【コミックレビュー】ウマ娘シンデレラグレイ 第4巻 感想

ウマ娘シンデレラグレイ4巻 ウマ娘

面白い!実に面白い!!

前巻で繰り広げられた日本ダービー出走への物語がどうなったのか?
その答えが確認できる第4巻

おお〜、そういうことだったのか!
と、膝を打ってしまう。まさか叙述トリックで読者を欺くような仕掛けを施してくるとは。

本記事のコンテンツは上記のようなラインナップ。
まずは前巻=3巻の復習としてあらすじを確認。その後、4巻の内容レビュー。最後に4巻の魅力を総括するという構成となっております。


それではチャプター1開幕。第3巻の内容をおさらいして4巻のレビューへのウォーミングアップをしていきましょう。

カサマツから中央へ移籍したオグリキャップ。移籍時期の都合でクラシック登録が行われていない問題が発覚。
これにより中央のウマ娘が目指す頂きの一つ。日本ダービーに挑戦する権利がないという壁が立ち塞がる。

しかし、それで諦めるオグリではない!
実力で、常識もルールも覆すと宣言!!GⅢレースペガサスステークスを皮切りに快勝を刻み続ける。
異例の連勝を記録し、世間に日本ダービーに相応しいウマ娘がここにいると証明していく!

オグリキャップの実力を目の当たりにした世間も黙っているわけにはいかなかった。
ジャーナリスト:藤井泉助はオグリキャップを日本ダービーに出走させるべく職権とコネを活用して世間に問いかける。そして、署名運動まで起こし、1万人分のオグリキャップ日本ダービー出走の嘆願書をトレセン学園生徒会長シンボリルドルフに叩きつける。ここから先はルドルフにしかできない領域であると藤井自身の願いと世間の声を託す。

それを受け取ったルドルフはURAへ直訴し、日本ダービー出走の規約改定に一石を投じる。

ルドルフの意見を受けたURAの回答は・・・第4巻に持ち越し。

というところで、日本ダービーが開幕しオグリキャップは出走できたの!?と読者をヤキモチさせるところで第3巻は終了。
より詳細な内容は下記記事でも言及しておりますので、興味ございましたら気軽にお越しください。

それではチャプター2に突入です。第4巻の内容に詳しく触れ込んでいきましょう。

まずはネタバレなしのレビューとして作品の評価をします。【SSS】。文句なしに面白い!第4巻を節目の巻なので、作品の勢い的にはこれまでの巻よりも熱量は控えめな部分はあるのですが、それでもこれだけの面白さをマークできるのは恐ろしい限り!

第4巻の最初に繰り広げられたレースは日本ダービー。読者にとって第3巻から続きが気になって仕方ないレース。オグリは出走できたのか否か。

答えを明かしてしまうとオグリキャップは出走できませんでした。第3巻であれだけのムーブメントを引き起こしたが、念願叶わず。

コミックスでは叙述トリックを駆使してあたかも別のレース場で走るオグリの描写と、日本ダービーを駆けるウマ娘の描写を並行して同時進行で描写することで、オグリキャップが日本ダービーに出走しているように錯覚させる仕掛けが施されていました。

オグリが実際に出走していたのはニュージーランドトロフィー。格はGⅡ。
ちゃんと見るとオグリは勝負服ではなく、いつものトレーニングウェアで走っている。対して格式高いGⅠレースである日本ダービーに出走しているウマ娘は皆勝負服を着用している。その時点で気づくべきだったんですよね。

しかし、『シンデレラグレイ』でGⅠレースが描写されるのは初なので、勝負服の概念が薄れていて読者が気付きづらい状況にもあった。

では、オグリの宣言。実力で、常識もルールも覆すという発言は不発に終わったのかというと答えはNO!彼女はやってのけたといっても過言ではない。

今回の世間を巻き込んでのムーブメント。そして、ルドルフの意見を受けてURAはクラシック参加規約改定に踏み切ると約束。今すぐに規約を変更することは公平性に欠けるが、時間をかけてでも必ず規約を改めると約束するのでした。

オグリキャップの日本ダービー出走という願いは叶いませんでしたが、まだ見ぬ未来のウマ娘の進路を切り拓いた瞬間です。

日本ダービー出走を目標にしていたオグリキャップが次に挑むのはGⅡ高松宮杯。

このレースに出走する前。オグリは悩んでいました。カサマツで叶えられなかった東海ダービーという目標。その目標に代わる新たな道標として掲げていたのが日本ダービー。しかし、それも叶わぬ夢となってしまった。これから自分は何を目指せば良いのか。悩むオグリ。

そんなオグリの元に一本の電話が訪れる。相手はフジマサマーチ。カサマツ時代のライバルであり、オグリに東海ダービーという目標を与えた張本人。

マーチとの会話はオグリにとって新たな目標を、夢を得るきっかけとなった。
マーチからの近況報告を受け、彼女が東海ダービーに出走したことを知るオグリ。しかし、その結果は4着。現実の残酷さを痛感するマーチ。

日本ダービーに出走できなかったオグリ。東海ダービーに出走できたが結果は惨敗のマーチ。共に夢に敗れた者同士。だが、それが自然に互いを励ますシチュエーションを生む。この展開は熱い!

4着という結果に挫けそうになるマーチを不器用ながら励ますオグリ。その想いに応えるかの如くオグリの悩みの処方薬を授けるマーチ。

「日本一のウマ娘になれ」
「オグリキャップ」

自分が走るレースを最高のレースにすれば良いと伝える。

その言葉を受けたオグリは元気を取り戻し、GⅡ高松宮杯で1着をつかむのでした。

新たな目標を得たオグリが挑むのはスーパーGⅡと評される毎日王冠。ほぼGⅠ級と言っても過言ではないトップクラスのウマ娘が名を連ねるレース。

中でも別格なのがシリウスシンボリ。日本ダービー優勝後(史実だと1985年)、ヨーロッパへ飛び世界の強豪と渡り合ってきたウマ娘。

GⅠ級に等しいウマ娘が揃っている上に、署名運動の件で良くも悪くも注目を浴びているオグリ=8番は徹底的にマークされ、進路を塞がれる。(因みにシリウスシンボリは7番)

しかし、これだけ不利な状況でもオグリは勝った!
前方を塞がれているのなら最大外!活路を見出して距離が増えようがお構いなしに駆け抜ける。

その圧倒的実力に惚れ惚れしてしまいます。

スーパーGⅡを制したオグリは遂にGⅠにデビュー。天皇賞(秋)。
ここでオグリはある意味運命の相手とも言えるウマ娘と出会う。

タマモクロス。
日本一のウマ娘となることを目標とするオグリが倒さなくてはならない相手。現時点の王者に君臨しているのがタマモクロス。オグリ自身も今まで出会ったウマ娘と別格の存在であるとタマモクロスのことを認識。

この両者の激闘が展開される天皇賞のレース開幕は第5巻へ・・・というのがまた憎い。続きが気になって仕方ない!

さて、最終チャプターです。レビューを通じて綴ってきた第4巻の魅力を総括していきましょう。

改めて作品紹介。今回レビューしたタイトルはこちら。『ウマ娘シンデレラグレイ』第4巻。サクラチヨノオーが表紙を飾っています。

第4巻の魅力を一言に厳選するならば、新たな夢を目指す物語にあったと言えます。

第3巻から開幕した第1章中央編入編は日本ダービーにて閉幕。

それは同時にオグリキャップにとって2度目の挫折を意味しています。
東海ダービーという夢を折って、中央に移籍。今度こそ最高峰の舞台:日本ダービーを目指して邁進していたオグリ。しかし、現実は残酷。そう易々と夢を叶えさせてくれない。

しかし、オグリは新たな夢を見つける。
カサマツ時代からのライバル。フジマサマーチからの言葉を受けて日本一のウマ娘になることを新たな夢にする。

その夢を掴むために、GⅠ級のウマ娘が揃うスーパーGⅡ毎日王冠にも不利な状況下を覆す戦績を残す。

そして、オグリキャップにとって運命の相手とも言えるウマ娘:タマモクロスとの出会いが訪れる。
この出会いを機に、本格的に始動する第2章白い稲妻編。その続きは第5巻にて描かれる。

今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。

本記事と第3巻のレビューを総括したまとめ記事も執筆しました。まとめ記事の特典として史実との比較も行っていますので、ご興味ございましたら気軽にお越しください。サクッと読めるように仕上げています。


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