名優たちによる芝居合戦ここに集結。女同士による言葉に刃を仕込んだかのような高度な会話劇。男同士によるどこか幼稚な論争。1話でこの2つを味わえる贅沢に感謝。第5話「日本ダービー」の感想プレゼン。

おはようございます。「フィルム&プレゼンテーション」へようこそ。フリープレゼンターの🦉あーさんと申します。
日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第5話「日本ダービー」を視聴しました。
なんか凄いエピソード見ちゃったな…―――というのが率直な感想となります。黒木瞳さんの放つオーラと言いますか芝居に圧倒されてしまったのは私だけではないはず。その他のキャストの皆さんも芝居と芝居のぶつかり合いをなさっており、非常に刺激の多い現場であったと伺います。
同時にエピソードに詰め合わされた要素の相乗効果も計り知れなかった。一つのお話に
- 女性の強さ・怖さ・底知れなさ
- 男の女々しさ
- 子供の成長速度
これらを一つにパッケージするような作劇なのですから、よくこんな構成できたなぁ……―――と唸る他なし!

本編ではリストアップした3つについて深掘りプレゼンするとしましょう。そして、可能な限り情熱的に熱量を持ってプレゼンしたいと心得ますので、🪞エミュレートプレゼンversion半沢直樹でお届けします。日曜劇場と縁もございますしねぇ。音声のないテキストメディア。声を自由に想像できます。是非とも名優:堺雅人さんのお声をイメージしてお楽しみください。
エミュレートプレゼンSTART
『ザ・ロイヤルファミリー』は競馬を通じて人間を描く物語である。第5話まで鑑賞して強くそう実感する次第です。
とりわけ今回は人間が持つ性別・立場に強くフォーカスした内容のオンパレードであった。
―――男・女・大人・子供。
たった1話にこれらの対比を凝縮されたのだから視聴するこちらとしては堪ったものではない!
女性陣の力強さ

第5話は総じて女性陣のメンタル的強さ…――あるいは恐ろしさにひれ伏しそうになったことをここに白状します。
🔻黒木瞳さんの芝居に圧倒されるイントロダクション
夫が別の女性と関係を持ち、隠し子まで存在していたという事実に最も心穏やかでいられなかったのは間違いなく山王夫人。
彼女を演じる黒木瞳さんの繰り出す芝居の見えざるプレッシャーは序盤から全開。指先一つ、爪を立てて写真をなぞるという行為だけで心中がマグマのように湧き立っているのが理解できる。
激情に駆られるのではなくまるで怒りに圧力をかけ凝縮しているかのような佇まい―――ただただ圧倒されてしまう。
🔻言葉に見えざる刃物が付随する女同士の静かな腹の探り合い
そんな山王京子が中条美紀子に接触したシークエンス。何が起こるかわからない緊迫感・互いに初対面で自己紹介もしていないのに会話の“核”については共有済みという異様な光景。
言葉に刃物がついているかのような会話劇はさながら剣戟といって差し支えない。しかもその刃には毒を仕込ませているようにも感じた。だが、互いに決して直接相手に刃を立てようとせず、あくまでチラつかせるのみ…
女同士であることはもちろんだが、それぞれの精神が成熟しているからこそ成立し得ない高度な戦に息が詰まる。このような高次元の戦いを私は初めて目の当たりにした。
🔻隠し子をネタに男性陣を弄ぶ山王百合子
成熟した女性だけでなく若年層も流石の肝っ玉といったところだ。山王百合子は男性陣4名全員に「隠し子いるんじゃない⁉︎」―――とブラックジョークを撃ち込む。
実の親の不祥事をネタとして振るうのは親族の特権ではあるが、これを男どもに一切の躊躇なく自然に繰り出すのから恐ろしい。
男性陣の女々しさ

上述した女性陣の強さが際立ったのは相反する男性陣の女々しさがあったからに他ならないと私が考える。一つのエピソードにこれらを抱き合わせるとは……感服するしかない。
🔻《どこか子供染みている対決》山王耕造vs椎名善弘
女性同士の緊迫感あるマッチアップとは対照的であった山王耕造vs椎名善弘。歯に衣着せぬ正面衝突。プライドの高さが窺える両名によるどこか幼稚な対戦模様は妙な安心感まで与えてくる。
明らかにこちらの方が火花を散らしているのにも関わらず戦闘のレベルは女性陣の足元にも及ばない。
性別の違いだけで論じられるものではないが……作り手からの男と女の違いを汲み取ってくれと言わんばかりに好対照な対戦カードであった。
🔻告白に踏み切れない栗栖
もう一名。男の女々しさを象徴させた人物がいる。主人公:栗栖栄治だ。
彼はロイヤルホープが日本ダービーに勝利したら……ウンタラカンタラと歯切れの悪い発言を野崎加奈子に告げようとしていた。意図を汲み取った彼女に遮られた所為もあるのだが、とっとと言って仕舞えば良いとついついコチラもイライラしてしまう。
同時に、その焦ったさに共感を覚える部分もなくはない。男とはいつまで経っても、こんなものでもあると反論できない自分に悔しささえ覚える。
子供たちの逞しさ

今回出演した大人の男性陣はどこか不甲斐なさを感じさせる塩梅に整えられていたのに対し、男の意地を見せてくれたガッツある若者を忘れてはならない。
🔻騎手を志す少年のライバル心
その筆頭株こそ野崎加奈子の息子:翔平だ。
彼の成長速度は著しい。劇中での時間経過の早さを象徴するかの如くメキメキと精神的な成長を披露してくれた。ジョッキーになりロイヤルホープの鞍上に上り詰めるという夢を語り、ライバルとなる佐木隆二郎騎手を乗り越える意気込みを放った。
今回のエピソードで最も格好良かった男性は間違いなく彼だ。異論のあるものはいないと信じる。
🔻香典袋を握りしめる中条耕一の自制心
そして、もう1人気骨溢れる青年がいた。
―――中条耕一。
本作のキーマンとなる山王耕造の隠し子。今回のエピソードのラストにて初めて父と対面し、挨拶と香典を受け取って欲しいとの意思を示された彼が香典袋を握りしめたシーン。この袋をじっくりだが、力強く握ったシーンが何とも情緒的であった。
全ての感情を押し殺すかのような…湧き上がる怒りに蓋を閉めるための代用行為のような……見るものによって印象は異なるだろうが私にはそのように映った。
この時の彼の感情は競馬の勝ち負けで論争を繰り広げていた山王耕造と椎名善弘の比ではなかったはずだ。それでも静かに対処した彼の精神性に魅力を感じざるを得なかった。
結びに

『ザ・ロイヤルファミリー』第5話「日本ダービー」。エピソードとしての面白さは言わずもがな……一つの作劇に男と女・大人と子供という対比を散りばめた構成に唸る他ない!
本作は競馬を題材とした物語。当然ながら殺陣のようなシーンは存在しない。
だが!
まるで名優たちの芝居と芝居のぶつかり合いによって非常に見応えのあるバトルが目の当たりできたと心から思う。
出演者全員に拍手を!

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