今回は前回の記事【コミックレビュー】ウマ娘シンデレラグレイ 第1巻 感想の続きとなるコミックス『ウマ娘シンデレラグレイ』第2巻のレビュー記事となります。
第1巻の面白さが大変素晴らしく、期待に胸を踊らせての読書体験。
読み終えると、第1巻の面白さを引き継いだまま更なる高みに上り詰める完成度を誇っていて驚愕!
もはや1巻と合わせて1本の映画を見ているかのような感覚に浸れる傑作でした。
この面白さは可能な限り多くの人とシェアすべきだ!
と、考え現在執筆中。
前巻の流れをおさらいできるストーリー解説→ネタバレお構いなしでの作品レビュー→最後にまとめとして作品の魅力を厳選してお届けしていこうかと思います。
ウマ娘シンデレラグレイ映画化を夢見るものとして筆を尽くしていきます。
それでは参りましょう!
ストーリー解説
それでは簡易的なストーリー解説をさせていただきます。
ここではネタバレ成分を控えめに・・・と考えているので前巻で何が起きたのか振り返っていきましょう。
全て振り返るわけにもいかないので、第2巻に強く関連する要素3つに限定してご紹介していきます。
第15回ジュニアクラウンへ出走
第1巻の幕引きはオグリが準重賞レース:ジュニアクラウンへ出走するところで幕を引きました。
第2巻はこのジュニアクラウンの勝負が開幕早々繰り広げられる。
ライバル:フジマサマーチとの関係
第1巻でも印象深く描かれたオグリキャップのカサマツ時代でのライバル:フジマサマーチ。
彼女との関係性が第2巻でも重要なファクターとなっていきます。
オグリにできた最初の目標:東海ダービー
第2巻を読み進めていく上で重要なのがオグリにできた初めての夢・目標=東海ダービー。
トレーナーの北原と共に東海ダービーを目指していくと決意するまでが第1巻の物語であったとも言えます。この決意が第2巻のストーリー展開に大きく作用していきます。
目次再現
最後におまけとして第2巻の目次を再現。収録エピソードは9話となっております。
第1巻と合わせて序章カサマツ編とカテゴライズされる第2巻。第16Rで綺麗に一区切りついている点が注目すべき点。
この区切りの良さが本作の映画らしさを増強しているのです。
作品レビュー(⚠️ネタバレあり)
前巻の出来事を振り返り完了しましたので、作品レビューと行きましょう。ここからは第2巻の中身に触れ込んでいくのでネタバレNGの方はご注意のほどよろしくお願いします。
作品評価【SSS】
今回の評価はSSS!第1巻の評価も同様でした。
正直悩んだ。もう少し上の評価でも良いのではないかと・・・
散々悩んだのですが失速することなく面白さをキープしていること。第1巻と1セットの物語であることを吟味して評価ラインを同じとしよう決断しました。
第15回ジュニアクラウンの結果
結論から申しますとジュニアクラウンでオグリは勝利を納めます。
その勝利の収め方がこれまたドラマチックで、フジマサマーチとどちらが勝つのかわからない手に汗握る展開が素晴らしい限りでした。
このレースで勝利を収めた事以上にマーチともライバル関係の構築がオグリにとって何よりの贈り物となります。
オグリに訪れる予想外のオファー
ジュニアクラウン後、中京盃に出走し東海ダービーへの道を邁進するオグリと北原トレーナー。
しかし、オグリの走りは異質すぎて目立ちすぎた。
北原トレーナーの前に皇帝シンボリルドルフが姿を現しオグリを中央=トゥインクルシリーズへとスカウトをかけます。
この展開が第2巻の面白さの渦を生み出していくのです。
北原トレーナーは迷います。トレーナーとしてはウマ娘がより活躍する未来を選択すべき。しかし一個人としてはいつまでもオグリと共に夢を歩みたい。しかし、北原トレーナーは中央でのトレーナーライセンスを保持していないのでオグリを送り出せば共に夢を追う約束を果たせなくなる。
二者択一を迫られる苦渋のレース展開
北原トレーナーは迷った挙句、オグリにも意見を聞いて答えを出す。オグリは中央にはいかず東海ダービーを目指すと断言したが、トレーナーとしての判断を優先して次のレース:ゴールドジュニアのレース結果次第で進退を決める判断を下す。
勝てば中央へ。負ければカサマツに残り東海ダービーを目指す。
メディア等も新聞でオグリの進退を煽る展開が訪れる。
この状況に流石のオグリも困惑する。自分が走れば、レースに勝てば必ず誰かの喜ぶ顔が見れてきたこれまでのレースと異なり、勝てば北原との別れを余儀なくされる。自分の勝利で誰かが傷つくかもしれないレースに挑まなければならないオグリはレース中も集中に乱れが起きる始末。
迷っていたのはオグリだけではない。北原トレーナーも迷って迷って絞り出した苦渋の決断が今回のレース。北原トレーナー自身もレース中のオグリを直視できなほど心乱されていた。
しかし、そんな彼にオグリの顔を見ろと助言する男(叔父の六平)の声で北原の迷いが消えます。
レース中にも関わらず燃えかすのような表情で走るオグリの顔を見て北原の目が覚める。こんな顔をさせるためにレースに送り出したのではないと言わんばかりの熱意を込めてオグリに走れ!と声をかける。
オグリが今こうして立って走れるだけでも奇跡であると知っているのに、自分のことばかり考えていたことを不甲斐なく思い、オグリ自身のために走れ!と力一杯声を張り上げる。その声を受けて、迷いがなくなったオグリは本来の力を発揮しレースに勝利するのでした。
新たな夢へ駆けていくオグリと北原
勝利を納めたオグリは中央へ移籍することとなります。そんなオグリを送る言葉を北原トレーナーが大衆の前で言うのですが、これがまた粋な文言のラッシュ。
要約すると以下のような文章。本文ままで提供するのは無粋だと思うので、私の要約バージョンとなることをご容赦ください。
地方出身の灰被り娘が中央の猛者たちをあっしていく夢なような物語を皆さんも見てみたくないですか!?
みたいな感じです。なんて粋な送辞だと思いませんか?
本巻はここに至るまでの一連の流れが大変素晴らしい!物語を面白くするにはよく主人公を苦しめろと言いますが、全くもってその通り!抜きん出た才能を持っていても精神的に追い詰めることで面白さを、ドラマ性を海ことができると証明するストーリテリングに拍手👏!
まとめ&プレゼン
それでは最終チャプターです。ここまで述べてきた感想を濃縮してレビュータイトルの魅力を総括していきましょう。
今回レビューしたタイトルはこちら。『ウマ娘シンデレラグレイ』第2巻!
本作の魅力を一言にまとめるのならば、「夢を更新する物語」であったと言えます。」
東海ダービーを目指して本格始動したオグリと北原トレーナーの物語。
しかし、早々に波乱を呼ぶ展開が彼らに立ち塞がる。
あまりに傑出したオグリの走りに中央からのオファーが訪れる。
喜ばしいことだが、そのオファーを受けることはオグリと北原の別れを意味するものでした。
東海ダービーか中央か。北原トレーナーも迷いながらも次のレース=ゴールドジュニアの勝敗次第で答えを決めるという苦渋の決断を下します。それを受けてオグリは自分が勝てば誰かが悲しむレースを余儀なくされ迷い苦しむ。
オグリを苦しめる。そんなレースに出走させてしまったことに気づいた北原トレーナーはオグリ自身の走る想いを汲み取り彼女の勝利を懇願する。
この瞬間、2人の目標は東海ダービーではなくなった。
2人の目標は地方から中央へと移っていく。
田舎出身のオグリキャップが中央のウマ娘を倒していくシンデレラストーリー。そんな誰しもが心躍るような夢物語を作っていくことが新たな目標となる。
オグリは一足先に中央へ移籍し、北原トレーナーは必ず中央のトレーナーライセンスを習得し共に夢を目指すと約束。
夢というのは叶えるだけにあらず、新たな目標に更新していくのもまた夢なのです。
いかがだったでしょうか?
『ウマ娘シンデレラグレイ』2巻の魅力が少しでも伝わっていれば幸いです。今回の記事で取り上げなかった魅力も多数ございます。
是非、ご自身の目でその全容に触れていただければ嬉しく思います。
ということで、今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
ウマ娘 シンデレラグレイ 2 (ヤングジャンプコミックス) [ 久住 太陽 ]
コメント