今回は2025年4月よりTVアニメ放送開始予定のコミック『ロックは淑女の嗜みでして第1巻』を読了しましたので、その感想&プレゼン記事となります。
購入のきっかけはアニメ化が控えているというのが大きな理由ですが、他にも『ぼっち・ざ・ろっく』の著者はまじあき先生の推薦作品であることが背中を後押ししてくれました。また、個人的にも『けいおん!』や『BanGDream! It’s MyGO!!!!!』、『ガールズバンドクライ』などのガールズバンド作品を嗜んでしたことがことも理由になります。
作品の中身ではなくアニメ化となった状況や推薦者・個人的趣味嗜好を購入材料にしてしまったのでいざ読んでみて好みと違った・・・なんて不安もあったのですが、結果的に大正解であったと胸を張って言える作品でした。
間違いなく傑作です!
お嬢様✖️ロック という一見ミスマッチな取り合わせが生み出す化学反応ときたら凄まじい限り。
面白すぎて既刊全6巻を一気に読破してしまいました。
ということで、アニメ化の前ですが出来る限り多くの方に作品の魅力を知っていただきたいと思い微力ながら作品紹介=プレゼンをしていこうと思っている次第。願わくば映画化して欲しいというエゴも抱えています。
表紙以外の作品画像は使用できませんが、私にできる範囲で作品の魅力をお伝えしていく所存です。といっても純粋なプレゼンではなく、レビューを交えていくのがこのブログのスタイルです。プレゼント身構えることなく気軽に一読して頂ければ幸いです。
それではよろしくお願いします。
ストーリー解説
それでは第1章開幕。第1巻のストーリー解説ということで第1話のイントロ部分の大枠について触れていきます。
淑女とロック、2足の草鞋を履く鈴ノ宮りりさの物語
物語の舞台は超お嬢様学校「桜心女学園」。そこに通う主人公:鈴ノ宮りりさは最も学園に貢献した淑女に授与される称号ノーブルメイデン=高潔な乙女を目指している。
りりさは元々庶民階級出身の家庭に生まれ、母親の再婚を機にお嬢様となった過去を持ちます。彼女がノーブルメイデンを目指すのは母親のため。一般庶民ながら不動産王である鈴ノ宮正と結婚したことで鈴ノ宮家で目の敵とされている母親が胸を張って生きていけるようにするため。
そんな決意を固めながら元庶民であることをバレないように学園生活を過ごしていたりりさの前に現れた少女:黒鉄音羽がお嬢様学校にミスマッチなギターピックを落としたことで物語は始動。
偶然拾ってしまったギターピックを契機に淑女として生きていくために不要だと捨て去ったギターへの想い・情熱を再び拾い上げ淑女とロック、2足の草鞋を履いていく学園生活が始まっていく。
といった具合です。
コミックス1巻の収録エピソード全5話
因みに1巻の収録話数は全5話となっています。
第3話で一区切りがつき、第4話から新章といった具合。第5話の幕引きが続きの気になるような終わり方で、第2巻の購買意欲を刺激するというのは漫画の作法としてよくできている。
作品レビュー(⚠️ネタバレ有り)
それでは第2章へと突入です。具体的な感想を述べていきます。
作品評価【SS+】
まずは作品の評価を下しましょう。SS+という結論です。
コミックス第1巻ということで役者もまだ揃っていない。だが、作品の本質を鮮烈に伝える作劇・独自性の高いお嬢様とロックという取り合わせの妙がなせる唯一無二の味わいに感服した次第。
ということでかなり高評価のSS+という運びになりました。
お嬢様の口から〇〇〇〇が飛び出す! 鮮烈なインパクトを残した第1話
第1話の全てを掻っ攫っていくのはこのお方。黒鉄音羽。
どこからどう見ても品行方正な淑女の鑑である彼女。しかし、りりさの運命を変えるギターピックを落とした張本人でもあり、ただの淑女ではないことは明らか。第1話からそのお嬢様の顔とは別の姿が堂々と姿を見せています。
コミックス2巻の表紙の通り、彼女はドラマー。桜心女学園の旧校舎にて1人ドラムを演奏する音羽の姿がコミックス6ページ目にて確認でき、彼女がお嬢様らしくない楽器を嗜んでいることはすぐにわかる。
しかし、それが彼女の本質全てを表現しているわけではなかった。
ギターピックを返しに訪れたりりさを煽る形で半ば強引にセッションに誘導した音羽。セッションを終えて、汗だくとなった音羽の口から飛び出した台詞はとてもお嬢様と言えるような品を帯びたものではなかった。(上記画像はその抜粋。罵詈雑言のラッシュ全てを載せると膨大なボリュームとなってしまうのでほんの一部だけに限定して吹き出しのみ再現しました)
この台詞のインパクトたるや凄まじい。このセリフを放つまでどこからどう見てもお嬢様100%だった女性が途端に魂剥き出しの歯に衣着せぬ発言のラッシュを放つ。
この作品はただものはない!
そう確信した瞬間でした。
圧倒的作画で音楽を、ロックを表現した第3話
第1話はりりさに向かって罵詈雑言を吐いた音羽という場面で幕を引く。続く第2話で2人が再びセッションをする運びとなるまでが描かれ、第3話で罵倒されたりりさの反撃が始まる。
この第3話の作画が凄まじい。
音楽漫画は音楽を題材にしているのに音を直接表現することはできない。聴覚に訴えることはできない。そんなディスアドバンテージを抱えている。
しかし、著者福田宏先生は作画で音楽を、ロックを、再現するという至難の業をやってのけた。
キャラクターの表情・汗・演奏を躍動感たっぷりに表現する作画、漫画的擬音表現などを駆使して読者の脳で音楽を再現するというアプローチ。
優雅なお嬢様像には似つかわしくない尋常ではない汗💦と真剣に演奏に打ち込むキャラの表情の相乗効果。ギターとドラムの演奏を行う崩れ気味で疾走感のある指・腕の作画。どのような音が奏でられているのか想起させる擬音。
あらゆる要素が音を奏でる漫画を実現している!
そして、渾身の演奏を終えたりりさと音羽が発する第1声。第1話に引き続き罵詈雑言の嵐。しかも今回は前回面食らっていたりりさまでもセッション相手へのダメ出しラッシュをするので第1話の比ではない。
お互いの演奏への不満を飾らぬ言葉で吐き出し、ぶつけ、演奏で汗だくだく疲労困憊なのに言葉の殴り合いが続く。
これがロック!これこそロック!!
こんな魂剥き出しの物語をお見舞いされたら、作品に惚れ込むしかない!
まとめ&プレゼン
それでは最終章です。レビューを通じて語ってきた感想を濃縮して作品の魅力を厳選していきましょう。
今回レビューしたタイトルはこちら。コミックス『ロックは淑女の嗜みでして』第1巻。
第1巻を通じて感じ取った作品の魅力を一言にまとめるとコミックスで表現される「魂剥き出しの演奏」となります。
コミックスで聴覚に訴える音を・音楽を表現するのは非常に難しい。しかし、本作はそれを見事やってのけています。
それを実現しているのは著者:福田宏先生の画力がなせる汗の表現。お嬢様の顔にミスマッチな汗だくな姿を一切の遠慮なく描いている作画のパワーは漫画史に残すに値する。
この汗を伴った演奏作画にキャラクターの表情や漫画的擬音表現が多層的に音楽を表現していく。
魅入ってしまう演奏作画の後に待ち構えるお嬢様らしさ皆無の罵詈雑言の応酬。これがまた作品の味わいを増している。
お嬢様というワードが持つ品性。それを引っ剥がし剥き出しの魂を目の当たりにできる言葉の数々に引き込まれてしまう。
人間は上部を装った姿よりも本質的な姿に心惹かれてしまうものです。
本作のコミックスを購入するということはお嬢様たちが普段ひた隠しにしている本当の姿を拝むことができる特等席へのチケットを入手するのと同義なのかもしれません。
この記事を読んだ読者の方。コミックス購入を検討するも良し。2025年4月より放送されるTVアニメを視聴するも良し。
是非、お好みの手法で作品の魅力に触れていただければ幸いです。
この記事で取り上げることのできなかった多彩な魅力との出会いがあることを約束します。
それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
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