今回はホビージャパン2025年1月号にて掲載された『コードギアス新潔のアルマリア プロローグ後編』を読了しましたので、その感想記事となります。
後編ということでプロローグ前編と1セットで楽しめる内容ではありますが、後編単品だけでも読み応えのあるエピソードでありました。
前編では『コードギアス反逆のルルーシュ』無印の時系列に相当するエピソードを『新潔のアルマリア』主人公:宗賀ハクバの視点で展開されるスタンスが印象的でした。
後編では予想通り『R2』のエピソードをハクバの視点で・・・というのは予想通りでしたが、『復活のルルーシュ』まで時計の針を進めるストーリテリングに唸ってしまった。
そして、ハクバの主人公性をわずか数ページのテキストで見事に描写しているのでこれは絶賛するしかあるまい!
という感想です。
本記事ではその興奮をエネルギー源に
大まかなエピソードの流れを解説→具体的な感想→まとめとしてエピソードの魅力をプレゼンしていこうかと思います。
それでは行きましょう。
ストーリー解説
それでは私が唸ってしまったストーリーの采配について語っていきましょう。
物語はTVアニメ『反逆のルルーシュR2』の第1話に相当する時系列から開幕。『新潔のアルマリア』はTVシリーズではなく映画のタイムラインに沿っているので『叛道』に中盤からが該当しますね。
重要な節目となるエピソードをハクバ視点で振り返っていくスタイル。随所にルルーシュ=ゼロや皇神楽耶が登場するのが小君良かった。台詞だけであの名シーンが蘇っていくのは作品パワーが成せる技ですね。
プロローグ後編で虚ををつかれたのは『復活のルルーシュ』まで済ませたこと。これにはびっくりしたけどあまりにテンポが良すぎて褒める他ない。わずか3ページに映画2.5本分を振り返らせるという離れ技を披露したのだから拍手です!
なお、ハシュベスの戸惑いだけ点線で囲ってあるのは、このエピソードだけハクバが接点がないから。ないけれど、ハクバ所属することとなる特殊機関イザヨイの発足において重要イベントなので白馬ではなく別の人物の口からジルクスタンの一件が語られます。
エピソードのラストの方は『復活のルルーシュ』の後日譚的な感じでハクバがイザヨイにスカウトされ所属に至るまでが描かれております。
登場人物は4名
登場キャラは上記4名。
結は前編にも名前だけ登場していましたね。明日菜は今回初登場。結と明日菜はハクバとどのような関係なのかはここでは伏せておきます。結構重要なネタバレなので下記感想では触れます。
感想(⚠️ネタバレ注意)
それでは感想を述べていきましょう。
作品評価【A+】
まずは簡潔な作品評価ということでA+という結論です。
前編はB+と控えめな評価をしたのですが、後編はテンポの良さプロローグとして完璧なストーリー。何より限られた尺でハクバのキャラクター性・主人公性を見事に描写した作家の手腕に拍手ということでA+という結果になりました!
感想セレクション3
読了して色々と感想を抱いたのですが前編と被る内容もあったので厳選して3つに絞りました。
ハクバはまさかの〇〇持ち
ハクバが妻と娘に恵まれている事実には驚きを隠せない。子宝に恵まれたのは時系列的にブラックリベリオンの後。ゼロが帰還するまでの空白の1年間のタイミングで妻との間に子供を授かったようです。
登場キャラクターの項で触れた結と明日菜がハクバの奥さんと娘さんです。結とハクバの仲睦まじい会話もあって夫婦仲は大変良好な模様。中華連邦に移る策としてゼロに扮する下準備を夫婦で取り行っている描写があってなかなかユニークな光景を想像してしまう。
この時のハクバの年齢は20歳くらいの時になるのかな?
かなり若いタイミングで結婚していることにも驚くし、妻子持ちが主人公に選ばれている事実にも時代を感じます。
この別れはエグい
掲載エピソードの前半。ハクバが結と明日菜をとても大事していることがわかる描写が続きます。
しかし、ハクバの下に訪れる悲劇。これはエグい。エグすぎる。
娘のためにも日本を取り戻すべく黒の騎士団の一員として活動していたハクバ。トウキョウ租界を消滅させた戦術兵器フレイヤの悲劇を回避できたのに第99代神聖ブリタニア帝国皇帝ルルーシュの策によって噴火した富士山の被害によって結と明日菜は帰らぬ人となってしまう。
今回のエピソードだけでハクバが妻子持ちであることを判明させ、さらに寡婦(妻に先立たれた男性)であるというコンボを叩き込まれた読者(私)の気持ちを察して欲しい。
ハクバのセリフが重く心にのしかかってくる。
ルルーシュは好きなキャラなので余計に複雑な心境になってしまう・・・・・・
ハクバに訪れた転機
妻子を失ったハクバは喪失感に支配されてダモクレスの決戦後、黒の騎士団から距離をとっていた模様。
時系列はハシュベスの戸惑い後までジャンプ。
失意の底にあった彼の元に皇神楽耶が現れ、ハクバの力が必要だと問いかけます。
妻も娘も守れなかった自分の力なんて・・・と誘いの声を振り払おうとするハクバですが皇神楽耶はそんなハクバだからこそ戦争を未然に防ぐ力があると言い放つ。
皇神楽耶の言葉が胸に響いたのかハクバは2つほど皇神楽耶に質問を投げかける。この2つ目の問いに彼の主人公性が溢れていた。
自分の力で助けられる子どもはいるかと問い、皇神楽耶は首を縦に振る。この瞬間、ハクバと皇神楽耶の主従関係が成立。
この姫と従者の関係が出来上がるのがエモいのなんの!『奪還のロゼ』で多くの方の胸を打った主従関係に通じるではないですか!
まとめ&プレゼン
それでは本記事のまとめと行きましょう。
今回レビューしたタイトルはこちら。『コードギアス新潔のアルマリア プロローグ後編』。
今回のエピソードの魅力を1つに厳選するならば、主人公:宗賀ハクバがどのような主人公タイプであるのか。それが明確に描写されたこと!
彼の人柄を理解するべくプロローグ前編の情報も含めて彼の歴史を追っていきましょう。
ブリタニアの侵攻によって家族を失い、黒の騎士団に参加する道を辿ったハクバ。
妻と子にも恵まれ、愛する家族のために日本を取り戻す意思を持っています。
しかし、第99代皇帝ルルーシュの策によって噴火した富士山の被害によって寡婦となる。
ブリタニアに家族を奪われ続ける人生と言えるでしょう。
ジルクスタンの一件後に設立された特殊機関イザヨイ。この機関のTOP皇神楽耶、直々にハクバをスカウトに訪れることが彼の人生のターニングポイント。
家族を失い続けた男が皇神楽耶に問いかけます。
失ってきた過去ではなく、未来を生きる子どもらのために自分にできることはあるのかと問いかけるハクバの姿には胸を打つものがあります。
ハクバの問いに首を縦に振った皇神楽耶。この瞬間、両者の間に忠義が成立。
これはコードギアスシリーズで多くのキャラクターが培ってきた主従関係そのものです。
最も印象的で且つ記憶に新しい『コードギアス奪還のロゼ』にてアッシュがサクヤに見せたあの精神が『新潔のアルマリア』にも宿っている。ハクバと皇神楽耶の間にも存在している。そう捉えるしかないでしょう!
『新潔のアルマリア』は『復活のルルーシュ』と『奪還のロゼ』を繋ぐ作品。
王の道を披露したルルーシュの物語。騎士の姿を色鮮やかに写したロゼとアッシュの物語。両者の架け橋となる『新潔のアルマリア』に期待が高まる限り。
それでは今回は以上となります。お時間頂きありがとうございました。
コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ 0.はじまりの日
コメント