おはようございます😄映画レビュアーのあーさんです。
今回は『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』のパンフレットを一読しましたのでその感想を綴っていこうかと思います。
読むのに要した時間は約80分。
私は読むのが早い方ではないのであまり参考にならないかもしれませんが、個人的感覚としてはボリューミーなパンフレットだったと思いました。
主にスタッフインタビューが全体の8割を占めていて監督・プロデューサー・副監督・制作・制作デスク・音響監督・録音調整といった『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』及びテレビアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』に携わった制作スタッフの貴重な生の声が聴けます。
声優陣のインタビューとしては喜多郁代役の長谷川育美さんと後藤ひとり役の青山吉能さんのインタビューが掲載されていました。どちらも声優としてよりは今回の新曲収録にあたってのインタビューという側面が強かったですね。
とてもボリューミーなパンフレットとなっておりますが、その全てをこのブログでピックアップするのは難しいので私の独断と偏見で心に響いたポイントをいくつか抜粋する形で紹介できたらと思います。
パンフレットの掲載内容
まずはパンフレットの購入を検討している方の参考となるようにどのような内容が掲載されているのか目次的なものをご紹介します。
- TALK SESSION:斉藤圭一郎 監督✖️梅原翔太 アニメーションプロデューサー
- INTERVIEW:山本ゆうすけ 副監督
- TALK SESSION:藤田亜記子 音響監督✖️林淑恭 録音調整
- STAFF COMMENT:Production Assistant
- 山本瑞生
- 前田和俊
- 染野翔
- 劉喆
- 伊藤優
- 山口翔太
- 荒井史歩
- 木村美月
- STAFF COMMENT:Production Desk 木村美月
- STAFF COMMENT:Setting Production 長田晃
- TALK SESSION:長谷川育美 喜多郁代役✖️三井律郎 編曲✖️岡村弦 音楽ディレクター
- CREATOR COMMENT
- 青山吉能 後藤ひとり役
- 樋口愛 [ドッペルゲンガー作詞]
- 飛内翔大 [ドッペルゲンガー作曲]
- comment:スズキハルカ マナー映像アニメーション担当
- 承認欲求モンスターのとある一日
こんなラインナップとなっております。
補足としてProduction Assistantは制作進行のことですね。P.A.WORK制作のアニメ『SHIROBAKO』で一気に一般認知が広まった職業といえば伝わるかと。Production Deskは制作デスクといえば親しみやすいですかね。
パンフレットレビュー
ここからは私の独断で選んだパンフレットで気になったポイントを抜粋して紹介していきます。
劇場版の企画始動時期
斉藤監督と梅原Pの対談記事より判明した劇場版ぼっち・ざ・ろっく!の企画始動時期についての言及。
斉藤監督のコメントにより「TVシリーズが終わってからわりとすぐ」監督に劇場版の話が持ち込まれたようです。テレビアニメが2022年の秋=10月〜12月だったので2023年の初頭に劇場総集編の話しが浮上していたと推測できます。そこから2024年6月と8月に劇場公開に至っているわけですからアニメーションの制作期間を考えるとものすごいスピード感のように感じます。
我々視聴者からすると感覚が短いほどありがたいですが、この短期間総集編とは言え劇場用にTVシリーズを再編集していくといのは制作サイド的にはハードなスケジュールだったのではと伺えますね。CloverWorksさんは毎クール高品質のテレビアニメも手掛けてらっしゃるので尚更ハードだったのではと勘繰ってしまいます。
実態は不明で憶測の域は出ませんがアニメ制作がハードな世界であることは察することが容易なので2023年初頭からの1年少しという短期間で劇場版を完成させてくれた制作スタジオに深く感謝です。
斉藤圭一郎監督のコメント「映画にならないのではないか」という懸念
こちらも斉藤監督と梅原Pの対談記事より判明した内容。
TVシリーズの監督としてベストな展開、ベストなカット割りを尽くしたと考える斉藤監督が映画として再編集して総集編にまとめることに疑問を抱いていたということを表す発言。
TVシリーズを最高の物として世に送り出した監督の声として胸に響きました。それだけこだわりを持ってTVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の制作に携わっていたことが伺えます。
TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』がここまでのムーブメントを引き起こせたのは監督のセンスあってのものなのでこの発言を目にして改めて斉藤圭一郎さんが監督を務めてくれたことを嬉しく思います。
猫背でアフレコに臨んだ青山吉能
TALK SESSION:藤田亜記子 音響監督✖️林淑恭 録音調整より判明した事実。相手と目線を合わすことなく会話するぼっちちゃんを表現するためにアフレコ時にとった選択がマイクの位置を通常よりも下にセッティングして青山さんに猫背気味で収録に臨んでもらったということ。
こういう内幕限定のアフレコ秘話というのは良いですね!大好物です!
通常のマイクボジションだとどうしてもぼっちちゃんが相手と目線を合わせて会話しているように聞こえてしまうためにとったまさかの策。猫背で収録するなんてそうそうない事態とのことなので、こういった取り組みが作品のクオリティを底上げする要因になったのではと思います。
虹夏への演技のディレクション→語尾は【!】ではなく【☆】【♪】を使い分けて
こちらもTALK SESSION:藤田亜記子 音響監督✖️林淑恭 録音調整より判明した事実。
第1話の演技指導にあたって虹夏のディレクションに相当ねばって丁寧に行っていたことがわかりました。鈴代さんが当初テストでアフレコした際には語尾は一本調子で全て【!】がついている印象になってしまっていたとのこと。鈴代さんの声質が明るいこともあるので【!】というよりも【☆】や【♪】のニュアンスで跳ねるようにと・・・虹夏らしさが出るように調整した。
これまた私の大好物な内幕エピソード!
音響監督を中心とするアフレコスタッフの原作リスペクト精神やより良いものを作ろうとするクリエイター魂、そしてその演技指導に応えるプロの声優さんの技量に惚れ惚れしてしまいます。
実写素材を活用することで複雑化してしまった制作工程
こちらはSTAFF COMMENT:Production Assistantにて判明したこと。制作進行の進捗を管理するプロダクションアシスタントの方々のインタビューの節々で実写素材を活用するという新たな挑戦をしたことで普段とは異なる制作プロセスが必要となったことが苦労したエピソードとして語られていたことが印象的でした。
劇場版では控えめでしたけどTVアニメの時は毎話にあるんじゃないかというレベルで実写映像を組み込んだ斬新な画面作りをされていたのはTVアニメ「ぼざろ」の最たる特徴の一つ。私はてっきり新鮮な演出と作画コスト節約のためであると思い込んでいたのですが、決して楽な選択肢ではなかったのだとハッとさせらました。
また、アニメーションを手がけるプロたちが現在進行形で新しい演出を生み出そうと挑戦している姿勢が垣間見れて1人のアニメファンとして嬉しく思います。
終わりに
今回は『劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:』のパンフレットをレビューしました。
個人的には続編への言及や新作カットの詳細説明などあったら嬉しかったのですが、そういった情報はなかった点は残念。
しかし貴重な情報が多数盛り込まれていたことは事実ですし、今回のレビューで紹介しきれていない魅力も満載なので興味のある方は即購入を推奨します。パンフレットは劇場での入手期間が限定される貴重な代物ですからね。今だとメルカリとかでもなんとか入手できたりするのかな?
今後もライブイベントなどが控えている「ぼざろ」。微力ながら応援を続けていきます!
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