今回は2024年12月6日より劇場公開された映画『モアナと伝説の海2』を鑑賞して参りましたので、その感想記事となります。
前作から約7年。かなりの感覚を空けての続編ということで前日にディズニープラスにて『モアナと伝説の海』を予習した上で鑑賞してきました。(さすがに記憶もほとんど抜けていて歌の素晴らしさしかまともに覚えていなかった)
前作を予習したことで、準備万端という気持ちと「これって続編を生み出す必要ある?」と疑問を浮かべるほど傑作であったことを再認識。故に続編が来ることへの喜びと不安、両方抱えてしまう結果となってしまった。
さぁ困った。
しかし時は流れ鑑賞の時が訪れます。
ですが、割と早い段階でその不安は解消され、思う存分作品を楽しめた。そして、これはモアナ3に期待するしかあるまい!という心境に至っています。
素晴らしい続編であったと胸を張って言えます。
ということで、今回は傑作『モアナと伝説の海』が生み出してしまったハードルを続編がどのように乗り越えてくれたのかを踏まえて私個人の感想を述べていこうと思います。
流れとしましては・・・
作品ストーリーの軽い解説 → 感想 → まとめ&作品プレゼンという流れで進みます。
「感想」ではネタバレに踏み込んでいきますが、最後の「まとめ&作品プレゼン」ではネタバレ成分を可能な限りオミットしていく所存です。ネタバレ踏みたくない方は最後のチャプターまでジャンプするのも選択肢に入りますのでご自由にチャプターを選択していただければ幸いです。
それでは短い時間ですがお付き合いのほどよろしくお願いします。
作品ストーリー
それでは作品のストーリーを軽く触れていきましょう。
あらすじ:前作から3年後の物語
公式サイトのストーリーのお力をお借りしました。
当方のアレンジとして文章はそのままですが、重要な点にマーカーを引いております。
3年という時間経過、海が繋がっていたという過去とその繋がりを断ち切った神の存在、その繋がりを取り戻すためにモアナの物語が再び幕を開けるというイメージを持っていただければOK。
今回もモアナは旅立ちの際に迷いますが、それを乗り越え一歩踏みだすプロセスは前作に甲乙つけ難い魅力がございます。
新キャラ4名+ココナッツ1体
今回の主要キャラは一気に増えます。
前作ではモアナ・マウイ・ヘイヘイの2名+1羽が冒険のレギュラーメンバーでした。
今回は旅の仲間に3名(ロト・ケレ・モニ)と1匹(🐖プア)と🥥ココナッツ海賊1体が加わり大所帯となります。さらに道中で出会うマタンギの出番もかなり多い。
プアは前作ではお留守番組でしたね。ココナッツ海賊のカカモラは前作にも登場していましたが敵ですし、別個体でしょうから純粋な新キャラと言って差し支えないでしょう。
既存キャラ・新キャラを交えてのパーティー編成となって賑やかになった冒険の道のりも本作の魅力と言えるでしょう。
感想(⚠️ネタバレ注意)
それでは本題の感想と行きましょう。
作品評価【S-】
まずは簡潔に面白さをランク付け。ということで評価は上記画像の通り【S-】となりました。
色々と良い点もありますが、おそらく控えているであろう「モアナ3」への布石的要素も目立ち単作として評価するのであればこのくらいの評価が順当かなという印象。
酷評するラインは余裕で超えています。それに下手したらもっと下の評価になっていてもおかしくなかった。前作が作ったハードルが高すぎたが、それを乗り越えるために単作ではなく連作で乗り越えようと言うアプローチで生まれた作品という印象を受けました。次作がリリースされ次第改めて評価したいところですね。
期待値は【B+】だった
さて、冒頭でも述べましたが改めて作品への期待値について触れましょう。正直あまり期待しないで観に行きました。前作が傑作であったので、どうやったら続編として価値ある物語が生み出されるかイメージできなかった。なので期待してもしょうがないと思い、映画ファンとしてただ映画を見にいくモチベーションで向かった次第。
しかし、開始早々にその低い期待値を裏切る展開を目の当たりにしたのです。
びっくりしましたね。
前作の予習だけ済ませて、モアナ2の公式サイトには目を通さずに行ったのが功をなしたというべきか導入でモアナが旅に出る目的が判明して手のひら返しをするしかないと心が叫んだのです。
物語冒頭。モアナは離島である人工加工品を発見。モアナの島=テ・フィティにはない石製の陶器でいいのかな?この器を発見したことが、モアナらにテ・フィティ以外にも文明を営む人たちがいる痕跡を発見する。
そして、モアナは先祖の導きでモトゥフェトゥという島を目指すこととなる。モトゥフェトゥは海の道で全ての島が繋がっている。偉大な先祖が辿り着けなかった秘島を今度はモアナだけでなく島の仲間と共に目指す航海が始まる。
このイントロに心を打ち抜かれたのです!
おお〜!そう来たか!!という具合。
前作は
テ・フィティを救う物語でしたが、今回はスケールアップしより広大な海の冒険譚に舵を切ろうとしている。作品の時代背景的にも開拓が進んでいない古(いにしえ)の時代なので、腹落ちも抜群です。
この切り口ならば続編として十分期待・好奇心をそそる何かが待ち受けているに違いない。
以上、映画始まって20分足らずのタイミングで手のひら返しを決めた映画レビュアーの話でした。
お気に入りシーン3選
映画の評価と期待値の変遷を述べたので、お次は作品のお気に入りシーンをご紹介。
まずはこのバディから。
前作では釣り針を取り返したマウイを叱咤したモアナ。今回は関係性が逆転し、“海”の援助がなく命の危険と隣り合わせの冒険に迷うモアナを励ますマウイのシーン。
このシーンがとても素敵でした。あの🦈の姿で励ますマウイが良いんですよね!!
前作を予習しているから生まれる旨みというか前作のコミカルな名シーンを出汁にする演出が心憎い。
お次は今回は味方として頼もしさが限界突破していたカカモラ。
前作では海賊としてモアナの冒険に立ち塞がる障害でしたが、今作で彼らが海賊として海を漂流している経緯を発覚。今回は共通の目的を持つ味方としてユニークな立ち居振る舞いが目立っていました。
見た目の愛くるしさに反してフィジカル強者と言いますかモアナに槍を渡すシーンの腕力の強さと可愛い見た目とのギャップは反則。その後も味方になる1体の勇猛果敢さにずるい。仲間のためにロープを即断で切る判断力。仲間に敬礼するシーンも見た目の可愛さよりも行動の勇敢さが勝り格好よく見えて仕方ない。ディズニープラスで彼らのスピンオフを期待したいです。
最後にマタンギ。
映画冒頭で怪しい人物として姿を現し、マウイを拘束したことでさらにヴィラン性が増していた人物。
映画中盤でモアナに接触し、ヒヤヒヤしながら彼女の言動に注視していましたが結果的に本作のMVPと言って良い活躍をしたバイプレイヤーでした。
全ての元凶と言える神:モロを出し抜くためにわざとマウイを拘束し、強引にモアナとの共同作業を仕向ける彼女はやり手と言って良いでしょう。
そして、彼女のミュージカルパートも非常に魅力的でしたね。幻想的なアニメーションと日本語吹き替え声優を務めたソニンさんの歌唱力も相まって本作を代表するハイライト候補の一つです!
その他雑感
何気、個人的に注目度の高い発言であったマウイのスマホ発言について。メタ的な発言ですが、さりげなく作品舞台が現代よりも遥か過去である2000年ほど前であると観客に周知させる上手い台詞だと感心した次第。作品の時代設定を説明台詞抜きで観客に伝達できるってすごいと思うのですよね。
やはり前作に引き続きミュージカルパートの素晴らしさは桁違い。前作の鑑賞がおよそ7年前でしたが、その象徴的な歌は7年経っても色褪せていなかった。本作のミュージカルパートも前作と甲乙つけ難いクオリティであったのは揺るぎない事実。
最終決戦に当たるモロとの海での応戦はモアナの航海術の成長をひしひしと感じさせて嬉しくなりました。モロ本体が未登場となったのは少々残念でしたが、それはエンドクレジットのボーナス映像で補完されたので良しとしましょう。本当の戦いは次作に持ち越しということで納得しておきます。
これでモアナ3は無し!
・・・というのはご勘弁願います。
本作で新登場となった冒険の仲間3名。正直彼らに関しては持て余していた感は否めない。クライマックスの決戦で各々活躍していたのは間違いない事実。ロトの船を改造した手腕・モニが用意していた布・神の力を喪失したマウイを救出したケレ。それぞれ見せ場・役割はあった。“🌊海”のサポートがない航海をしなければならない今回の冒険い彼らが必要であったことに納得できる。
だけど、もう少しストーリ的に彼らのドラマ性が欲しかったなぁというのが本音。特にケレの農夫設定は生かされた印象が薄い。ココナッツとの意思疎通に貢献したけど農夫として役立ったかと言われるとうーんと首を傾げたくなる。
割とショートカットして目的地まで到達してしまったので、彼らが航海に貢献するプロセスを箸を折られてしまったのかもしれません。続編ではこの辺に改善を期待して意です。
前作と比較して
最後に前作と比較してのコメントを残しておきましょう。
正直前作の方が、単作として完成度は抜きん出ています。評価をジャッジするならば【S+〜SS】でしょうか。
故にモアナ2は前作越えを果たせなかったという結論になるのですが、そこをグッと堪えて今はジャッジの時ではないと思っています。モアナ3の公開はほぼ間違いないでしょう。モアナ2は1と3と繋ぐ中継作としての色合いが濃い。クライマックスでモアナの腕に宿ったタトゥーの真価も未判明ですしここで終わるとは思えない。本作の正しい評価は次作が公開された暁に改めて下すのが良いと思う次第です。
案外伏線が仕込まれまくっているかもしれませんし、手のひら返しを決める未来もあるでしょう。
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まとめ&プレゼン
それでは最後のチャプターとなります。レビューを通して綴ってきた作品の魅力をギュギュッと凝縮してお届けします。
今回レビューしたタイトルはこちら。『モアナと伝説の海2』。
本作の魅力を3つ厳選するならば以上の3点となります!
前作『モアナと伝説の海』は非常に綺麗に完結した作品でした。
本作はその続編ということで、多くのファンが期待半分・不安半分で鑑賞に臨んだことかと思います。しかし、その不安はポイっと捨ててOK!
前作で航海術をマスターしたモアナの真の冒険は本作から始まります!
モアナの島=テ・フィティ以外にも文明が存在する島々の存在が確認されることから始まる本作。その未知なる島との交流を果たすべく海の道を取り戻すために秘島:モトゥフェトゥを目指す冒険が本作の醍醐味。新たなパーティーメンバーで臨むこととなる冒険は前作とは異なるテイストを約束してくれます。
前作に登場したココナッツ海賊カカモラは今回味方として登板!
愛くるしい見た目に反して武力・判断力ともに優れた海の猛者として冒険初心者のモアナ一行をサポートしてくれます。
彼らのルーツも判明ししますので大いに期待してください!
今作ではモアナは大いに迷う展開が待ち受けています。海に選ばれた少女モアナ。前作ではその海のサポートあってこその彼女でしたが、本作ではある事情でそのサポートを期待できない状況に追い込まれる。それが彼女に大きな試練をもたらす。
その試練に立ち止まりそうになってしまうモアナを勇気づけるマウイの言動は心に響きます。
前作を知っているとより味わい深い名シーンとして描かれるマウイの激励シークエンスは本作のハイライトと言って良いでしょう!
それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
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