今回は2024年11月8日より劇場公開された映画『劇場版BanGDream! It’s MyGO!!!!! 後編 うたう、僕らになれるうた&FILM LIVE』を鑑賞して参りました。
2024年9月末に上映された前編を鑑賞して2ヶ月という短期スパンでの後編公開。誠にありがたいことです。焦らされるのは辛いですからね。
さて、まずは率直な感想を一言でコメントさせていただきます。
良かった!とても素晴らしかったです!!
前編で味わったなんとも言えない後味とは異なる爽やかで清々しい気分で劇場を後にできる。
そして、なんと言ってもTVシリーズで味わった感動を再び摂取できる。いや、TVシリーズとは異なる編集で構成されたことでまた一味違った感動を味わえたといった方が正確ですね。
大変素晴らしい映画体験ができたと胸を張って宣言できます!
今回の記事では何が良かったのか紹介させていただく所存。
- 作品概要:簡単なストーリ解説
- 感想:評価や感じたことを綴ります
- まとめ:作品の魅力を抜粋
以上の流れで進行していきます。それではいきましょう。
作品概要
さて、感想に突入する前に本作品をご存じない方にもある程度の知識武装をしてもらうために最低限の説明をさせていただきます。
公式サイトに寄ってもらうのが最適解ですが、ここでも簡単な説明を記しておきます。
「MyGO‼︎!‼︎」の物語とは何か。前編の映画で何が起きたのか。説明していきます。
前編についても軽くおさらい
『BanGDream! It’s MyGO!!!!!』の物語を一言で表現するならば**結成譚**に着地します。5人の少女が迷いながらも立ち止まることなく進み、一つのユニット=バンドとして完成していくまでの物語。
本作品はTVシリーズとして放映された作品の再編集という立ち位置である点もご留意いただけると尚良し。
今回の記事で取り扱うのはその後編に当たるエピソード。前編のエピソードでは5人の少女の出会いと大小様々な衝突という紆余曲折を経てファーストライブに臨むまでの道のりが描かれました。
そのファーストライブが成功して幕を下ろすかと思いきや、最大級に地雷を踏んでしまいメンバーの1人である**そよ**と他のメンバーとの間に亀裂が生じる。
ここまでが前編の物語となります。
作品の大きな縦筋である結成譚というキーワード。
前編にて結成どころか解散の危機に陥る地雷を踏むイベントが起きた。
以上の2点を把握して頂ければ幸いです。
感想(⚠️ネタバレ注意)
さて、ここから本記事のメインディッシュ。感想レビューのターンです。
作品評価【S-】
まずは作品の面白さをランク付けさせていただきます。
S-!
本当はSSとかS+にしたい。私の心がそう叫んでいる。しかし主観的な意見だけでなく客観的な評価も交えてなくては。ということで評価を少し控えめにさせていただいてS-という結論になります。
それでも傑作と言えるラインを余裕で乗り越えてくれました!拍手👏!!
評価を少し下げた理由についてはTVシリーズの再編集エピソードであるというのが大きな理由になります。映画体験というのは何もない暗闇の荒野に見たことのない原石の輝きを目の当たりにするインパクトというのが大事であるというのが私の持論です。そういった観点においてTVシリーズを視聴していた立場からするとファーストインパクトを既に経験してしまっているのでどうしても評価ダウンしやすいです。
しかし、その厳しいハードルを乗り越えて評価Sラインをマークするのか流石の一言に尽きます。
元の作品が持っていたポテンシャルの高さ。前編で繰り出された巧妙な編集の賜物です!
もしも、私が本作品をTVシリーズを履修せずに鑑賞していたら間違いなく評価【SS】とジャッジしていた確信があります!
さてここから先は具体的な感想についてもコメントさせていただきます。
全て語り尽くすわけにはいかないので可能な限り抜粋してセレクションした内容をラインナップさせていただきました。(本当は全部語りたい・・・)
ファーストインプレッション&ハイライト
映画のイントロシークエンス。まぁ度肝とまではいきませんが、あっと驚く場面から始まりました。前編の続きから直結ではなく、燈の単独ステージ=朗読の場面から始まるのです。
これにはビックリ。そして、納得。
なんせ、前編以上に後編での燈は**THE・主人公**ですからね。
そして、なんといっても「詩超絆」です。これ抜きで語ることはできない。TVシリーズ第10話の感動が再び味わえる。それだけに留まらず、第10話に相当するエピソードは随所にシーンが追加され、あの神回をバージョンアップさせるというアプローチがされていたのです。
これには視聴済みの人間も新しい感覚であの名場面を再摂取できます。
この感動的でエモーショナルなLIVEシーンに至るまでの道のりをシームレスにノンストップで味わえるのが劇場再編集映画としての醍醐味。そよの本質が露わとなりバンドメンバーが空中分解していくのまざまざと見せつけられる展開。それをギリギリと踏みとどまることに繋がる燈と初華の出会いからの朗読劇。そして、徐々に集結していくメンバー。そして5人が勢揃いしお客ではなく仲間のために唄い、演奏する至高のLIVE。いつ見ても同じことを言います。
涙が勝手に流れてくるんだ・・・と。理屈では語れないパワーが秘められている。
ありがとう。制作スタッフの皆さん。
『BanGDream!Ave Mujica』の予習作品にはならない理由
映画後編で前編では出番がカットされていた『Ave Mujica』のメンバー全員に出番が訪れました。
前編では祥子と睦の2名のみ。後編では初華・海鈴・にゃむの3名にも明確な出番が訪れます。
といってもにゃむはかなり短い出番。しかし致し方なしと言った印象。接点があるキャラクターが限定されているので。しかし、まさか愛音が視聴する動画配信のみの出番だとは・・・
初華は燈とのストーリー上で外せない超重要な絡みがあるので必然的な登板。強く印象に残ります。プラネタリウムの隣席での運命的な出会いから燈の単独ステージへと繋がる重要メッセージを告げる。もしかしたら作中屈指のファインプレーではないでしょうか。
海鈴もようやく立希とのイチャイチャを銀幕で披露。出番は比較的短いですが立希との信頼関係というか仲の良さは120%伝わったのでOKです。
『Ave Mujica』のメンバー全員に出番はありましたが、2025年放送予定のTVに繋がるような描写はほぼ0に等しいので今回の後編映画を見ておけば予習できるという作品にはなっていませんでした。
これについては製作陣が「MyGO!!!!!」の物語として提供するという強い意志の表れなのでしょう。
私的見解として英断であると支持します。
TV版で描写された祥子の家庭環境の事情がないことで本作品だけ見ると彼女の印象が全く違うものになってしまうリスクはありますが、TV版で出来なかった「MyGO!!!!!」の物語として作品を完走させるという悲願を達成してくれたのですから、支持する以外の選択肢はありません。
強いて不満を挙げるとすると🥒きゅうりの件がカットされてしまったのは勿体なかった。あのシーンは大好きだったので無念。不器用な睦なりの精一杯の気持ちを表明する名場面なので映画だけしか見ていない方はTVシリーズにも目を通して頂ければと進言させていただきます。
幸い、昨今のSVODサービスの普及によりTV版を視聴する環境は潤沢。カットされた名シーンや『Ave Mujica』への予習はストーリミングサービスに預けることができます。
全くもって良い世の中になったものですね。
完璧な幕引きと『FILM LIVE』の後味の素晴らしさ
映画終盤の感想についてリストアップ。
まず、立希のラスト台詞に関して。これについては更新ならずで残念。🚃電車内で燈とそよの2名と別れるシーンで終了です。らしいといえばらしいので更新しなくても正解だと思わせてくれるところは作品が積み重ねてきたキャラクター描写の勝利なのでしょう。立希→燈の関係は立希の片想いのような側面が強いですからね。
そして本編のフィナーレを飾った場面について。
場所は水族館(燈が年パスを持っているあの場所)。燈と愛音の2人が一生バンドを続けていく誓いを立てるシークエンスです。
「一瞬一瞬を重ねれば一生」
ここをラストに採用し締めくくるのは完璧です。文句なんて一言も申すことができない。
ナイス判断です柿本監督!
そして、今回の追加シーンの大部分を占めたFILM LIVEについてもコメントさせていただきます。
セトリがずるい!
この一言に尽きます。セトリというかラストを飾った詩が反則技指定しても良いんじゃないかというレベルでファンを仕留めにきている。
壱雫空
OPを飾った名曲。作品のギスギス感を中和する清涼剤として機能していた欠かせない存在がついに劇中にて披露される。この文脈に絶句する私なのでした。
まとめ
それでは、そろそろ本記事を締めさせていこうと思います。
その前に今回の記事で伝えたいメッセージを厳選してお届けさせていただきます。
今回、レビューしたタイトルはこちら。
映画『劇場版BanGDream! It’s MyGO!!!!! うたう、僕らになれるうた&FILM LIVE』。
作品の魅力3選
作品の魅力を抜粋して紹介させていただきます。
本作品はTVアニメ『BanGDream! It’s MyGO!!!!!』の後半戦を再編集した作品。前編にて異なるアプローチをされたことと相まってTV放送時には得られなかった魅力が詰まっています。
少ないながらも追加されたシーンで第10話の「あの感動」をアップグレードしようという製作陣の心意気が汲み取れる新規カットが挿入されます。
ファンも制作スタッフも心は一つ。
あの感動をもう一度体験したい。
その想いにより結実した追加シーン・あのクライマックスシークエンスは是非とも映画本編でお確かめください。
本編終了後に上映される「FILM LIVE」も大変素晴らしかった。
舞台となるステージ=箱もRINGらしき場所で、デカすぎないのが粋というもの。MyGO!!!!!はまだ始動したばかりのバンド。これからステージを重ねるごとにその箱が大きくなっていくのを心待ちにできるというものです。
そして、披露された3曲の楽曲のトリを飾ったのは詩がこれまた粋!TVで幾度となく披露されたOP曲「壱雫空」が劇中に輸入される。エモい!
最後に。
前編では最小限にオミットされていた『BanGDream! Ave Mujica』に主要メンバーが遂に勢揃い。本来ならば前編で登場するはずであった面々が違和感なく登場します。
どの場面で登場するのか。TV版を視聴している方にこそ味わっていただきたい本作品ならではの魅力です。
また、TV版との差異として物語が完全に「MyGO!!!!!」を主軸にしている点。TV版の最終エピソードは『BanGDream! Ave Mujica』のプレエピソード=前日譚的な側面が強く、「MyGO!!!!!」としては消化不良に感じられる側面をありました。しかし、今作はその消化不良感を脱却させることに成功しています。非常に味わい爽やかな良い気分で劇場を後にできます!
FILM LIVEと合わせて清々しい気持ちになれるので、前編の鑑賞後に浸った感傷と異なるという点も大変素晴らしいポイント!初見の方はこの後どうなるんだ?という感情を抱いた前編。TV版を視聴済みの方は結末を知りつつも前編でカットされた描写が後編にどう響くのかワクワク感と不安感に支配された前編。
その後に待ち受けている後編でこんな爽やかな気分だなんて想像できる人はいないでしょう。
それでは今回のレビューはこれで幕とさせて頂きます。
お時間いただき誠にありがとうございました。
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