター:阿良川志ん太こと桜咲徹の物語についてご紹介させていただきます。
題してあかね噺キャラクタープレゼン第0弾:桜咲徹の巻!
シリーズ連載記事としていく予定です。
レギュラーキャラといえる立ち位置ではないので出演頻度は決して多いとは言えないのですが、彼はある意味本作のヒロインポジションであると筆者は捉えています。
妻子持ちのお父さんキャラがヒロイン?
とか思わないで頂きたい。今の時代、どんなキャラクターでもヒーローにもヒロインになれるのですから。
本記事では桜咲徹が辿っ第一席〜第七十一席までの物語ををまとめていくとします。

それでは本編へと移りましょう。しかし、ただのテキストを読み進めても味気ない。ということで当ブログ恒例のエミュレートプレゼンで味付けします。『相棒』の主人公=杉下右京をエミュっていきますよ!
是非、名優:水谷豊さんのお声をイメージしてお楽しみあれ!
エミュレートプレゼンSTART
落語と落語家の魅力をこれでもかと味わわせてくれる作品『あかね噺』。本作の物語は1人の落語家が終わりを迎えるとことから始まりました。
落語家してピリオドを打たれた男=桜咲徹
彼の名は阿良川志ん太。本名は桜咲徹、主人公=桜咲朱音の父です。『あかね噺』第一席は阿良川志ん太=桜咲徹が人として、父として、そして落語家としての魅力を披露する物語であり、同時に彼の真打となるという夢が崩れ去る悲劇でもありました。
阿良川一生の言によって破門を突きつけられた志ん太には別の落語家に師事するという逃げ道もあった。
しかし、阿良川志ぐまの弟子であることを誇りとする彼はそれを断り落語家人生に幕を下す。
彼が道半ばで志を折る選択をする背景には愛すべき妻と娘の生活を支えたいという想いもあったのかもしれません。
その選択は誰に責められるものでもなく、読む側の年齢・社会的立ち位置によっても心象様々となることでしょう。
舞台袖に退いても存在感を残し続ける阿良川志ん太の“仁”

落語と落語家を描くのが『あかね噺』。落語家を辞め、コンクリート屋に転職した彼は自然と物語からフェードアウトしていくのですが、その存在感は要所要所で発揮されるのが心憎い演出。
父の無念を晴らすべく落語家の真打を目指す主人公=阿良川あかねに読者が同調するのをアシストするかの如く彼女が関わっていく兄弟子たちとの交流で阿良川志ん太の人となり=“仁”が垣間見えていく。
🔻志ぐま一門との関係性から見える良き兄弟子像
阿良川まいける・阿良川こぐま・阿良川享二・阿良川ぐりこ。彼ら阿良川志ぐま一門の長兄であった志ん太。末弟となるぐりことは数ヶ月程度の付き合いですが、そんな彼からも人柄の良さ=面倒見の良い性格は高く評価されています。
とりわけ接点の多かった弟弟子まいけるとこぐまからは深い恩義を抱かれていることが確認されており、まいけるは阿良川志ん太のおかげで人になれたと断言するほど。こぐまも落語家として生き抜くための知見を阿良川志ん太から賜わり、それに対して深い感謝の念を抱いていることが彼の回想から伺うことができる。
桜咲徹が再び落語と向き合う時

当人が落語家を退いた後も阿良川志ん太は別の誰かの中で生きている。そう思わせてくれる流れの中、読者にとって嬉しいサプライズがやってきます。
第七十一席「解像度」。桜咲徹が再び、作品に凱旋したのです。
彼との再会には心の底か喜びが込み上げてきます。これまで回想という形で彼の落語家として、人としての魅力に多く触れてきたからこそ終わりを迎えていたと思えた男にもう一度会えたという事実が涙腺を刺激する。
その上、これ以上ない再登場のタイミングだったのですから感情に歯止めを効かせるのが大変でしたよ!
この七十一席は阿良川あかねが同門となる阿良川の前座と競い合う「阿良川一門前座錬成回」のクライマックスとなるエピソード。前座として修行の日々を積み重ねてきた彼女にとっての一つの集大成を披露する場でした。彼女が披露した演目は「替わり目」。志ん太が二つ目に昇進する際に披露した芸です。
あかねがどのような想いで父の芸と向き合ったのか。
これについては本編をご覧ください――――としか言えません。そして、その芸を目の当たりにした桜咲徹がどのような表情を見せてくれるのかも要注目!
落語家を辞めた桜咲徹と娘:朱音は落語に対する会話を避け続けてきたことから桜咲徹にとって落語は向き合うことが困難な存在となっていましたと窺えます。
しかし!とある人の後押しで再び彼が落語と向き合う時がやってきた。
僕から言えるのはこれが限度。誰が背中を押してくれたのか、落語と再開した彼がどのような心境になったのか……それはご自身の眼と心でご賞味あれ!
結びに

如何だったでしょうか?
今回はあかね噺に登場する重要キャラクター=桜咲徹の物語についてご紹介しました。最後に軽くまとめるとしましょう。
まとめ
真打を目指していた落語家。しかし、真打への昇進試験の場で破門を突きつけられ落語家として終わりを迎えた男。
それが彼のあかね噺における始まりでした。
しかし、彼の物語は終わっていない。終わらせないとばかりにことある度に回想という形で落語家時代の彼が再登場する。多くの関係者に慕われていることが窺えました。
そして、第七十一席にて本格的にカムバック。落語と距離を置いていたはずの男が再び落語と向き合うエピソードが確認できます。
彼がなぜ落語と再会する選択をとったのか。誰が背中を押してくれたのか。あかねがその時見せた芸はどのような代物であったのか。そして、それを見届けた彼がどのような表情を浮かべるのか……。
それを語るというのは野暮というもの。ご興味惹かれた方は是非、ご自身の眼と心でご確認ください。
アニメで映像化される・・・かもしれませんのでこちらも有力な選択肢ですね。
それでは本プレゼンは以上。ご愛読いただきまして誠にありがとうございました。またの機会にお会いできることを楽しみとしております。






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