おはようございます😊ブログ管理人のあーさんです。
今回は映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』を鑑賞して参りましたので、その感想記事となります。
率直な感想を述べます。
面白かったけど、敵ボスに魅力が不足したことが仇となった惜しさを感じる
味方勢力はテレビシリーズの積み重ねが発揮されていてGOOD!
舞台設定はTVシリーズのクリスマス回から分岐するディストピアルートを辿った終末的世界観でGOOD!
しかし、敵勢力が後一つ足りなかったように感じてならない。既存キャラの姿形を模倣した「冥国のデスマスク」3人衆はいい味出していたのですけど、グリオンとグリオンの裏に控える真のラスボスにパンチが欠けていたと感じました。
いや〜惜しい。本当に惜しい!敵陣営に主役を喰うくらい魅力的なキャラがいたらこの作品は仮面ライダー夏映画の2大最高傑作『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』と『仮面ライダーW Forever AtoZ運命のガイアメモリ』に比肩する作品になったポテンシャルを持っていたのにと思ってしまう。
前置きはこれくらいにして良かった点、悪かった点を詳しく深掘りしていくとしましょう。なお、ネタバレありで書き進めていきますのでご承知のほどよろしくお願いします。
良かったポイント
サクッと箇条書きでリストアップしていきましょう。
- 今作の主役:未来の一ノ瀬宝太郎の再起
- ベタだけどこれ以上の選択肢はないという王道の展開はやはり燃える!
- 現在と真逆の味方陣営となっている宝太郎の同志
- 未来の宝太郎の側にいるのがアトロポスとクロトーという構図が現在と対比していて面白い
- 満を持してカグヤ様の危機に駆けつける**通しすがりの男**
- 仮面ライダーファン全ての夢が叶ったシーン!
- ラスボスよりも魅力満載の悪役**冥国のデスマスク**
- ノリノリで悪役ムーブをかますミナト先生改めアルザードの姿は必見。役者ってすげぇ・・・
- まさかの素面解禁!仮面ライダーガヴの鮮烈なる登場
- 演出補佐は杉原監督&藤田アクション監督!ゼロワンのメイン監督とギーツのアクション監督
- 人とケミーが力を合わせるクライマックス
- これも王道展開。圧倒的巨大な敵の前に人とケミーが心は通わせ、願いが2人の宝太郎に届き新フォームを授ける展開が嫌いな男児はいないのです!
- シャイニングデイブレイクの夜明けを彷彿とさせるスーツ造形が良い・・・
- 仮面ライダーでは珍しいラブロマンス描写→ミナト先生と鏡花の手と手が・・・
- 手を握る描写があったんです!恋人繋ぎじゃなかったけどこれは両想い確定でしょ!
今作の主役:未来の一ノ瀬宝太郎の再起
やっぱり今作の主役たる未来の一ノ瀬宝太郎が現在の宝太郎とりんねと交友し、失ってしまったガッチャを取り戻す展開は良かった。
結構雑というか勢い任せな部分もあるのですが、現在の宝太郎が持っている仲間を全て失ってしまい、りんねの今際の際に残した言葉が呪いから祈りに転じる展開はベタとも言えるがこれ以外選択肢ないよねと思わせるTVシリーズの積み重ねが活きていたように感じます。宝太郎は誰よりも友達想いで仲間想いの真っ直ぐな男。20年という歳月で失いかけていた宝太郎自身のアイデンティティーをりんねの言葉で、宝太郎の叱咤激励で取り戻す姿は熱い!
満を持してカグヤ様の危機に駆けつける**通しすがりの男**
これが見たかったと言っても過言ではない通りすがりの男が現るシーン。門谷士ですよ。門谷士!
あのオーロラカーテンが変身カードを失い危機に瀕したカグヤ様の前に現れピンチを救う。そこに立っていたのは私たちライダーファンを心から楽しませくれる物語を送り続けたレジェンド門谷司!
まさに夢の対面。仮面ライダーレジェンドのビジュアル発表時からディケイドとの関係性の考察が行われ、別人と判明した後も待ち焦がれていた伝説の原点と伝説を超えるようとするもの夢の共演がこの銀幕で実現してしまった。
短いながらもカグヤ様と司の会話が行われ夢に見たシーンが現実となる瞬間!
東映のスタッフ様一同に感謝!
仮面ライダーガヴの鮮烈なる登場
夏映画恒例の時期主役ライダーの先行登場。今回は仮面ライダーヴァルバラドの窮地に駆けつけて姿を現すのですが、例年と異なり変身前の役者本人が登場する。これには夏映画を毎回嗜んでいた人ほど驚いたことでしょう。私もその1人です。
例年だと役者の姿はもちろん、声すらエンディングクレジットで???と名を伏せて情報解禁まで焦らす手法を採用しているのに今回は役者の素顔も名前も公表してきたのです。
素直にビックリ。
そして変身ベルトを現すのも今までと一味違う。上着の腹部ジッパーを開くと腹に素巻となった変身ベルトが姿を見せる。おいおいそんなやり方今まで見たことないぞ!
変身した姿も既に発表済みのあの紫のグミをモチーフにした奇抜な姿。見慣れてくるとカッコよく思えるから不思議。戦闘では腕部分に追加武装を出現させる所謂フォーゼのモジュールスタイルを彷彿とさせる代物でした。演出補佐として仮面ライダーゼロワンなどでメイン監督を担当した杉原監督の名と仮面ライダーギーツでアクション監督として名を上げた藤田慧さんのクレジットがあったのでTV本編でも見たことない斬新なアクションが期待できます。
人とケミーが力を合わせるクライマックス
これまた王道中の王道展開。巨大な敵ボス冥国王を倒すためにケミーが人々の元にカードとなって行き渡り、ケミーカードを手にした者たちの祈りが願いが力となって2人のガッチャードの元へ届き新フォームを授ける。
これはウルトラマンティガのグリッター的な展開ですね。特撮ファンは大好物です。
そして、宝太郎が目指す人とケミーの明るい未来が形になった瞬間とも言えます。
ミラクルガッチャードはその名の通り、人とケミーが心合わせて起こした奇跡を名に冠している。
シャイニングデイブレイクは暁の錬金術師を名乗る未来の宝太郎の字(あざな)を体現したかのような夜明けをイメージさせる胸部プロテクターに紫と青の差し色を採用し夜明け空に浮かぶ太陽のようなカラーリングのオレンジを基調としている。実に心憎い粋なデザインです。
敵が巨大だった故に目立った近接格闘戦を両フォームとも披露する機会に恵まれなかったのが惜しいですが、画的に派手なイグナイターユニット由縁のチェーンを用いた加速溜め演出をこれでもか豪快にかましてきたのが良かったです。
欲張るとガチンコ近接格闘戦見たかったな〜と思ってしまうので、スピンオフ頼みます東映さん!
悪かったポイント
こちらも良かったポイント同様にサクッと箇条書きでリストアップしていきましょう。
- グリオンの役不足が否めない
- 仮面ライダードラドとのバトルが1回戦のみで完結
- 真のラスボス冥国王との巨大戦
- もっと未来の惨状を見せて欲しかった
こんなところでしょうか。
中ボス&ラスボスの役不足感が否めない
グリオンと冥国王。それぞれ今作の中ボスとラスボスとして立ち塞がります。しかし、冥国のデスマスクと比較すると印象が薄いというかどちらもTVシリーズの延長線上にいるキャラクターで目新しさに欠けてしまった。
そもそもグリオンはTVシリーズで既に倒しているので、今回別のライダー=仮面ライダードラドになって登場しても実力的な変化は見られないのですよね。悪のライダーというと仮面ライダー王蛇や仮面ライダーエターナルが筆頭ですが、彼らレジェンド級のキャラと比べてもドラドは戦闘能力的にも作中に与えた被害的にもインパクトに欠ける。
ドラドはグリオンが欲した新たなる力というイメージしか出来ず劇中で披露する変身も1回のみ。しかもその変身シーンは別の演者を前方においてカメラを横にパンして前方の演者を横切ると後方のグリオンの姿を隠してカメラが再びグリオンを捉えると変身完了しているという手抜き変身描写なんですよ。仮面ライダーといえば変身シーンは最重要コンテンツの一つ。それを1回しか披露しない上に変身シーンもコスト低めな手法を採用している。
ドラドの戦闘描写も強さはある程度理解できます。しかしメンタル的に追い込まれデバフ状態のデイブレイクを圧倒しても、デバフ解除とガッチャードとマジェードの救援が加わったバトルで倒される顛末を迎える。いや、もうちょっとインパクトに残る活躍をしてよ。歴代の映画敵ライダーはもっとインパクト残して散っていたよ。
ドラドを倒した後に出現する本当の黒幕**冥国王**。巨大な姿をしており、全長は仮面ライダーたちの数倍以上ある。つまり、等身大バトルはできないということ。私は等身大のライダー同士が徒手空拳や武器を交えて戦う描写が好物で等身大VS巨大な敵という構図は戦闘描写のレパートリー不足を感じることが多々あって嫌いです。案の定、今回のバトルも特に目新しい攻防が繰り広げられることなく、巨大な冥国王が繰り出す遠距離攻撃をガッチャードらライダーがギガントライナーで突破にかかるというシンプルなバトルが展開される。もちろん、ギガントライナーで冥国王に突っ込むのに苦戦を強いられ、その苦戦を突破するカタルシスは用意されているのだけれどもバトルが薄味でシンプルすぎることに変わりはなく物語を締めくくるラストバトルだけど物足りなさを感じてしまいました。
やっぱ敵は主人公と比肩するくらい魅力がないと倒してもイマイチ興奮できないんですよね。
もっと未来の惨状を見せて欲しかった
これはプロモーション側のミスとも言えるのですが、予告編で辛い惨状を既に公開してしまったのは失敗だったように感じました。あの墓標が連なるシーンは予告編で非常に印象に残っていましたが、本編でそれを超える惨状シーンが無かったことは残念です。
これなら予告では墓標のシーンが隠しておいて映画を見に行ったら想像を絶する墓標のシーンをお出しする方がギャップ効果としてテンションを高めることができたように思います。
デイブレイク宝太郎がガッチャを見失うほどの20年間。墓標シーンで事足りると判断したのか、児童向け作品で表現できる限界があったのか憶測の域を出ませんが予告で墓標を写した以上、本編でそれを超える何かを用意する心構えが制作サイドには必要だったのではないかと思います。
同時上映のブンブンジャーも良かったよー
同時上映となったブンブンジャーの映画も良かったです。
別記事で詳しくレビューしていますので、詳細についてはそちらでご観覧いただければと。
終わりに
今回は映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』をレビューしました。
とても良い素材が揃っていただけに惜しい!敵の親玉に魅力が不足していことが憎い!
TVシリーズで成長を遂げた現在の宝太郎が20年間苦しみ続けている未来の自分を励ますという物語そのものは実に良かったです。宝太郎のケミーの声に耳を傾けるというキャラクター性があったからこそ可能となった未来の救済。結局ラスボスが逃走するという意外な幕引きですが、それを追跡するために再び過去に飛ぶデイブレイクが憑き物が落ちたかのように爽やかで現在の宝太郎と同じガッチャを抱いているように思えて良いゴールを迎えた映画でした。
これはスピンオフ期待していいですよね。ヴァルバラドやマジェードよりもガッチャードデイブレイクのスピンオフ=Vシネクストが見たい!頼みます東映さん!
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