濃密なノースフライト主役回【スタブロ】第50話「最後の対決」感想

スタブロ最新話感想

1994マイルCS。史実に刻まれたサクラバクシンオーVSノースフライト——という頂上決戦の舞台に秘められた数多の情報をわずか22ページに盛り込む著者陣営の手腕に拍手!

おはようございます。『ウマ娘シンデレラグレイ』🎞️映画化を夢見るフリープレゼンターの🦉あーさんと申します。スターブロッサムもメディア化して欲しいと切に願っていますとも‼️

『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』第50話を読みました。となりのヤングジャンプで期間限定無料公開なので、是非皆さんもこの好機を活かしてみてはいかがでしょう?

早速、ネタバレ無しでの感想をまずは記すとしましょう。

「わずか20ページでノースフライトを味わい尽くす回」———という感想になりましたとさ。

第48話から紡がれるサクラバクシンオー&ノースフライト主演のターンは今回で3話目。🌸スタブロの主役はサクラローレル&椿トレーナーなので、準主役となる彼女らに注力しすぎる訳にもいかず、ある程度“巻き”で物語が進行せざるを得ない。ですが……、著者陣営は限られた尺・ページ数で読者により多くのキャラの情報・歴史を伝えようと、できる最善を尽くそうとしているのが伝わってきます‼️

今回は特にノースフライトについて深く掘り下げる——読者にノースフライト史を知る機会を設けるエピソードであったと思いました。

作品の面白さは言わずもがな…著者らの読者に対する姿勢に心温まる次第。

それでは、ネタバレ無しの感想プレゼンはここまで。ネタバレ解禁してでの感想は本編にてプレゼンさせていただきます。

本編は大きく分けて2部構成。第1部では50話がどのような内容だったのか登場キャラとシナリオの流れについて。第2部は当ブログ恒例の🪞エミュレートプレゼンversion“杉下右京”で解説していきます。『相棒』の主人公:右京を模倣したテキストで文章を彩っていきますよ。是非、水谷豊さんの声を思い浮かべながら、お楽しみください。
 

  • サクラバクシンオー
  • ノースフライト
  • ノースフライトのトレーナー
  • ニシノフラワー(回想)
  • ヤマニンゼファー(回想)
  • ビコーペガサス?
  • 実況
  • 解説

ローレルと椿トレーナー不在という大胆なキャスティング。主役不在の分、ページ数をノースフライトに割く采配が可能となっています。
 

大まかなストーリーラインは以下の通り。あまりネタバレしないように記していきます。

🔻地下バ道での挨拶と宣言

マイルCS当日。パッドクへ向かう地下バ道を歩くノースフライトに声をかけるサクラバクシンオー。バクシンオーの口からレースへの意気込みとノースフライトへの大事なメッセージを伝える。
 

🔻マイルCS出走&過去回想

マイルCS開幕。14名のウマ娘がゲートを飛び出す。飛び出すと即座にノースフライトの過去回想シークエンスへと突入。ノースフライトのサクラバクシンオーへの想い、その原点が語られる。
 

🔻レース最終直線

レース終盤の最終直線。サクラバクシンオーとノースフライトの一騎打ちに突入。その結果はNEXTエピソードへと持ち越す。


 

22ページ。第50話の尺です。レポートパートで記したように今回のエピソードでは地下バ道での会話劇・レース出走・過去回想・レース展開……——これらの情報が詰め込まれていました。密度が濃いことは明白でしょう。

そのテンポの良さもさることながら、僕が注目したのは説明台詞を極力排除した描写力❗️

自然な会話・キャラクターの表情芝居・一コマに写せる画角を用いた構図による語りかけ……——-などなど漫画というメディアの性質をフル活用して読者に可能な限り濃密な情報を提供しようとしている著者陣営の姿勢に舌を巻くしかありませんでした。
 

特に印象的だったカット=コマは1ページをふんだんに用いた構図。ゼッケン番号12番を纏ったノースフライトがターフビジョンに映る中継映像を眺めるシーン。その画面に映っているのはもちろん、サクラバクシンオー!

このショットは構図の美しさ、キャラクター配置の巧みさが実にお見事。一目でカットの主役たるノースフライトの心情を読者に伝える効果があり、彼女の顔を見せない演出にも舌を巻いてしまいますね‼️

同時にゼッケン番号12番というメッセージが気になって仕方ありませんでした。著者陣営からの出題。このレースは史実に刻まれたどのレースなのか自ら探し出してみてください———と言われているようで、ただ読むのではなく行動を促させ背中を押されているような感覚がなんとも心地よい!

🔍調べてみたところ、1993年12月19日GⅢ阪神牝馬特別であると分かりました。この日はサクラバクシンオーが出走し1着を掴んだスプリンターズSと同日。いわばサクラバクシンオーとノースフライトの1st接点。著者らは、ライバルとなる2名の数奇な繋がり・縁を読者に伝えようとしていたのかもしれませんね。
 

細かいところが気になるのが僕の悪い癖。ゼッケン番号だけでもかなりのテキストボリュームになってしまい申し訳ないのですが、第50話で僕のセンサーに反応した言葉はまだまだあります。

アナウンスにて語られたノースフライトのパドックINでの説明。

「このレースを勝利すれば史上2人目となる同一年春秋マイルGⅠ連覇となります!」

 

史上2人目・・・、この言葉にも著者らから———1人目が一体誰だったのか調べてみては?……と、問われているようでした。

メッセージを受け取ってしまった以上行動しない訳には参りません。早速調べてみましたとも!

そこで辿り着いた答えがニホンピロウィナー。1980年に生まれ、1983年にクラシックを迎えた80年代を代表する名マイラー。ミスターシービーやカツラギエースの同期ですねぇ。ニホンピロウィナーのマイル適性はSSと太鼓判を押せるレベル。あの皇帝シンボリルドルフですら、ニホンピロウィナーと直接対決していたら…勝てたかどうかわからないと言わしめる猛者です。
 

今回登場したノースフライトのトレーナー。お名前はクレジットも呼ばれることもなかったので不明ですが、ノースフライトから“お姉ちゃん”と呼ばれているのが確認できます。

そして、そのトレーナー本人の口から幼少時代のノースフライトをよく存じ上げている旨の発言があり、2人の関係性が大変気になってしまいました。

このシークエンスはいわゆる説明台詞・ナレーション0❗️自然な会話劇の中で2人の関係性の深さ・特別性を窺わせるハイレベルな幕でした。

あまりに自然なのに、言葉の節々に滲む奥深さに好奇心のスイッチを押されるのは仕方なし!ついついにネットの海に答えを求めるたびに出るしかなかった。今回のエピソードだけで僕はどれほど著者らの手のひらで踊らされているのでしょうねぇ?

肝心のリサーチ結果ですが、どうやら“お姉ちゃん”には明確にモデルとなる牧場関係者がいるようですよ!

そのお姉ちゃんとの会話でも興味深い発言がありました。「この前のレースは6バ身差…」。過去回想の時系列を示唆する重要な台詞です。

ノースフライトが6バ身という圧倒的着差を披露したレースとは一体どのレースなのか……調べないわけには行きませんねぇ。

こちらも答えにすぐ辿り着けました。日本の🐎競馬記録が誠に優秀であるとしみじみ感じます。

そのレースとは1994年1月30日に開催されたGⅢ京都牝馬特別。芝1600mでのマイル戦ですねぇ。

ノースフライトにとって最も大きな着差を刻んだこのレースを引き合いに出し、彼女がマイル路線とサクラバクシンオーを目標とするエピソードの導入とする。ノースフライトの競走成績をさりげなく披露すると同時にウマ娘らしきライバル譚を紡ぐ鮮やかな采配だとは思いませんでしょうか?

 

気になったことの5つ目!これで最後です。それはビコーペガサスらしきウマ娘がマイルCSに出走しているということ!サクラバクシンオーの横を駆ける1名のウマ娘。彼女に焦点を合わせると髪型・顔つき・耳の星飾り的に彼女ではないかと心が訴えかけてきました。

これには驚きを隠せません。

言わずもがなビコーペガサスはウマ娘として名を馳せている人気キャラクター。アプリユーザーの方は比較的早期に対面できる短距離の心強い選手として重用されてきたのではないでしょうか?

史実を確認すると確かにビコーペガサスはこのレースに出走していました。しかし、全くと言って良いほどスターブロッサムではピックアップされてこなかった。

冷遇されている?———と、無粋な思考はよぎりませんよ、えぇ。

答えはエピソードの主軸に絡ませることも困難であったと容易に推測できます。このマイルCS編の主役はサクラバクシンオーとノースフライト❗️彼女らに注力する都合上、ビコーペガサス級のネームドウマ娘であろうと必要とあらば出番を削ぐ!この判断・決断は英断であったと僕は支持します。

ビコーペガサスのキャリアを考慮するとヒシアケボノとの関係性にスポットライトを浴びせる方がより輝くでしょうしねぇ。

 

如何だったでしょうか?
今回は『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』第50話「最後の決戦」について感想プレゼンを実施しました。

物語そのものに関する感想はほとんどプレゼンしていないことに今更ながら気づく次第ですが……———良しとさせてください。一人くらい細かいところに着目してしまう者がいても良いのではないでしょうか?

誰かの創作物を読むというのは著者と読者との声なき会話。著者らの意図を汲み取り、咀嚼し勝手ながら応える。それが読者の心意気であると僕は心得ております。限られたページ数・尺でユーザーを楽しませようとあの手この手を画策する著者らの想いに応えてみせたいといのは勝手な我儘———エゴかもしれませんがね。

今回は5つも著者陣営のメッセージを受け取り、彼らの手のひらで踊ってしまいました。実に楽しい時間であっと心より申し上げます。

  • ゼッケン番号12番ノースフライトが出走したレース
    • 阪神牝馬特別
  • 同一年春秋マイルGⅠ連覇した名馬は誰?
    • ニホンピロウィナー
  • ノースフライトのトレーナー“お姉ちゃん”とは
    • 厩務員がモデル
  • 6バ身差のレース
    • 京都牝馬特別
  • 1カットだけ出演?したビコーペガサスらしきウマ娘
    • 史実でも出走していました

 

これらの情報をリサーチすることで主にノースフライトに対する理解が一気に深まる。これが著者陣営の思惑だったのでしょうか?ご本人に確認する手段を持ち得ないことが残念でなりません。いつか直接対面できる日がこないでしょうかねぇ……。

それでは本プレゼンは以上。実に素晴らしいエピソードとの出会い。誠に感謝します。ご愛読いただきありがとうございました。またの機会にお会いしましょう。

このブログではプレゼンノウハウの提供・実践競走馬ウマ娘シリーズの魅力の紹介をあの手この手を駆使して自由に🪽フリーダムに行なっております。

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