終末感を溶かす熱と希望の連鎖【日曜劇場】ザ・ロイヤルファミリー第6話感想

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馬主:山王耕造の病・有馬記念へと向かう年の瀬特有の空気感。これらが醸成する終末感に抗うロイヤル陣営の熱意が彩った神回第6話「有馬記念」の感想プレゼン。ハイセイコー号の銅像を出すのはズルいぞ!

おはようございます。「フィルム&プレゼンテーション」へようこそ!フリープレゼンターの🦉あーさんと申します。

 

有馬記念。いつか現地に赴きリアルな熱狂に身を捧げたいものです。今年(2025年)の有馬は28日かぁ〜〜〜。地方民でも行ける日だがチケットの予約を取れるか否かが鍵となりそう。最悪日帰り弾丸ツアーでも構わないのでホテルは良いとして、交通手段だけはなんとか確保しなくては・・・。行けるだろうか?

 

それはさておき、日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第6話「有馬記念」を視聴しましたので、その感想を綴って行こうかと思います。

今日最終回だっけ⁉︎――と、首を傾げたくなるほど終わりの空気が漂う開幕。その空気を打ちこまわしてくれた数多の🔥情熱――素晴らしいエピソードでありました。

実写化による本物を扱えるPOWERというのにもズルさも感じたり、毎話のことではありますが凄い作品であるとつくづく実感する次第。

 

この想い、熱く記していくとしましょう。そんなわけで、テキストに熱を注ぐために半沢直樹をエミュレートして感想プレゼンを実行していくとします。是非とも、名優:堺雅人さんのお声をイメージしてお楽しみください。

 

平成の最後の有馬記念、病に伏せる山王耕造、年の瀬特有の空気感、さまざまな要素がシナジーし、まるでこの話が最終話かのような雰囲気を醸成していた第6話「有馬記念」。

画面越しには伝わってくるはずのない空気の冷たさが何故か感じ取れたのは私だけではないはずだ。

同時にこれらも感じたのではないだろうか?

冷たさ・終末感を打倒するかのような多くのキャラクターが放った熱意!

―――第6話にはこんなところでは終われないという凄まじい意気込みが内包されていた。
 

このまま本当に終わるのではないかという空気感を変えてくれたのが栗栖栄治であった。第1話で熱を失っていた男=栗栖。彼が、人生の転機をもたらしてくれた男に夢を語る。「社長と一緒に有馬で勝つ…」こんな言葉が栗栖から飛び出す日が来るとは第1話視聴時の私は予想もしていなかった。

そして、この一手から流れが徐々に変わっていくのが心地良い!

栗栖のプロポーズ、野崎加奈子の返答、佐木隆二郎のプロポーズ、広中調教師の有馬への意気込み、平良恒明記者の約束への想い……―――熱が熱を呼ぶように連鎖的に熱い物語が紡がれていく様に興奮を隠せといのは無理がある!

誰もが主役。

この作品に脇役などいない‼️

 

個人的に今回最も驚いたのがハイセイコー号の銅像が映されたこと。このエピソードで彼の像を視聴者へ見せる。単なるサービスカットだけなのかもしれないが、何か意図が含まれているのではないかと思えてならない。

第1次競馬ブームを牽引したアイドルホース。地方から中央へと移籍した“野武士”の異名も持つ名馬。彼が地方という器に収まりきらず中央へと移籍し快進撃を続け日本ダービーという頂の決戦で勝利ではなくライバルに巡り合い、以降時代を象徴する存在へと成り上がってきた物語はいつの時代にも通用するパワーがある。

そして、ここが重要な点だ!ハイセイコーもラストランは有終の美を飾れたわけではないが、ライバル:タケホープとの2着争いで競馬場を熱狂させた歴史を持つ。

番組を制作した陣営はハイセイコーと同じく有馬でのラストランで1着を逃した名馬ロイヤルホープの姿がハイセイコーと重なって写っていたというメッセージが含まれているように思えてならない。

更に加えるならば種牡馬となったハイセイコー代表産駒カツラノハイセイコはダービーを制覇した実績を持っている。ロイヤルホープの産駒が有馬を制覇するという未来を予告しているのではないだろうか?

一つの憶測を披露したところで個人的な見解もお伝えしたい。ネットの界隈ではロイヤルホープのモデルはステイゴールドではないかと話題なっているそうだ。確かに異論の余地などない推察。海外への挑戦で開花し、最後の最後でGⅠを制し、種牡馬となって多くの名馬を輩出したステイゴールドがロイヤルホープと重なるのは頷ける。

しかし、私はステイゴールド以上に…どうしてもある名牝を思い浮かべてしまう。

カレンブーケドール。

2018年にデビューし、幾度となくGⅠレースに挑むもシルバーコレクター止まりで引退した彼女のことが脳裏をよぎって仕方ない。ロイヤルホープとその陣営の物語を見ているとカレンブーケドールも同じような歴史を歩んでいたのではないか?―――という思いが沸々と湧いてくる。

ロイヤルホープを通じて想起させられるリアル競馬に秘められる名馬譚

カレンブーケドールに限らず競馬史にはGⅠに挑み一度も勝利に辿り着くことの出来なかった数多のもの名馬が存在する。


原作者:早見和真先生はロイヤルホープの物語を通じてGⅠ勝利を達成できなかった名馬に秘められた物語性の底知れなさを訴えようとしているのかもしれない。


如何だったでしょうか?今回は日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第6話「有馬記念」を視聴した感想をプレゼンしました。

まるで最終回かのような異様な雰囲気を醸し出していた開幕。その空気感を壊してくれた栗栖の夢への想いから連鎖するようにロイヤル陣営の熱意が炸裂していく流れ……大変素晴らしいものであったと断言します。

熱意という意味で最も心に響いたのは有馬記念を観覧するギャラリーの歓声であったこともここに記しておきます。会場全体が一体となり、先着争いをしている3頭に視線を集める。競馬というレースをサラブレッド、騎手、そして観客全員で作っていると実感できる瞬間を画面越しとはいえ味わえたことは幸せなひと時であったと心より思います。

 

本プレゼンは以上。ご愛読いただきありがとうございました。また別の記事にてお会いできることを楽しみとしています。
 

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