今回は2024年12月20日より劇場公開された映画『推しの子-The Final Act-』を鑑賞して参りましたので、その感想記事となります。
2024年11月末よりAmazonプライムより独占配信された全8話のドラマの続きを描き、原作の結末まで描く作品。
ドラマ版の出来は非常に良かったので、信頼して見に行けると思いきや原作の最終回の評判は荒れているときた。実写化としての不安はないのに、原作の方に不安材料が募っているという変な状況での映画体験。その結果は・・・
不安視していた原作の問題をうまく調理した脚本家のファインプレーにより非常に満足いく映画体験ができたと自負しております。
良かった。良かった。これで年の瀬を安心して過ごせるというもの。
ドラマでのレビューに引き続き今回の記事も褒めていけそうです。
本記事の流れとしましては
ファインプレーを披露してくれたストーリー解説
↓
感想
↓
最後にまとめとして作品魅力のプレゼン
という流れで進みます。それではお付き合いのほどよろしくお願いします。
ストーリー解説
それでは第1章:ストーリー解説を行きましょう。
かなり噛み砕いて説明すると上記のような感じ。
驚いたのが、全体の3分の1ほどはTVアニメ第1期1話に相当する星野アイ出産を巡るエピソードが描かれたこと。
配信ドラマでカットされていたので、この出産=転生のくだりは全カットなのかと勘違いしてしまいました。
映画でまさか大々的にスポットを当てるとは予想外。
しかし、その転生前の過去エピソードがアクアとルビーの最終章と強いシナジーを起こしていたので、ナイスアレンジであったと絶賛する他ない。
この改変により星野アイ(演;齋藤飛鳥)の出番も必然的に増えるので作品を象徴するキャラクターの出演TIMEを増やすという意味でもナイス采配です。
感想(⚠️ネタバレ注意)
それでは第1章の時点で感想めいた意見を述べてしまっていますが、ここから本格的に感想意見をコメントしていこうかと思います。
作品評価【SS+】
ドラマ版の評価は【SS-】。対して映画版の評価は【SS+】。2階級特進です!
高評価かつ評価アップとなった理由について解説します。
ドラマ版のキャラクター再現度に驚かされたので、映画ではそういった驚きを経験できないと踏んでいたのですが、まさかファーストエピソードとファイナルエピソードをMIXする構成をお出しされるという想定外の不意打ちを喰らったのが大きな理由。
加えて始まりと終わりの物語を1本の映画にまとめることで生まれる相互作用=シナジーの素晴らしさ。
以上2つの理由からドラマ版よりも更に上の評価とさせていただきました。
パンフレットが凄い‼️
映画の出来栄えが良かったのでパンフレットを購入しました。そのお値段1800円と一般的な相場よりも2倍近く高い。しかし、その中身を拝見して納得。むしろ安く思えた。
パンフレットの中身は冊子一つと28枚のカード。上記画像はそのカードを1部抜粋となっております。今回のパンフレットはドラマ版と映画版、両方のパンフレットとしての意味合いが強い。故にドラマでの配信エピソードについての解説もカード裏面に載っています。
流石に裏面まで披露するのはマナー違反だろうという思い画像アップは控えさせていただきます。
パンフレットの活用方法として一般的な読み物・資料として活用できますが、推しの子のパンフレットは一味違う。カードを自由に表面に差し替えることができるのです。
好きなキャラでも良し!好きなエピソードでも良し!!
購入者の自由に推しを表紙にできる!
お気に入りシーンTOP3
今回の映画で特に心に残ったシーンTOP3は上記ラインナップ。下位から順に解説していきます。
【推察】アクアにとっての真のラスボスは雨宮吾郎の想いだった
カミキとの対面を終えアクアの目的がひと段落ついたと思われた場面の後、五反田監督と会話をするシーン。ここでのアクアの穏やかな表情が妙に心に残る。
これは私の解釈なのですが、アクアにとってカミキは真のラスボスではなかったのではないかと推察しています。アクアにとって本来のラスボスは雨宮吾郎の怨念めいたそれだった。
アクアは雨宮吾郎の星野アイへの想いを引き継いで行動していた。しかし、カミキとの対面を終えたアクアの胸中にはアイではなく雨宮吾郎のさりなちゃんへの想いの方が勝る形で残っていたのではないかと思う。あの穏やかな表情の奥深くには過去ではなく未来への希望めいた意思が見え隠れしていたように思います。
だから、カミキとの最終局面でルビーへの想いを優先した判断・行動ができたのではないかな〜と。
アクアとルビーの仲直り
第2位はアクアとルビーが互いの転生前の素顔を判明させるあの場面。
ドラマ第8話の締めくくりで仲違いをしてしまった2人の関係が無事元に戻るシーンということで胸を打つものがあります。
一体いつからアクアはルビーの正体に気づいていたんだなど、気になることはあるのですがそんなことは些事だ。良いシーンなのだから素直に堪能するに限る。
また、このシーンは非常に転生前と転生後の役者陣の芝居のシンクロ率が高かったのも特筆すべきこと。櫻井海音さんと齋藤なぎささん、素晴らしい芝居をありがとう。
齋藤飛鳥を再現する斎藤なぎさ
第1位はルビー=斎藤なぎささんの芝居。
芝居経験がないことをあかねに指摘されるも星野アイを間近で観察してきた推しへの愛が芝居に昇華する瞬間は衝撃的でした。
何より齋藤飛鳥さんの星野アイ演技を投影したかの如くアウトプットする斎藤なぎささんの力量に恐れ入る。これを見れただけでも映画をみた価値があると断言できるレベルで素晴らしかった。
映画前半パートの大半の尺を割いて星野アイ=斎藤飛鳥の凄みを体感。前半の感想は齋藤飛鳥さんがいるタイミングで推しの子実写化できて良かった・・・という心境でした。
後半戦でその評価を出汁に使うかの如く斎藤なぎささんの齋藤飛鳥さんをトレースした完璧な再現芝居が披露される。
これはもう、素直に感嘆するしかない。
その他雑感〜アクアとかなの仲直りイベントは欲しかった〜
大きな感想を述べたので細かいところを3つほどピックアップ。
アクアと有馬かなの仲直りイベントは欲しかったと思ってしまう。原作ではあるのかないのかよくわかりませんが、ドラマ版だと雨に打たれるアクアに傘を差し出すかなを拒絶するような形でアクアが対処してしまうというビターなシーンが一番大きな最後の絡みだった。
映画で特にドラマチックな描写もなく撮影現場や最後の登壇式で同じ場所にいる2人にモヤモヤするところがあったというのが正直なところ。尺に限りがあるので仕方なしなのかな・・・
【推しの子】有馬かな バズらせファッションVer. 1/6スケールフィギュア
斎藤夫妻の再会シーンは短いながらミヤコさんの良い女っぷりが発揮されていて良かったですね。ビンタ一発で普通は許してくれませんよ。
最後に姫川さん。映画での出番は皆無。それで物語が成立してしまっているので特に不満を漏らすところではないのですが、原作でもアニメでも印象深くアクアと異母兄弟関係にあるのだから最後くらいは出番が欲しかった。
TVアニメ【推しの子】 有馬かな Date Style Ver.
まとめ&プレゼン
それでは最終章に突入です。ここまで感想で述べてきたことを厳選して作品の魅力を端的に表現していこうかと思います。
今回レビューしたタイトルはこちら。映画『推しの子-The Final Act-』。
作品の魅力を一つにまで削ぎ落とした時、最後に残すのはこれ(上記)となります。
ドラマ版でカットされていた全ての始まりの物語。銀幕にてその姿が現れます。
アクアの目的を果たすために、物語が紡いできた🧩ピースが全て集い描かれる最終章。
過去と現在。二つの物語が1本の映画に纏まることで恐ろしいほどのシナジーを生み出し作品の面白さを進化させるエネルギーとなっております。
そのエネルギーを活用したことで生まれる役者人の表現力は脱帽ものです。
ここまで下馬票を覆し見事完結まで辿り着いた実写作品は極めて稀有。
特に齋藤飛鳥さんの究極で完璧な星野アイをトレースしたルビーの芝居は凄まじかった!
その芝居をアウトプットした斎藤なぎささんに拍手です。
それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。
コメント