おはようございます😆映画レビュアーのあーさんです。
今回は2024年10月11日より劇場公開された映画『室井慎次 敗れざる者』を鑑賞して参りましたので、その評価&感想記事となります。
今回は絶賛記事ですね!
期待値を大きく上回る作品に出会えてしまったので褒めちぎるしかない!
パンフレットも購入したので、どのような内容なのかも触れていきます。
ネタバレは極力控えるように配慮します。それでは本編に突入しましょう!
評価まとめ
高評価です!
後編が控えているということで現時点では少し評価は控えめにしているところがあるのですが、単作としてみても十分見応えのあるシナリオ・人間ドラマが詰まっていて大変見応えのある作品でした。
星*10のスコアをマークしている映像美やロケーションについて軽く理由を述べます。
秋田と新潟で敢行されたロケ。雄大な自然を活用した映像美は劇場のスクリーンで味わうにふさわしい贅沢な代物でした。
満足度:星*11
本作品の満足度は限界突破の星*11という結果になりました。
正直そこまで期待はしていなかった。過去作を十分に履修したものが楽しめるファンムービーかもな〜と勘繰っていたところがあるのですが、蓋を開いてみると単作だけで十二分に面白い傑作で度肝抜かれてしまった。
私は過去の映画シリーズは観ていた程度の知識を持っている状態。といっても観たのはかなり昔(4〜5年前かな?)なので結構朧げ。
それでも十分楽しめた。TVドラマの方は知らないし、映画の内容をしっかりとメモリーできているわけでも無いのだけど満喫することが叶った!
警察組織から退いても失われない「室井慎次」の本質を投影する物語
映画シリーズで目の当たりにしていた室井慎次という現場とキャリアの間で奮闘する男の姿でした。
この板挟みに立ちつつも自分を貫き現場に耳を傾ける男の姿勢こそ『踊る大捜査線』の魅力の一端。その魅力が本作にもしっかりと投影されていたことに感動を覚えました。
本作の室井慎次は警察組織から退き、秋田の田舎で無職・里親という新たな肩書を背負う男。
この里親というニューポジションが彼の新しい父親としての顔を覗かせ、これまでのシリーズとは異なる魅力を引き出す。これは旧シリーズを知っている人にはギャップ効果を生み出し、知らない人には元警察の堅物が父親として奮闘するキャッチーな物語性・ドラマへの興味関心をもたらす効果を持っている。
これだけでも単作として十分成立するパワーを持つが、それだけに留まらないのが本作の魅力!
子供達が生み出す『踊る大捜査線』の主戦場を再現する効果
そして重要なのが室井さんが向き合うこととなる子供たちの存在が生み出す再現効果!
彼ら子供は大人の都合に振り回される立場にあります。その構図が組織の都合で振り回される現場という『踊る大捜査線』の主戦場を再現する効果を持っている。
これにより、大人のエゴと子供との間で挟まれる室井さんという図式が完成し、警察組織を退いているのにも関わらず室井さんの現場を尊重するという本質が垣間見れる作劇を生み出してくれる。
よくぞ、こんな脚本を生み出したなと舌鼓するしかない!
高評価ポイント1:芝居
本作で最たる魅力を挙げるならば「芝居」です。
室井さんを演じる柳葉敏郎さんのセリフではなく表情で物語る顔の芝居も素晴らしかったですが、そんな柳葉さんと芝居を共にする家族の面々が最高だった!
森貴仁役:斎藤潤くん
室井家の長男ポジションことタカを演じた斎藤潤くん。
本作のドラマの中核を担うポジションを見事にやり切ってくれた!本作のクライマックスの一つと言える面会シーンでの語り口が最高でタカの心の強さ・室井さんへの想いが溢れていて涙なしには観られない名シーンを生み出してくれました。
高校2年生のタカは進路の決断が間近に迫っている。
そんな彼が室井さんとの疑似家族生活に何を見出し、物語のクライマックスで何を語るのか是非本編でお確かめください。
柳町凛久役:前山くうが君&前山こうが君
室井家の次男坊ポジションのリク。
こちらのキャラクター。なんと二人一役という配役で前山くうが君&前山こうが君の2名で演じられています。
パンフレットを読んでその事実を知ったのですが、本編中に全く気づけなかったのです。子役ながら二人で一つの役を共有していく難しい挑戦を全うされていて恐ろしい限りです。
後編でもキャスティングに変更はないと思われるので演者の違いに気づけるか挑戦してみようかと思います。おそらく全く気づけないでしょうけど(笑)
Q:旧シリーズの予習は必要?→A:予習なくてもOKです
1987年に始動したTVドラマ第1作からSPドラマ6作品、劇場公開された映画6作品と膨大な歴史を誇るシリーズ『踊る大捜査線』。
私は4〜5年ほど前に劇場公開作を見る機会があって、本作の直前に予習する時間を設けずにうろ覚えの映画シリーズの知識だけで鑑賞に臨みましたが全く問題なかった。
大事なことなのでもう一度。
特に予習しなかったし、映画を随分前に見ただけど全く問題なかったです!
作品の本質が室井家の家族の物語。過去の出来事と接点の薄い要素が中核なので、単作だけで作品を味わうことができます。
映画本編で親切に旧シリーズの振り返りが行われるので問題なし
最低限ではありますが、過去に起きた出来事を振り返る形で旧シリーズの物語を部分的に知る機会があるので、予習していないと置いてけぼりにされる心配はありません。
もちろん、予習しておいた方が作品の深みに触れることができるのは間違い無いので時間があるのならば予習をしておくのは十分選択肢としてありです!
余談:パンフレットの付加価値・情報量がすごい
基本的に大絶賛に値すると感じた作品のパンフレットは購入する性分なので、本作品もパンフレットも購入しました。
そして、中身を読んでみるとその情報量に圧倒されます!
【22名+1匹🐕を網羅】人物相関図
本作品はそれなりに登場人物が多いです。
その総数22名+1匹。
その情報量を見開きで収めた人間関係相関図があって私のような情報を視覚的に把握したい人間には大変ありがたい情報が載っています。
刑事ドラマって人間関係が複雑で膨大ですからこうやって公式でまとめてくれていると最高にありがたいです!
ちゃんとシンペイを載せている点も高評価です。めっちゃ可愛いですからね!!
作中で登場した「履歴書」が読める!
映画本編に登場した印象的なアイテムである室井さんの履歴書。
そのまんまのものがお見えできます。しかもちょっとしたギミック付きのページに秘められているのでこのページはなんだとページをめくってみると視覚をジャックする履歴書にご対面できる仕掛けも心憎いですね。
【室井慎次の名言*29を振り返る】MUROI’s LINE
旧シリーズを愛好していた方には嬉しいラインナップとなっている名言集。
その数およそ29。
かっこいいものからネタっぽいものまで網羅されていて制作スタッフの選出眼は流石です!
【室井家邸を解剖】MUROI HOUSE
これはとんでもないお宝情報。
本作のメインスポットとなった室井邸の見取り図がパンフレットで確認できます。
1階・2階の見取り図に、実際の撮影に用いられた美術セットの写真も確認できて無茶苦茶資料性の高い逸品です!
【制作秘話】PRODUCTION NOTE
制作の裏側を垣間見れるプロダクションノート。
こういう秘話に弱い人は多い。私もその一人。プロジェクトがいつ頃から始動したのか。秋田と新潟で実行されたロケのエピソード。配役を決めるオーディションの話などここでしか確認できない情報が多く大変魅力的です!
終わりに
今回は映画『室井慎次 敗れざる者』をレビューしました。
まさかの骨太家族愛に溢れる傑作映画で大満足です。
後編への期待値が急上昇しているので、2024年11月15日を心待ちにして行けそうです!
追記 後編『生き続ける者』の感想
後編も鑑賞して参りました。重要なネタバレに触れていますのでご注意ください。
詳細な感想は上記記事にお任せするとして簡素な感想だけここに記しておきます。
正直、前編の方がめちゃくちゃ面白かった。後編はそこに着地するのか・・・という終わり方でしたね。
続編が制作されればまた評価が変わってくるかも・・・しれない。
コメント