今回はコミックレビューです。
2024年4月より分割2クールにて放送予定のTVアニメ『ウマ娘シンデレラグレイ』の一原作ファンとして。何よりシンデレラグレイの映画化を心より望む大ファンとして作品の魅力をお伝えしたい所存。
コミックを読む前の私はTVアニメ『ウマ娘プリティーダービー』シリーズのオグリキャップのイメージしか持っていなかった。そのため、大喰らいのキャラというのが唯一にして最大のイメージでした。
しかし、コミックスのページを捲れば捲るほどそのイメージとは異なる情報が波のように押し寄せてくるではありませんか!
読めば読むほどオグリキャップが歩んでいく・・・いや、駆け抜けていく物語に引き込まれていく。
これは映画化に値する傑作であると1巻だけで確信しました。現在刊行済みの最新17巻まで読み進めても、その確信は揺るがない!!
ネタバレ成分をオミットすることは難しいので、開き直ってネタバレ全開でレビュー&プレゼンをしていこうかと思います。
シンデレラグレイの映画化を願って!
ストーリー解説
さてまず第一章:ストーリー解説と行きましょう。正直レビューの方でストーリー解説と同じようなことをしてしまうのでここではネタバレ成分をオミットしていきます。
全体像の把握程度にセーブしていきましょう。
第1巻は『序章カサマツ編』の前半戦
第1巻〜第2巻に収録されるエピソードが『序章カサマツ編』というカテゴリーに属します。
これが序章なのか!?と疑問を抱くほど、最初から熱い物語のラッシュが続くのが恐ろしい・・・
目次再現(再現率40%くらい?)
コミックス収録の目次を私の技量の及ぶ範囲で再現。
収録話数は7話。第1話のボリュームが他の話数よりも膨大なので実質的に全9話ほどのボリューム感でしょうか。
【予習不要】TVアニメ・関連ゲームの知識はなくて大丈夫
TVアニメ・YouTube配信スペシャルエピソード・劇場版・ソーシャールゲームと関連タイトルが多数乱立していますが、コミックスはコミックスで独立しています。
故に特に予習を必要とされることはない。
安心して1巻から作品を楽しむことが可能です。
作品レビュー 〜第1話のクオリティが凄い〜
ここから第二章:作品レビューへと突入します。
前章でオミットした分、作品の中身に触れ込んでいきますのでネタバレ要注意となっております。
作品評価【SSS】
率直な作品のスコアはSSS!
第1巻だから控えめな評価にしました!後続巻ではSSSSに値する傑作中の傑作エピソードが収録された巻もあるのです。だから、これでも控えめなのです!
兎にも角にも物語性の高さ・キャラクターが前進し続ける作劇に唸ってしまう。
オグリキャップの魅力的なキャラクター造形がわかる第1話前半パート
まず主人公:オグリキャップの魅力的すぎるキャラクター造形に触れていきましょう。彼女の魅力を3つほどピックアップしていきます。
超天然。この言葉が相応しいほど、無自覚な天然ボケ発言が頻繁に登場します。発言の際の表情は至って大真面目。なのにその場の空気感からズレた発言を真剣に放つのがユニーク!
TVアニメ同様に無尽蔵の胃袋の持ち主である点も欠かせません。
笠松トレセン学園の給仕スタッフが前代未聞の悲鳴をあげるほどのブラックホールの持ち主。
天然・食いしん坊ときて最後は弛まぬ努力家な一面。
ウマ娘はアスリートコミックであると証明するかの如く、オグリキャップは誰に命じられたわけでもなく早朝からハードなトレーニングに邁進している。
ここまで取り上げた彼女の魅力は全て第1話にて確認できます。この3つの魅力が発揮されているだけでも第1話の完成度に疑う余地はありません。
しかし、これだけで済まないのがシンデレラグレイなのです!
オグリキャップの真骨頂が垣間見れる第1話後半パート
第1話はカサマツトレセン学園に入学したばかりということで、レースの体験授業が実施される。
そこでオグリはクラスメイトからの悪戯で出走直前に靴紐を解かれてしまう。
「よーい、スタート!」
ゲートオープンの合図がなり、他のウマ娘がスタートを切る中、オグリは解けた靴紐を結び直し大きく出遅れることとなる。
その場に居合わせた学園関係者・ウマ娘・読者の多くがこれは終わったと思い込む。
しかし、オグリキャップはその思いを裏切る結果を披露する。
圧倒的速さでレース場を駆け抜け誰よりも早くゴールラインに到達する。
それを見ていたのが、この『序章カサマツ編』もう1人の主人公とも言えるべき男:キタハラ・ジョーンズ・・・じゃなくて北原穣。
彼は岐阜県の片田舎にあるカサマツという小さな環境に悲観することしかできないトレーナーでした。
しかし、突如現れたオグリキャップの走りの魅入られる!
この北原の感情の上がりっぷりが読者と高いシンクロ率を叩き出しているのが本作の魅力と言って良いでしょう。北原だけでなく多くの人物がオグリキャップという台風の目に影響を受けていく。読者はそんな周辺人物と心を重ねるような体験ができるのがなんとも心地良い!
第1話はオグリキャップという傑物のチャーミングな一面・アスリートとして卓越した姿勢・才能に圧倒されるとともにオグリの周辺人物に強く共感できる優れたエピソード。憧れと共感、両方を同時に摂取できるエピソードはそうそうございません。本作が巻数を重ねてもなお色褪せることのない優れたストーリテリングが遺憾無く発揮されたエピソードであったと思います。
第2話以降も面白さの加速は止まらない
第1話の面白さは逸脱しらレベルですが、第2話以降も負けていない!というか話数を重ねるごとに新たな発見・成長・真価といった要素に出会えるのだから恐ろしい限り。
第1話ではまだ登場していなかったオグリの象徴的髪飾りが初披露されるエピソードは微笑ましくあり、ますますオグリのことが好きになってしまう。
デビュー戦となったカサマツレース場では、一度きり真剣勝負故の駆け引き・位置取りといったレースに付随する醍醐味が味わえる。
レースで1枠を取れるのは1名のみ。勝負事の面白さは“負け”にどこまで価値を設けられるかがエンタメの肝。
カサマツのレースでは早々に敗北に対する価値観を披露する展開が待ち受けています。それを見届けた私の意見としましては、
「この作品は敗北の魅せ方を分かっている」
という答えに辿り着きました。
コミカルなエピソードも随所に挟み込まれ、適度に息抜きできるのも好印象。
この時の北原の表情が良いのですよね。
そして、コミックス1巻最終エピソードではジュニアクラウンという大舞台が幕を開ける。その決着が次巻へと持ち越し。
続きが気になって仕方ない引き方もエクセレント!
まとめ&プレゼン
それでは最終章です。ここまで述べてきた感想を厳選して本作の魅力をお伝えします。
今回レビューしましたタイトルはこちら。
ウマ娘 シンデレラグレイ 1 (ヤングジャンプコミックス) [ 久住 太陽 ]
本作の魅力をひとまとめにするのならば読者を観客へと引き摺り込む物語!
本作の主人公、オグリキャップの魅力はまさに怪物級。
第1話にて披露された天然っぷり・超食いしん坊といった愛嬌のある一面もさることながらアスリートとしてずば抜けたセンスと努力を惜しまない姿勢に感服してしまう。
彼女の走る姿には読者を観客にしてしまう。そんなパワーがある。コミックスを読んでいるはずなのに、彼女のことを応援したくて堪らなくなる。オグリの走る姿をもっと見せてくれと懇願する気持ちが湧き上がってくる!オグリキャップの物語にはそれだけの力があります!
ということで今回の記事は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
もし、本記事を通じて作品に興味を抱いた方は是非ともコミックスに触れてみることをオススメします。
競馬史に残る名馬オグリキャップの魂を引き継いだ数奇なドラマに巡り会えることを約束します。
コミックス第2巻もレビューしております。興味ございましたら、気兼ねなくお越しください。
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