【映画レビュー】復活上映 THE FIRST SLAM DUNK 感想/評価

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🎬映画観客として見に行ったはずなのに、🏀スポーツ観戦の観客として劇場を後にした体験ありますか?



おはようございます😊映画レビュアーのあーさんです。

今回は2024年8月13日より復活上映された映画『THE FIRST SLAM DUNK』を鑑賞してまいりましたので、そのレビューとなります!

私は平成生まれのアラサー。スラムダンク直撃世代というわけでもなく、どちらかというと中学生時代に『テニスの王子様』ブームやら『ヒカルの碁』ブームに多大な影響を受けたゆとり世代。学生時代の同級生にもスラダン信者がいなかったことが災いしてかこれまでの約30年の人生でスラダンとの接点を持たずに生きてきました。

つまり今回の映画が初めてのスラダン体験

初めて『THE FIRST SLAM DUNK』が公開された2022年末の頃も食指が伸びず、見ない選択をしていました。しかし2024🇫🇷パリオリンピックの閉会式(トム・クルーズのインポッシブルなパフォーマンスが凄かった)が執り行われた直後、世界的スポーツ大会の熱気が収まらないタイミングでのスラムダンク復活上映がスタート。

遂に縁ができる時が来てしまったようです。

何にも事前知識がないに等しい状態でのスラムダンクとのファーストコンタクト。いやむしろ声優交代騒動などのマイナスイメージの方が先行しているところもあって0ではなくマイナススタートとなっていると言っても過言ではない。

しかし、そんなマイナスイメージなんて関係なかった!



めっっちゃ面白い!!!



スラダンのコミックスもアニメも全く知らない人が見ても、100人中120人は面白いかったと答えるのではないかというレベルで傑作です!

何がスラダンど素人の私に響いたのか本編で語っていこうかと思います。

まるで本当の試合を見ているかのような臨場感

この映画の凄い所は、映画を見ていると感じさせない臨場感!

臨場感が半端ではない。映画を見ているという感覚ではなく実際のバスケの試合を見ているかのごとく錯覚を覚えます。

キュッと、コートを蹴る⛹️選手の足音。

ダッと、コート上に何度も響く🏀バスケットボールがバウンドする音。

目の前に映るのは唯一の情報源たるスクリーンに投影されるコート上の選手10名の息遣い。

それらが相まって途中から映画を見ているという感覚がなくなり今実際に高校バスケ界の頂点を決めるための試合が目の前で繰り広げられていると心の奥底が誤認していく。

原作を知らないが故のアドバンテージとして試合の結果を知らないということもこの臨場感をアップグレードさせてきます。

気分は完全に湘北バスケ部の応援席側の人間に染まる。

こんな映画体験早々できるものでもありませんよ!

本作の物語はコミックスとは異なり宮城リョータが主人公を務めていますが、私には全員が主役のように思えました。リョータに魅力がなかったとかそういうわけではなく湘北高校バスケットボール部全員が主人公に見えて仕方なかったというのが正しい解釈となります。

いやもうすごいの一言で済ませてはいけないのですけど、すごいと言わざるを得ない!

部員全員が主人公と言っていいくらい輝いていて物語のセンターに立っていた。必然的に描写が多いのは主人公のリョータなんですけど映画の尺=約120分にレビュラーメンバー全員のドラマが詰まっている。

宮城リョータ

リョータは「山王との試合」と「母親との和解」という2つのストーリーラインで映画を牽引していました。

山王とは小柄な体格ゆえにマークされ思うようにパフォーマンスができない状況ながらもチームを鼓舞し士気を高める役割を担っていました。40分間という試合中出ずっぱりなのにも関わらずチームの雰囲気を下げないという重要な役割で多大に貢献していました。
試合終盤でそれまで突破できなかったプレスゾーンを持ち前の技術で突破するシーンは圧巻。BGMとして流れる10-FEETさんの楽曲も相まって見ているこちらのアドレナリンも鰻登り。プレスゾーンを突破いしてゴールに向かって高速で切り込み卓越されたテクニックから披露される味方へのパススローがキレキレで見惚れてしまう!

母親との和解は劇的なものではなく、映画の合間合間に挟まれる回想シーンでジワジワと両者の溝を描き、最後の全国大会への出発前にその溝が埋まるピース=手紙をリョータが母親に送るという形で和解に至ったのが感慨深いです。山王戦を終えて帰ってきたリョータに母親がおかえりと言葉を告げる。リョータは兄の形見となるリストバンドを母親に渡す。過去回想でリョータが兄の私物を身につけたことで母親との軋轢を生んだ経緯があることを考えるとこのシーンが映画のラストに配置されるのも納得のフィナーレです。本当にこの2人の和解は劇的なものではなくどこまでも生っぽくて芝居くささが感じられない内容でしたね。この映画から感じられるリアリズムの片翼を担っていたと言って過言ではないと思います。

三井寿

スリーポイントシュートを決める湘北バスケットボール部の得点メーカーという印象が強かった選手。

スタミナ不足が目立っていて後半はかなりバテ気味。それでもスリーポイントシュートこそが自分自身を証明する唯一の武器というプライドのもと後半でも得点を稼いでいて男だな〜と感じました。

相手の作戦のせいもあってバテバテなのに自分は誰だと問いかけ、その答えをスリーポイントシュートを決めながら口にするシーンは痺れましたね。

試合終了間際でもわざとシュートタイミングをずらして相手のファール判定を誘発するプレイでポイントチャンスをメイクし点差を縮めるプレイも胸の奥底が熱くなるのも覚えました。

流川楓

映画の中盤まで割と地味な印象でしたが、後半で一気にインパクトをかましてきた天才。沢北との天才対決に一歩届かない試合展開が続く中、流川が覚醒する。それまでやってこなかったパスという新たな武器を披露するようになり自分がシュートを決めるというこだわりを捨ててからの流川が生き生きと試合の流れを湘北に呼び込む様は息を飲みました。

しかも、相手の思考を読んだかの如くドリブルで攻めるのかパスするのかと思考を巡らせる相手選手の前で自分にはもう一つの選択肢があるとスリーポイントシュートを決めるのもカッコよすぎ!

試合終了間近のラストプレーでも鮮やかなドリブルで敵ゴールまで接近しシュート直前で敵2枚の壁に阻まれる状況下でライバル桜木花道へ敵選手2枚の間を縫うかのようなパスが鮮烈でした。

桜木花道

常識に縛られないバスケ歴4ヶ月の天才。まさにこの言葉が桜木花道の全てを物語っていると言って良いレベルで常識知らずの活躍っぷりを披露。

試合前半はリョータとの変なアイコンタクトからポイントを奪取したのを除いて、そこまで目立った活躍こそなかった。後半は一度ベンチに下げられるもそこから安西先生の指導を聞いてからが凄い!完全に山王に傾いていた試合の風向きを湘北に取り戻すジョーカーとしての役割を全うしていた。

相手選手のユニフォームを掴んで空中戦を予防するという「反則じゃないか!?」とツッコミたくなるような技を披露してから立て続けにリバウンドを決めゴール際の守護神として大活躍。そこからことあるごとに天性のフィジカルを活用したプレイで幾度となくピンチを阻止しチャンスをメイクしていく。あまりに破天荒なプレイで背中に選手生命に関わるダメージを負うも今が自分の黄金時代だと安西先生に説き、流川の煽り(流川なりの再出場へのアシスト)もあって最後まで試合に留まり、最後の逆転点を決める。

1回目の選手交代から復帰した時の観客席に向けてのパフォーマンスで湘北バスケットボール部を負けられない状況にいい意味で追い込む環境づくりといいバスケの技量だけに留まらない勝利に不可欠な人物でしたね。

赤木剛憲

本当に高校生かとツッコミを入れたくなる容姿をしているが、メンタル的には間違いなく高校生で未熟さがある湘北バスケ部の主将。

試合序盤から山王の河田雅史にマークされ、河田のプレッシャーに負けそうになり心折られそうになるも踏みとどまる。かつてはその堅物さゆえに孤立した過去があることは映画だけでも十分わかる。しかし、今の赤城の周りにいるのは全国大会を制覇するというバカみたいな目標を真剣に見据えている奴らばかり。3年最後の年に巡り合った最高の仲間たち。

アクシデントで倒れたまま試合から去ろうと脳裏によぎるもそんな雑念を退けて最後までコート上に立ち続けた彼の姿は見た目以上に巨大に見えました。

試合終盤でそれまでパワー負けしていた河田からボールを弾くシーンは赤木のガッツが手繰り寄せた活路で目頭が熱くなりましたね。

終わりに

今回は復活上映された映画『THE FIRST SLAM DUNK』をレビューしました。

ものすごい傑作で興奮が冷めません!

わからないことが多々ある中でこれだけ面白いと思ってしまうのだから、原作既読勢だと数倍以上作品を堪能できるのだと思うと羨ましく思います。

しかし、初見だったことで試合がどのように終わるのか全くわからないという嬉しいアドバンテージもあったのでこれはこれで原作勢にはないメリットなのかもしれません。


一つの時代を築いたスポーツ漫画の金字塔「SLAM DUNK」とこうして縁ができたことを嬉しく思います。

記憶を失ってでももう一回見たい作品ですね。

最後にお礼を言わせてください。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』の制作に携わった原作・脚本・監督を勤めた井上雄彦先生を始め全てのキャスト・スタッフに感謝します。最高の傑作をこの世に放ってくれてありがとうございました!

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