ラストランがもたらす開花の兆し【スタブロ】第52話「薪尽火伝」感想

スタブロ最新話感想

哀愁を呼び起こす引退報道。覚悟が灯り伝播するヴィクトリー倶楽部の絆。サクラバクシンオーの決断がチームアルケスに変革の種を蒔く。スターブロッサム第52話「薪尽火伝」の感想プレゼン。

おはようございます。『ウマ娘シンデレラグレイ』🎞️映画化を夢見るフリープレゼンターの🦉あーさんと申します。スターブロッサムもメディア化して欲しいと切に願っていますとも‼️

 

『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』第52話「薪尽火伝」を読みました。ヤンジャンアプリのメンバーシッププログラムに加入したので、先行読書権を得ることに成功。無料公開よりも、ちょいとお早くご相伴に預かれたということです。
 

早速、ネタバレ無しでの感想を記すとしましょう。

「なるほど!時系列シャッフルの狙いがわかったぞっ‼️」———という感想になりました。

スターブロッサムは第48話より新章へと突入。しかし、突入早々、いきなり過去回想を決行するという大胆なアプローチを選択されました。私はこの采配がずっと謎でして、なんで直結で物語を描かないんだろう!?———と、ずっと不思議だったわけです。

まぁ、面白いからそんな疑問どうでも良いかと心の奥底に収納していたのですが……今回の52話を見てその答えを得たように思いました。サクラローレルにとって非常に意味合いの強いレースとなる新春を告げる中山金杯。その直前にサクラバクシンオーのクライマックス&ファイナルターンを過去回想という形にしてでも挿入する

その狙いこそタイトル=「薪尽火伝」

燃え尽きた薪は終わりを迎えるわけではない。まだ燃えている薪、あるいは燃えようとしている薪に熱(火)を伝播すると力が残されているという意味合い。本エピソードが読者にもたらすインプレッションを体現するワードチョイスであるとともに、著者らが変則的なシナリオ構成を採用した真の狙い。

常々、著者らの底力に参ってしまいます。

ネタバレ無しの感想プレゼンはここまで。ネタバレ解禁での感想は本編にてプレゼンさせていただきます。本編は大きく分けて2部構成。

  • 第1部:レポートパート
  • 第2部:エミュレートプレゼンパート

 

第1部では50話がどのような内容だったのか登場キャラとシナリオの流れについて。第2部は当ブログ恒例の🪞エミュレートプレゼンversion“杉下右京”で解説していきます。『相棒』の主人公:右京を模倣したテキストで文章を彩っていきますよ。是非、水谷豊さんの声を思い浮かべながら、お楽しみください。
 

  • サクラローレル
  • 明石椿
  • サクラバクシンオー
  • サクラチヨノオー
  • サクラチトセオー
  • ヨシノプリヴェール
  • ノースフライト
  • ノースフライトのトレーナー
  • ビコーペガサス?
  • 明石梧郎
  • 猿野トレーナー

 

一部名前を把握できないキャラクターがいますが、大体こんな感じです。ビコーペガサスに関しては3話連続出演ということで、ほぼ100%彼女とみて間違いないでしょう。

が、未だに台詞0なので一応?マークは据え置きのままに。

 

大雑把ながらストーリーの流れをここに記します。本編の魅力たる“旨味”の部分は可能な限りカットしますので、その真髄はご自身の瞳と心でご堪能あれ。

🔻スプリンターズS共同記者会見

京都遠征から帰郷したチームアルケス。サクラバクシンオーは国際競争GⅠスプリンターズSの記者会見に参加する。その記者会見でスプリンターズSがバクシンオーにとってラストランとなることを表明されたことが新聞の一面となる。
 

🔻バクシンオーのラストラン報道を受けて

チトセオーは突然の引退報道と向き合うために夜間自主トレーニングへと向かう。それに付き合うサクラローレル。2人はターフを駆け、バクシンオー引退という変革期に備える気持ちを整理する。
 

🔻スプリンターズS当日

スプリンターズS当日、サクラバクシンオーはコースのチェックを静かに実行。チームアルケスの面々はそれを見守る。

 

サクラバクシンオーのラストラン=第28回スプリンターズS。僕は当初、このレースはスターブロッサムでは描かれないものだと思い込んでいました。

何せ先んじてスプリンターズSの後に開催されるはずの第39回有マ記念を第46~47話で描かれてしまいましたからねぇ。過去回想という形でサクラバクシンオーにフォーカスを当ててくるとは露とも思わず。

こうして描かれる機会が訪れたことに喜びを覚える反面その異様な雰囲気に面食らってしまったというのが正直な感想となります。

しかし、同時にこうも思いました、なぜ過去回想という時系列シャッフルを採用したのか———その答えがこのエピソードに秘められている—と。

一つずつ感想を綴っていくとしましょう。
 

チームアルケスに所属するウマ娘は皆明るく、とりわけサクラの名を関する4名はキュートあるいはラブリー属性と言って差し支えない造形であることが特徴的です。特に底抜けの明るさを誇るサクラバクシンオーはその場にいるだけで周囲の雰囲気を陽性に保つある種の空気清浄機的パワーを秘めたキャラクター。

そんな彼女が今回一切笑顔を見せることはなかった

スプリンターズS当日では一層真剣な表情を浮かべ、記者会見の場でも比較的凛々しい顔つき。新聞の一面に採用された写真も一応の笑顔ではあるのですが、どこかいつもの彼女と違うと心がざわつく……。これはスターブロッサム史上初の異常事態です。

さらに付け加えるならば台詞もモノローグも0。一体彼女は何を考えているのか……。

本エピソードの空気感はサクラバクシンオーが牽引したと言っても過言ではなく、彼女の存在感の強さを深く噛み締めます。

 

これが第1の感想。

第2の感想=なぜ過去回想という時系列シャッフルを採用したのか———について触れていくとしましょう。

 
忘れてはならないのが、今回のエピソードも過去回想であるということ。あくまで現代パートに繋げるための幕間。著者らが新春に開催されるGⅢ中山金杯の本番を描く前にサクラバクシンオー引退までの蹄跡となる過去回想を挿入する意味合いについて僕達が心得て置かなければなりません。

☝️一つ僕の仮説をプレゼンしましょう。

———バトンタッチ。これが著者らが時系列をシャッフルしてまで描こうとしている狙いが所謂“継承”であると僕は踏んでおります。
 

そのヒントをくれたのが今回のエピソードで紡がれたサクラローレルとサクラチトセオーの併走トレーニング。このトレーニングを通じてサクラチトセオーはサクラバクシンオーの引退表明を受けて——薪尽火伝を成し遂げようとする覚悟を示しました。サクラローレルもまた、そんなサクラチトセオーの想い・覚悟に刺激を受け変化の兆しを示す。

 

このシークエンスが非常に心に残るエピソードでもあった第52話。なぜ、心に残ったのか……それはこのシーンこそ時系列をシャッフルさせてまで描かなくてはならなかったシーンに他ならない———そう直感が囁いてくるのですよ。

年越しの中山金杯より始動するサクラローレルの新章。新章と謳う以上、何かが彼女の中で花開いている必要性を著者らは感じていたのではないでしょうか?

そのために選択した手札がサクラバクシンオーの引退とサクラチトセオーから始まる覚悟の伝播。サクラの名を冠する3名のウマ娘が現役となる最後のタイミングでしか出来ないワイルドカードを著者らは描こうとしている。

確かに、これならば新章を実質的初戦となる中山金杯の結果を補強するこの上ない援護射撃となり得るでしょう。
 

如何だったでしょうか? 今回は『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』第52話「薪尽火伝」について感想プレゼンを実施しました。

 

ずっと気掛かりであった妙なエピソード構成。

 

僕が執筆者なら安易に過去回想をせずにストレートに描いていたことでしょう。なぜこのような変則的なアプローチをしたのか……気になっていた答えが第52話を拝見することでようやく得られました。

ナリタブライアンのエピソードを菊花賞から有マ記念を直結で描きたかったという側面もあったのでしょうが、何よりサクラローレルの成長に必要不可欠な栄養分を新章の初戦となる中山金杯直前に据えること———これが著者らの目論みであると仮定すると全てに納得が行きます。

サクラローレルとナリタブライアン。スターブロッサムを代表する2名のウマ娘の成長・進化(深化)・変革を描くには確かにこの構成こそベストアンサー=最適解であると。

毎度のことながら著者らの技量には恐れ入る限りです。おそらく、まだまだ秘めた切り札を持っていることであると考えると……高揚感が止まりませんねぇ。

次のエピソードの楽しみとさせていただきます。

それでは本プレゼンは以上。実に素晴らしいエピソードとの出会い。誠に感謝します。ご愛読いただきありがとうございました。またの機会にお会いしましょう。

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