ラストラン:スプリンターズSを控室で待つサクラバクシンオー。彼女の瞳映るのはモニターに映されたサクラローレルが出走するレース:冬至S。後輩から先輩への手向けとなる“道標”を示すレースが幕を開ける。スターブロッサム第53話「まくり戦法」の感想プレゼン。

おはようございます。『ウマ娘シンデレラグレイ』🎞️映画化を夢見るフリープレゼンターの🦉あーさんと申します。スターブロッサムもメディア化して欲しいと切に願っていますとも‼️
『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』第53話「まくり戦法」を読みました。ヤンジャンアプリのメンバーシッププログラムに加入したので、先行読書権を得ることに成功。無料公開よりも、ちょいとお早くご相伴に預かれたということです。
早速、ネタバレ無しでの感想を記すとしましょう。

「3勝クラスのレースなのに……——なんでこんなに心に響くんだ⁉️」———という感想になりました。直近で描かれたマイル王決定戦=マイルCSはGⅠを筆頭にここ最近のスタブロでは重賞級のレースプログラムが描かれ続けて来ました。
今回は久々にNOT重賞レース。条件戦となるレースプログラム=冬至Sが描かれたわけなのですがその面白さはGⅠ級と甲乙つけ難いレベル。
なぜ、こんなに面白いんだ⁉️———そんな問いを立てたくなった次第。
理由は色々考えられます。キャラクターへの思い入れや同時期に観賞しているTVドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』の影響などなど。頭の中だけでこねくり回してもグルグル同じところを回るだけなので執筆しながら答えを導き出していきたいと思います。
というわけで感想なのか思考の整理なのかよく分かりませんが本編へと突入しましょう。

本編は大きく分けて2部構成。
- 第1部:レポートパート
- 第2部:エミュレートプレゼンパート
第1部では53話がどのような内容だったのか登場キャラとシナリオの流れについて。第2部は当ブログ恒例の🪞エミュレートプレゼンversion“杉下右京”でテキストを味付けしていきます。『相棒』の主人公:右京を模倣したテキストで文章を彩っていきますよ。是非、水谷豊さんの声を思い浮かべながら、お楽しみください。
第1部:エピソードレポート

登場キャラクター
- サクラローレル
- 明石椿
- サクラバクシンオー
- サクラチトセオー
- サクラチヨノオー
- ヨシノプリヴェール
- 明石梧郎
ストーリーライン
大雑把ながらストーリーの流れをここに記します。本編の魅力たる“旨味”の部分は可能な限りカットしますので、その真髄はご自身の瞳と心でご堪能あれ。
🔻冬至S出走
スプリングSの前走となる第9レース:冬至Sに出走するサクラローレル。サクラバクシンオーのラストランの前に走れる意気込みを脚の乗せる。
サクラチトセオーの教え
冬至Sの最中、サクラチトセオーより授かった教えを反芻するローレル。
—-“まくり戦法”
サクラバクシンオーへの想いを込めた走りが炸裂する。
🔻最後のバクシンへ
冬至S後、地下バ道を歩き帰路を進むローレルはスプリングSへと向かうバクシンオーと対面。
二人は静かな歩みを重ね距離を詰め・・・
エミュレートプレゼンSTART
1994年12月18日、中山競馬場にて刻まれたサクラローレル号の4勝目となる冬至S。今回のエピソードはこちらをモデルにしているのですが、特筆すべきは当日のレースプログラムの順序を大きな武器としている点。
第9レース:冬至S
第10レース:スプリンターズS
サクラバクシンオーの出走直前にサクラローレルが出陣する。この構図を最大限に活かした作劇が目を惹きました。
バクシンオーへ道標を示したサクラローレル

スターブロッサムはチームの物語という側面が非常に強く、ウマ娘とトレーナーというバディ関係だけでなく同じチーム所属するウマ娘同士の連帯感が作品独自の強みとして作用しています。
今回のエピソードもまさにその連帯感が炸裂した内容でした。
スポーツの世界には所謂“流れ”というものがあります。アスリートたちの実力だけが勝敗を左右するのではなく、場の空気感も勝敗を決定づける重要な要素。
サクラローレルは後続に控えるサクラバクシンオーのためにその“流れ”を自ら作らんとする姿勢・意気込みを持って冬至Sへと臨んだ。
🔻サクラチトセオーの教え=薪尽火伝の実行
その意気込みだけでも胸打つものでありましたが、勝利を掴むために実行したプランがサクラチトセオーより伝授された“まくり戦法”であった点がより心に響きます。
———薪尽火伝
直訳しますと燃え尽きたかのように見える薪にもまだ熱が残っており、周囲に薪に熱を伝播することができるという意味合い。意訳しますと師から弟子へ……たとえ先人が退こうともその技術・意志は継承者へと引き継がれていく———という意味合いになりますでしょうか。
今、まさに現役を退こうとしているサクラバクシンオーの競争精神をヴィクトリー倶楽部の雄として引き継がんとしているサクラチトセオーとサクラローレル。
誰よりも前を前進してしたサクラバクシンオーの競争精神を受け継ぐべく彼女らは“まくり戦法”という走法を選び実行しました。
今回の勝利はチームアルケス並びにヴィクトリー倶楽部の総力で勝ち取った———そのように思えてなりません。
台詞もモノローグもない地下バ道に響く継承の音

レース内容もさることながらレース後の余韻も計り知れない味わいであった点も今回のエピソードのクオリティを高めた要因でしょう。
条件クラスからオープンクラスへの昇格が確定し、涙をこぼず椿トレーナー。1位入着後にアプリゲームで馴染み深いポーズ(=観覧席に向かって手を振る)のセルフオマージュを披露するサクラローレル。地下バ道にて帰路を歩むサクラローレルと椿トレーナーの眼前に現れるサクラバクシンオーと梧郎トレーナー。
それぞれが目的地に向かって歩を進め、交わる刹那!サクラローレルとサクラバクシンオーが片手を天に伸ばし、ハイタッチを交わす。
パンッ
上述した一連の流れの内、地下バ道に突入してからハイタッチまでの5.5ページの間、セリフ・モノローグは0。最後のハイタッチ音のみが木霊します。
何も語られていないはずなのに彼女らの表情とハイタッチの音が全てを物語っている。情感溢れる演出が心憎いものです。
『ザ・ロイヤルファミリー』の影響
薪尽火伝で成し遂げた勝利とクラス昇格。画作りだけでチームの絆を表現した地下バ道での演出。これらだけでも大変心に響いたと言えるのですが、やはり同時期に視聴しているTVドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』んも影響は計り知れません。
同タイトルでは非常高い熱量を持ってメイクデビューや未勝利戦といった条件クラスでの一戦が描かれています。
重賞でなくともそこにはドラマがある。
そのことを知ってしまった以上、物事に見え方がこれまで通りともいくわけもなく条件戦であろうともこのレースに秘められている特別な思いを汲み取ってしまった自分がいました。
レースの格は無関係。この感性、受信アンテナを建設できたことが本エピソードを最高の形でインプットできた最大の要因だったのかもしれませんねぇ。
結びに

如何だったでしょうか?
今回は『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』第53話「まくり戦法」について感想プレゼンを実施しました。
———冬至S
レースの格だけでみれば3勝クラスのNOT重賞レース。勝利できたこと自体が喜ばしいとはいえ…そこまで興奮する必要に駆られることはなかったであろう……昔の自分であれば。
ですが、著者らが記したエモーショナルな作劇、『ザ・ロイヤルファミリー』にて培った知見が大いに作用しシリーズでも屈指の熱量を誇った名エピソードとして咀嚼できたのではないか……———という結論で締めくくりたいと思います。
それでは本プレゼンは以上。実に素晴らしいエピソードとの出会い。誠に感謝します。ご愛読いただきありがとうございました。またの機会にお会いしましょう。

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