【ショートレビュー集】コミックス 逃げ上手の若君

逃げ上手の若君 ショートレビュー

おはようございます。
映画大好き!ブログ管理人のあーさんと申します。

今回は私が映画化して欲しいと思っている作品のレビュー&プレゼンをしたいと思います。

そのタイトルはというと松井優征先生の著作『逃げ上手の若君』!

鎌倉時代の滅亡から物語が始まり、南北朝時代、そして室町幕府へと繋がっていく歴史の大きな転換点を描いている作品。

作品の独自性として逃げることをとてもユーモアにかつ肯定的に描いていること!
武士道が蔓延る中世日本で何がなんでも生き延びることを是とする価値観は現代人に親しみ易い。尚且つ武士道とのギャップ効果も相まってキラキラと輝いて読者に届く。

この記事ではそんな独自性溢れる『逃げ上手の若君』の魅力を物語のレビューとキャラのプレゼン等を通して読者の皆様に知っていただければと思い筆を取っております。

それでは本編へと参りましょう。

作品をご存じない方のために簡易的に『逃げ上手の若君』がどんな作品なのか説明しましょう。

日本を代表とする時代の一つ鎌倉時代が幕を引き、二人の天皇を擁立する異常事態となる南北朝時代の訪れ、そして室町幕府設立に繋がっていく歴史の大転換点を鎌倉幕府の遺児:北条時行を主役に描いていく物語。

主人公が鎌倉幕府の再興を目指す北条。

歴史では室町幕府ができることは確定事項なのでバッドエンドまっしぐらの作品かというとそんなことはないと断言します!

本作は室町幕府の初代将軍となる足利尊氏を人間を超えた化け物のように描いています。

この化け物を相手にする北条時行は尊氏に大きな影響を与えていく存在として描写され、尊氏を化け物から人間へとスケールダウンさせる重要な役割を担っていると筆者である私は睨んでいます。

史実を描く作品である以上、事実を捻じ曲げることはできないが伝え方を工夫することで志を果たせなかった英雄を作品の主人公として成立させることはできる。

松井先生は武士として傑出した足利尊氏に対するキラーカードとして逃げ続けることで乱世に影響を与える北条時行の英雄譚を『逃げ上手の若君』で描いてくれているのです。

それでは、レビューのターンに入りたいと思います。
各巻を簡潔にコンパクトに素敵だな〜と感じた部分をピックアップしていこうかと思います。

第1巻。まだ1巻ということでキャラが出揃っていないが、独自の作風がキラリと輝き惚れ込んでしまう。

歴史物ということで時代劇のようなお堅いイメージを読書前に抱いていたが、実態はかなり現代エンタメ寄りにチューンナップされた作品であることに驚く。

キャラクターのノリ・テンションが現代人の感覚に近いのです。

なので当然繰り広げられる会話の様相も現代人のそれに近くなる。

これが読みやすいのなんの!

そして、読みやすいだけでなく物語も面白いと来た!

武士道を価値観の基本とする世の中で真逆をいく才能“逃げ上手”を発揮していく時行君。齢10にもみたない子供が背負うあまりにも巨大な運命に心惹かれていってしまう。

この第2巻は作品を形作っていくのに重要な敵サイドのキャラクター造形の方向性を読者に周知させたことが最も印象的でした。

もうね。個性の塊みたいな敵だらけなんですよね。

視力が規格外の小笠原。聴力が異常な市河。

身体能力に傑出した部分を持つだけでなく性格までとんがっているのだから、この二人が会話をするだけでも面白いことこの上ない。

おっさんがおっさんを抱きしめる光景を少年誌に掲載する松井先生のセンスに脱帽です。

第3巻は童(わらべ)と大人が正面から激突するバトル展開が素晴らしい。

子供という大人と比較して矮小な武力しか持ち得ない存在が、互角以上に渡り合うには日々の鍛錬・軍略だけでは足りない。

最後のピースとなるのは覚悟!

この第3巻ではそんな覚悟に触れることができる素晴らしいエピソードが収録されていて大満足!

初めて大きな戦が描かれたのが第4巻。そして最初から負け戦であると分かりきっている勝負。

そこで輝くは松井先生の手腕。

負けるけれど、大敗を阻止する戦運びは天晴れというしかない!

素性を隠している時行君が大人相手に武士道を根本から否定していく姿は素敵でした。

そして戦で輝く郎党たちの才能。

負け戦なれど美酒になり得るというのを証明した偉大な第4巻でした!

第4巻に続いてさらに規模の大きな戦が展開される第5巻。

様々な場所で同時に戦が起こるので情報の共有速度が戦局を左右する。

今回は情報戦の偉大さに触れつつ、歴戦の武士の直感・軍略が冴え渡るエピソードとして大人たちの立ち回りがキラッと輝くエピソードが印象的でした。

戦いの引き際、負け戦のまとめ方を心得ている大人たちの姿を見た時行君がまた一歩成長するという点も素敵でしたね。

意見をまとめ次第執筆致しますのでしばしお待ちを。

ここからはプレゼンのターン。
作品とキャラクターの魅力をお伝えしましょう。

本作はなんと言っても松井優征先生のセンスが素晴らしいと絶賛する他ない。
歴史上の偉人のキャラクターデザインをビジュアル&内面共に現代人が咀嚼しやすいような方向でデザインしているのが素晴らしい。

古風な言葉を使うけど会話劇を形成する箱そのものは現代的に造形しているので非常にとっつきやすい。

このとっつきやすさに加えて個性溢れるキャラクターの造形がフックとなって一度出会ってしまえばその独自性から逃れることは困難!

松井先生のキャラ造形の最たるものが主人公::北条時行君。
主人公らしい重い運命を背負うという王道性。一般的主人公らしからぬ“逃げ上手”という回避・生存特化な才能が南北朝時代という武士道が蔓延る時世と化学反応を起こし一人のHENTAIを爆誕させている。

人格者であり、変なところで興奮するそのギャップがとても魅力的なキャラです。

最後にアニメについてもちょっとだけ触れておきましょう。

アニメの出来栄え凄く良いですね。

逃げる・避ける・生き延びるというアクション性溢れる時行君の個性が超クオリティーのアニメーションで描かれるので原作ファンは歓喜乱舞!

アニメ2期も確定しており、凄くいいところで追われる予感がします。
第9巻の数エピソードあたりで締めくくってくれると最高ですかね。

その後は映画に・・・とかなってくれないかしら?

それでは今回は以上となります。

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ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。またのご縁をお待ちしております。

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