今回は2024年秋アニメ『村井の恋』を全話視聴しましたので、その感想記事となります。
この記事の筆を取っているのは2024年11月末。ディズニープラスにて2024年9月より先行配信されていたので、地上波視聴の方よりも一足早く完走できました。
さて、早速結論として感想を簡潔に述べてしまいましょう。
素晴らしかった!実に素晴らしかった。
第1〜2話の時はコメディ色濃厚な作品だと認識しましたが、最後まで見届けたことでその認識が不十分であったことを思い知らされた次第。
『村井の恋』
本作品はエクストリーム胸キュンラブコメの謳い文句に疑う余地なしのラブもコメディも極限進化を果たしている怪作であった。
今回のレビュー記事ではなぜ、そのように思うに至ったのか語っていきたいと思います。
順序としましては
1:作品解説 全話見届けた身として本タイトルが如何様な作品であったか簡潔にまとめます。
2:感想 第1話で受けた印象から最終話を視聴した末に辿り着いた作品印象の変化について。
3:まとめ&プレゼン 感想で言語化したことを厳選してレビュータイトルの魅力をまとめます。
作品解説
それでは『村井の恋』がどのような作品であったか簡潔に要約させていただきます。
Limit Blakeするラブ&コメディ
村井の恋の作品を可能な限りシンプルに例えるのならば
右手に装備した“ハンマー”で視聴者の笑いのツボを容赦なく全力で押す!
左手に装備した“矢”で一直線に視聴者の心を射抜く恋愛作劇を放つ!!
そんな作品であった。
どちらも全力全開。過言は一切無し。私は最終回に至るまで何度なく抱腹絶倒しました。そして、最終回ではその真っ直ぐな恋の物語の終着点に涙した。あれだけ笑っていたのに最後に待ち構えていた感情は感動でした。こんな想いに至るとは予想もしていなかった。
全くもって、恐ろしい作品です。
作画クオリティは終始低空飛行!しかし作画崩壊は0
特筆すべき作画クオリティについても触れておきましょう。
ビックリするくらい低水準!
ここまで意図的に手を抜くのかと驚愕するクオリティ。アニメーションを手掛けたJ.C .STAFFは同クールに複数のアニメ制作を受け持っていたようなので、その皺寄せを受け持ったとも言えるでしょうか。
驚くほど低コストで製作されたアニメです。しかも、第1話〜最終話に至るまでずっと同じクオリティをキープしてくる。どこかで作画が良くなるかと思いきやそんな時は訪れない。上がりもしなければ下りもしない。作画崩壊と呼べる現象が起きなかったです。
ヌルヌル動くアニメーションが好みの方には残念な事実かもしれませんが、作画で勝負できない分演出など他の要素で視聴者を喜ばせる工夫は終始施されていたので、アニメとしての面白さは心配無用です!
作画を補う役者の熱演
本作品は声優陣に恵まれていたと言って良いでしょう。
低コストで製作された作画に強い付加価値ももたらしアニメのクオリティを数段底上げしたのは間違いなく座長を務めた高梨謙吾さんを始めとした声優陣の熱演。
第1話〜第12話に至るまで常に全力投球の芝居を披露してくれた。ラブもコメディも極限突破している本作品が持つ熱量を体現し得たのは役者陣の力あってのもの。
第1話で作画クオリティに面食らって視聴を断念しようと検討している方は踏みとどまっていただきたい。その作画を補ってあまりある熱量を持った芝居を拝めるのだから。
感想(⚠️ネタバレ注意)
それでは、お次のチャプターに移りましょう。ここからは具体的な感想を述べていきます。
作品評価【S+】
具体的な感想の前に先に結論として作品の評価をわかりやすくランク付けします。
評価【S+】
文句なしに傑作と言って良い水準でしょう。
総評 エクストリーム胸キュンラブコメに疑いの余地なしの作品
エクストリーム胸キュンラブコメ。
キービジュアルにて謳われている本作のキャッチコピー。
最終話まで見届けてこの謳い文句に疑う余地はないと断言できます。ラブもコメディも全力全開限界突破。村井の真っ直ぐすぎる愛と村井に振り回される田中の情緒が見ていて愉快であった。そして最後には感涙するしかなかった。勝手に涙が出てくるのだもの。頭ではこれまでのユニークな場面を振り返っているのに最終話の村井の想いが涙腺を刺激する。
何度でも言います。『村井の恋』はすごい作品であると!
第1話の印象「コメディ色濃厚だな〜」
さて、最終的には涙を誘った本作品ですが最初は全く違う印象を受けました。
コメディ色に濃厚な学園ものかな〜
という印象でした。普通に面白いし楽しいし、作画にこそ面食らったが頭空っぽで視聴できる良作止まりの作品かな。という印象。
しかし、この判断は間違っていた。いや、認識が不十分であったという方が正しい。コメディ要素だけに注目していたのは視野が狭かった。
ベストエピソード:ラブ編〜TOP3〜
第1話でコメディ要素に注目していた私でしたが、その認識を変えてくれたのが第3話でした。
銭湯の入り口にて繰り広げられる胸キュン必至のイベント。約束もしていないのに出会えると信じ合い本当に巡り合う村井と田中。ギャグテイスト濃厚な道中もありながらも対面し心から向き合って会話をする村井と田中の姿に心ときめくものがありました。
第3話を経て作品の本質に触れた。その後4話以降もコメディとラブを良い匙加減でリリースする作劇が続く。そして、大きな転機となったのは第10話です。冥王ハーデースこと山門と田中が旧接近するエピソード。山門の台詞が田中にクリティカルヒットし、田中の顔がすごいことになるのも印象深かったが、胸キュンレベルも測定不能ラインに到達していた。あれは惚れる。しかもCV:松風雅也。あんなポエミーなセリフも松風さんのセクシーボイスでダイレクトアタックを受けたら田中の心境がゲシュタルト崩壊してしまうのも無理はない。
山門と田中の急接近により史上最大のピンチを迎えた村井。
そんな彼の元に訪れるこれまでの宿敵:春夏秋冬(ひととせ)。第12話は視聴していてヤバかった。
涙が勝手に流れてくる。春夏秋冬が村井に送る言葉が粋。
その言葉を受けて復活を遂げる村井が行う行為・台詞、全てが涙腺を刺激してくる。
これまで本当の自分を隠して生きていた村井が田中に失恋を報告するために本来の自分の姿で向かい合い放つ言葉。
その言葉を受けるたびに涙が流れる。心が反応する。村井役を務めた高梨謙吾さんには感謝しかありません。
また、村井を応援する友人らも素晴らしいのです。村井の恋を成就させるべく常に全力でサポートを続けてきた彼らの姿も胸を打つものがあります。第12話に至るまで幾度となく村井の恋を支え続けその想いが添い遂げられることを願い支え続けてきた友人らの存在無くして最終話の感動はあり得なかったでしょう。
ここまで胸を打つ最終回になると誰が予想できたか。第1話で見たユニークな作風は氷山の一角でしかなかったと認識を改めざるを得ない最終話でした。
ベストエピソード:コメディ編〜TOP3〜
ラブについて語ったのでコメディについても改めて触れていきましょう。第1話がピークなわけないのです。ラブもすごいが、コメディもすごい!
第1話は3位という結論。視聴者に鮮烈な印象を残す重要な役割を担う第1話がベスト3にランクインしているので流石ですね。
やはり第1話は田中の情緒が素晴らしい。演じる日笠陽子さんの芝居の切れ味がすんごいことになっている。推しに瓜二つの村井の姿に動揺が隠せない姿が非常にユニークでしたね。
第2位は第7話。ゴリザップによりパワーアップした村井と田中兄の決闘が繰り広げられる文化祭。終始テンションがおかしかった。筋力で衣服が弾け飛ぶ演出が大好物です。試合に集中するしようとするも田中が訪れるとそちらが最優先だと宣言できる村井も面白すぎた。
コメディ部門の第1位エピソードに君臨したのは第8話。私の推しである山門が初登場し物語をクライマックスへと導くためのあれやこれやが仕込まれるエピソード。
なんと言っても田中のファッションが面白すぎた。何故、すっぴん・ノーブラ・部屋着という3コンボをかましたんだ!?
こんなものをお見舞いされたら第1位を譲るしかない!
まとめ&プレゼン
それでは最後のチャプターです。感想を通じて言語化されたレビュータイトルの魅力を厳選していきましょう。
今回レビューしたのはこちら。TVアニメ『村井の恋』。
本作品の魅力を厳選するならばこちらの3つとなります。
1:村井の一直線な想い 2:田中の情緒 3:村井を応援する友人
本作の主人公:村井の想いは最初から最後まで常に想い女:田中に向けて真っ直ぐ。教師と生徒。結ばれるにはハードルが険しすぎるが、決して村井はめげない。その村井の姿勢には心を揺さぶり視るものの涙を誘うだけの力があります。
そんな村井に想いを寄せられ、幾度となくアプローチを受ける田中の精神状態の揺れ動きっぷりは非常にユニーク極まっています。推し:春夏秋冬と瓜二つな外見で恋のアプローチをされる田中の情緒はアニメならではの表現も相まって乱れに乱れてくれます。
教職としての倫理観や天性の性格も相まって田中は村井のアプローチに中々屈しない。それでもめげない村井を全力で応援し力添えする友人らの存在も本作の魅力。
彼らなしにエクストリーム胸キュンラブコメは成立し得なかった。
最後に村井の台詞で、最も印象に残った言葉をご紹介して幕とさせていただきます。
「諦める才能がなくて、すみません!」
どれだけ険しい道のりでも田中への想いを一度たりとも絶やすことなく前進した彼のゴールが悲恋だったのか否か。ここで語るというのは野暮というもの。
村井の恋が迎えた結末がどうなったかはご自身の目でお確かめいただければ嬉しく思います。
それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
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