アメリカ競馬にも「牝馬三冠」がある――しかし日本のように確立された一本道ではない。4度の制度改定を経た複雑怪奇な歴史と現行制度を解説し、日本との違いを浮き彫りにします。

おはようございます。『ウマ娘シンデレラグレイ』🎞️映画化を夢見るフリープレゼンターの🦉あーさんと申します。
ふと疑問が過りました。
日本競馬史を彩る牝馬三冠路線=桜花賞・オークス・秋華賞。——では、🇺🇸アメリカにも似たような仕組みはあるのか?
調べてみると、出てきたのは――ややこしすぎる「アメリカ牝馬三冠」の歴史でした。
なんと4度も制度改定が行われ、アレがこうなって、こうなったアレがこれになって……と、とにかく複雑。
ここに原文を記します。
2002年まではすべてベルモントパーク競馬場で施行されるエイコーンステークス、マザーグースステークス、CCAオークスの3競走で構成されており上記の三冠達成はすべてこの期間になされたものである。2003年に主催元であるニューヨーク競馬協会によって三冠体系が改定され、エイコーンステークスの代わりにサラトガ競馬場のアラバマステークスが新たに加わりマザーグースステークスを第1戦、コーチングクラブアメリカンオークスを第2戦、アラバマステークスで第3戦と制定されていた。当時達成馬には200万ドルのボーナスが用意されていたが改定後に達成した馬はなく2005年にボーナスは打ち切られ、2007年からはレース構成も2002年までのものに戻された。2010年からはマザーグースステークスが外れてアラバマステークスが再度三冠に復帰し、CCAオークスの施行もサラトガ競馬場に移行した。
Wikipediaより出典
どうでしょう?この文章を読んでうまく咀嚼できる方は挙手を願いたい。私は面食らってしまったが、なんとか整理して今回の記事執筆に至ることができました。
2度とゴメン被る作業ですが、貴重な資料にアクセスできたことに感謝の意を示します。
話しを戻しましょう。
整理したところ、ようやく全体像が見えてきました。
今回はそのレポート結果をプレゼンします。
当ブログ恒例の「🪞エミュレートプレゼンversion半沢直樹」でお届けしますので、ぜひ堺雅人さんの声をイメージしながらお楽しみください。
エミュレートプレゼンSTART
「日本の牝馬三冠と同じものは、アメリカにもあるのか?」
──この問いに、単純に「ある」か「ない」かで答えるのは危険だ。
なぜなら答えはこうだからだ。
👉 アメリカには、日本のように完成された“牝馬三冠”はまだ存在しない。
もう一度繰り返そう。———まだ完成された「牝馬三冠」は存在しない。つまり現在進行形で“進化・成長を続ける最中”なのだ。
では、なぜ今なお未完成なのか?
それを知るには日本の牝馬3冠路線との比較、そしてアメリカの競馬文化を紐解く必要がある。
一つずつ解き明かして行こう。
日本の牝馬三冠:一本道のブランド

まずは日本から。
桜花賞(阪神芝1600m)→オークス(東京芝2400m)→秋華賞(京都芝2000m)。
この一本道こそが「牝馬三冠路線」である。
牡馬の三冠(皐月賞~菊花賞)と並び立つ格。成長力と距離適性を問う体系。
ちなみに、かつては秋華賞のポジションにビクトリアカップ、エリザベス女王杯があった。第6回まで施行されたビクトリアカップがエリザベス2世の来日を記念してレース名を改訂しエリザベス女王杯へ。そして、同レースが古馬に開放されたことで、第3冠は秋華賞へと移り現在の形に定着した。
極めてシンプルな変遷だ。
3冠達成牝馬(2024年時点:7頭)
- メジロラモーヌ
- スティルインラブ
- アパパネ
- ジェンティルドンナ
- アーモンドアイ
- デアリングタクト
- リバティアイランド
1986年にメジロラモーヌが初めて制覇して以来、まだ7頭しかいない。両手で数え切れてしまう。この稀少性が「三冠」という称号に絶対的な権威を与え、日本中が熱狂する所以だ。
日本の牝馬三冠は「一本道の頂点」であり、「世代最強」を示す絶対的称号。そう断言できる❗️
アメリカの「トリプル・ティアラ」:複雑怪奇な歴史

一方アメリカ。牡馬の「Triple Crown」にちなみ「Triple Tiara」と呼ばれる。施行場はいずれもニューヨーク州(ベルモントパーク、サラトガ)。
「ニューヨーク牝馬三冠」と呼ばれるが、「アメリカ牝馬三冠」と紹介される場合もある。
現行シリーズ(2010年以降)
- Acorn S.(ベルモント・ダート1600m)
- CCA Oaks(サラトガ・ダート1800m)
- Alabama S.(サラトガ・ダート2000m)
この3戦が現在の形。だが、そこに至るまでに複雑な歴史がある。
レース構成の変遷
2002年以降2010年に至るまでの10年弱で4度目制度改定をしている流れを極力シンプルにまとめたのでご覧ください。

■ 初期~2002年
- ❶Acorn S.➡︎❷Mother Goose S.➡︎❸CCA Oaks
■ 2003~2006年
- ❶Mother Goose ➡︎❷ CCA Oaks ➡︎❸ Alabama
- 達成馬には200万ドルボーナスが設定されたがゼロ。
👉 2005年にボーナス廃止。
■ 2007~2009年
- ❶Acorn➡︎❷ Mother Goose➡︎❸ CCA Oaks
■ 2010年以降(現行)
- ❶Acorn →❷ CCA Oaks(サラトガ) → ❸Alabama
公式達成馬(8頭)
アメリカにもトリプルティアラを全て戴冠した女傑は複数存在する。ただし、すべて「Acorn, Mother Goose, CCA Oaks」時代=つまり初期〜2002年の期間に達成している。
- 1968:Dark Mirage
- 1969:Shuvee
- 1974:Chris Evert
- 1975:Ruffian
- 1979:Davona Dale
- 1985:Mom’s Command
- 1989:Open Mind
- 1993:Sky Beauty
番外「Acorn+CCA Oaks+Alabama」を制した馬
制度がコロコロ変わる都合上、正式にトリプルティアラと位置付けられていない時期に3レース全てで勝利を記録するという記録をマークしたものが数名存在します。
Shuvee, Mom’s Command, Open Mind, Sky Beauty
彼女らも非公式ながらに3冠を達成している・・・と言えなくもない強者だ。
なぜ米国はこれほど変遷したのか?

では何故、日米で3冠と呼称されるレースでこうも違いがあるのか。その理由は2つある。
《日米》体系と馬場の違い
日本 → 芝中心。適度な開催間隔(4月上旬➡︎5月下旬➡︎10月上旬)。
アメリカ → ダート中心。短期間の連戦は脚元リスクが大きい。
《米国最大級2走》ビッグレースに🥪挟まれた3冠
- 5月:ケンタッキーオークス(最大の栄誉)
- 6月:Acorn
- 7月:CCA Oaks
- 8月:Alabama
- 10月:ブリーダーズカップ
牝馬にとって真の頂点は「ケンタッキーオークス」と「ブリーダーズカップ」。
ケンタッキーオークスは日本における日本ダービー級のレース。ブリーダーズカップは米国ダート戦線の年内チャンピオンを決める頂の舞台。
このレース2走に挟まれているのが米国のティアラ路線だ。三冠よりも、ここを狙うキャリア戦略が優先される。
結論:異なる文化が生んだ異なる「頂点」

総括しよう。
アメリカには「牝馬三冠」が一応存在する。だが――
- レース構成は時代でコロコロ変化
- 絶対的ブランドは「ケンタッキーオークス」
対して日本は一本道で国民的熱狂を生む「三冠文化」を築いた。これは単なる体系の違いではなく、「競馬文化そのものの差」だ。
だから断言できる。
「アメリカの牝馬三冠は、まだ成熟の途上にある」
その日が来るまでは――アメリカの頂点は「ケンタッキーオークス」と「ブリーダーズカップ」である。
日米の牝馬三冠には文化的な違いがあった。さて、あなたはどちらに胸を熱くするだろうか?
「一本道の三冠」か、それとも「一点突破のオークス」か・・・
以上が筆者が調べたレポート結果のプレゼンとなります。

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