今こそ再評価したいウマ娘season3の功績

ウマ娘

個ではなく『ウマ娘』シリーズの一群としてTVアニメ『ウマ娘プリティーダービーseason3』を再評価しよう。劇場版やシングレ最終章、スタブロで常用できるようになった引退というワイルドカード。全てはseason3が切り開いた道の賜物である。

おはようございます。『ウマ娘シンデレラグレイ』🎞️映画化を夢見るフリープレゼンターの🦉あーさんと申します。スターブロッサムもメディア化して欲しいと切に願っていますとも‼️


 

本記事の主役はTVアニメ『ウマ娘プリティーダービーseason3』。🛜ネットで検索しようと打ち込むと―――失敗・ひどい――という言葉が予測変換で提案されます。

う~~~~~ん……。なんで⁉️

というのが筆者の正直な感想ですねぇ。確かに酷評する側の気持ちも分からないでもない。いわゆる解釈違いが製作サイドと視聴者の間で発生してしまったのだから。

だけれども批判する必要性はないと思うのですよ。十分見応えあるクオリティは誇っていたと思いますよ!

何より!season3が試みた“挑戦”は後続作となる姉妹タイトルに大きく貢献しているのですから‼️

というわけで、本記事ではseason3を“個”ではなくウマ娘シリーズの“一群”というポジショニングで再評価していきたいと思います。本文テキストはエミュレートプレゼンversion杉下右京で彩っていきます。声のないテキストメディア。自由に声を想像できるのが強み。是非とも名優:水谷豊さんのお声をイメージしてお楽しみください。

 

「どう受け入れたものか……」――season3の最終局面をリアルタイムで視聴した際の僕の心境を端的に記すとこのようになります。

2023年10月4日より放送開始されたTVアニメ『ウマ娘プリティーダービーseason3』。10年に1度巡り会えるかどうかという傑作であったトウカイテイオーの物語を描いたseason2の後続作として世に輩出されたTVアニメ第3作。多くの方がseason2と同じ興奮を味わえると高い期待値を寄せていたことかと思います。

僕もその一人でした。

物語は中盤までは概ね期待に沿う流れでありましたが、第10話「お祭り」にて描かれた宝塚記念にてキタサンブラックにピークアウトの兆候が現れるという予期せぬ展開。ここが運命の分かれ道でした。あれよあれよと引退を決意にまで至る話運びに当初抱いていた期待とは異なる感情が渦巻いてしまう。

単刀直入に言えば――期待外れ。アスリートとしての限界に直面するキタサンブラックの心に、『ウマ娘プリティーダービーseason3』に寄り添えない自分がいました。

あれから時が流れて早2年。season3後にリリースされた後続タイトルとの出会いを経て……――ようやく作品に寄り添えると胸を張って言えそうです。
 

大前提として把握しておかなければならないのが、season3の中核に据えられていたであろうテーマについて。season1・2とは全く異なる命題を抱えていたタイトルであるということを僕達視聴者は受け止めなくてはなりません。

そのテーマとは―――引退

アスリートとは往々にして短命。肉体寿命はともかく選手としての寿命はごく限られたシーズンにのみ約束されるものです。彼女らウマ娘のモデルとなって競走馬はより顕著でして、デビューから1~3年で現役を退くことも珍しくない。

 

season3は引退というアスリートの背後の常に忍び寄る“宿命”と真正面から初めて向き合った『ウマ娘』シリーズであることを僕達は履き違えてはいけません。
 

🔻season1・2に共通するアスリートの復活劇

ここで軽くですが過去2作を振り返っておきましょう。

season1はスペシャルウィークをフロント主人公に据えた彼女の日本一という夢へ到達するまでを描いた登頂譚でした。また、そこにブレンドされた準主人公と言えるサイレンススズカの復活劇でもありましたねぇ。

そして、同じタイムラインを歩むseason2では主人公にトウカイテイオーをキャスティングし、物語の方向性としてはサイレンススズカと同じく復活劇を採用。よりエモーショナルに彩るアプローチを1クールじっくり丁寧に描き、大好評を博した。

season1・2に共通する復活というテーマ。これに心奪われた方は多いことでしょう。当然制作側も何が受けていたのかは心得ていたはずです。それでもseason3では異なる道のりを選択した。

それは何故か?

 

僕の推測をお伝えします。

 

それはウマ娘というコンテンツ・IPを不朽のものとするために判断されたのではないかというのが、僕の推測。

成功例に甘んじていては遅かれ早かれ限界が来ます。
 

🔻「成功の七光り」は美しくも脆い

成功の七光りは美しくも脆いものです。どこかで新たな進路を開拓しなくては袋小路にぶつかり、シリーズの未来は途絶える。

ウマ娘を有するCygamesは看板IPを短期コンテンツとなる可能性を阻止するための挑戦をseason3で敢行した。そのために据えたテーマが引退!
 

🔻ピークアウト問題を描くことは“投資”という観点では価値のある選択

その引退の描き方としてキタサンブラックにピークアウトが訪れたという初手からリスキーな描写を採用されました。ゴールドシップの引退劇も描かれたので、ある程度受け手側の準備ができる土壌が整っていたとはいえ、非常にハイリスクな選択です。

しかし!

これはあえて最も困難な道を選択したのだと思うのですよ。

最初に最も困難なハードルを自ら設け乗り越えることで、後続作の裾野は大きく広がります。リスクの裏にはリターンがある。ギャンブルというよりも投資的思考ですねぇ。

短期的には失敗に見えても長期的に見れば正しい選択であったと言える未来が訪れるのもまた投資の本質。極論、自分が行なった選択を正解にして仕舞えば良い――という覚悟もあったのかもしれません。
 

season3が選択した結果は放送当初、多くの視聴者に拒否反応を示されたわけですが決して無駄ではなかったことが証明されています。

2024年以降、紡がれた物語たち―――姉妹タイトルが確かにseason3の“因子”を受け継いでいますからねぇ。
 

🔻劇場版ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉

2024年5月に公開された『劇場版ウマ娘プリティーダービー新時代の扉』。こちらのタイトルではアグネスタキオンの無期限の活動休止=事実上の引退宣言が大きく物語を牽引する要素として配置されました。

こちらはフィジカルの限界を悟った彼女の自己判断というアプローチが採用されていましたねぇ。

 

🔻ウマ娘シンデレラグレイ最終章

2025年7月より最終章へと突入したコミックス『ウマ娘シンデレラグレイ』。最もseason3の因子を色濃く受け継いでいるタイトルは同タイトルであると僕は考えます。週刊連載誌で紡がれる大河ドラマ的作劇が可能とする尺というアドバンテージを用いてじっくり丁寧に、そしてキャラクターの心を抉るようにピークアウトという残酷な現実を突きつける。

season3では唐突すぎたという反省が如実に活かされています。
 

🔻ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム

シンデレラグレイと同じくコミックスを舞台としている『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』。こちらでも複数のウマ娘の引退模様が描かれているのをご存知でしょうか?

この記事の筆を取っている2025年11月現在、3名のウマ娘が引退と向き合うことが確認されています。ビワハヤヒデ・ノースフライト・サクラバクシンオー。以上の3名が故障や別の理由で現役に区切りをつける覚悟を決めた。

一つの作品でここまで大勢の引退を描くというのは初の事態です。引退というある種のワイルドカードを多用できる土壌が整っているのはこれまでの積み重ねがあってのものだと思いませんか?

 

如何だったでしょうか?今回はTVアニメ『ウマ娘プリティーダービーseason3』を個ではなく群として再評価するというアプローチを試みました。

放送当時、僕も戸惑いを覚えたのはよく覚えてます。期待していたそれとは違うものをお出しされたような感覚に苛まれた。批判するという思考こそ出てきませんでしたが、困惑に支配されていたのは事実です。

 

あれから2年の歳月が流れました。ウマ娘シリーズの一群として捉え直すことができるようになり、ようやく心のモヤを晴らすことができたと思います。

season3製作陣営の選択があったからこそ、後に続く姉妹タイトルの道を切り拓いた。

引退と向き合うことで、IP寿命を飛躍させようとするのは何とも面白い試みであると思います。初手からピークアウトに触れるというのはかなり強気な攻めと言えますがね。

成功の七光りに甘えることなく、自らハードな道のりを選択するCygames。彼らが手綱を握っている以上、ウマ娘というIPは永遠に続く―――僕はそう信じます。
 

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