【映画レビュー】クレイヴン・ザ・ハンター 感想

クレイヴン・ザ・ハンター 映画

今回は2024年12月13日より劇場公開された映画『クレイヴン・ザ・ハンター』を鑑賞して参りましたので、その感想記事となります。

本タイトル。当初は2023年秋頃に公開を予定されていた作品でして、幾度となく公開延期の報が飛び2024年SSPU公開作のラストバッターに選ばれた作品です。

正直、期待感を抱くのは危険であったのでかなり控えめな心構えで鑑賞して参りました。

しかし!

いざ、鑑賞してみると良い意味で裏切られた。これは傑作であったと嬉しい誤算を味わった次第です。

延期した意味はあった!待ちに待った甲斐はあった!

これは褒めて褒めて讃えていくしかありません。

ということで、ストーリーラインの解説→作品レビュー→本記事のまとめとして作品魅力のプレゼントいうコンテンツをお届けしていこうかともいます。

それでは短い時間ですがお付き合いのほどよろしくお願いします。

作品ストーリー(⚠️ネタバレ注意)

それでは、作品ストーリーを大まかに解説していきます。
イントロからエンディングまでの大枠をまとめていきますので核心には触れませんが、ネタバレ要素は含んでいると思われます。ネタバレNGの方はご注意ください。

まずは公式サイトのお力を借りてストーリーを見て頂きたい。

映画鑑賞済みの方がご覧になると、違和感のあるフレーズがチョコチョコ混じっているのが特徴です。ミスリードというやつかな?



以下に実際に私が触れたストーリーの流れを簡易的にまとめました。ここからネタバレゾーンに突入します。

イントロで派手に暴れたセルゲイ。ここで彼の異常な身体能力が明らかになり観客を虜しようという作戦でしょう。

その後、過去回想に突入。セルゲイの家庭環境と力の起源が明らかになります。

回想終了後、現代に戻りセルゲイにパワーをもたらした女性カプソリとの再会が描かれる。
その後、メインヴィラン:ライノの暗躍やらがあって本作のヒロインポジションとなる弟ディミトリを巡った争いが勃発。

そして、物語は最終局面に突入しサブヴィラン:フォーリナーやライノとのクライマックスバトルが繰り広げられる。過去回想でも重要であった父親との関係性にも決着がつきます。

大体こんな感じです。
公式サイトのストーリーではクレイヴンの凶暴性みたいなものが強調されていますが実際の中身ではそういった印象を受ける描写はないといって良いでしょう。

キービジュアルにもヴィランと銘打たれているセルゲイですが、映画を見たかぎり彼の本質は心優しいお兄ちゃん。ただそれだけです。それだけで十分すぎる魅力を放っていました。

感想(⚠️ネタバレ注意)

それではChapter2に突入です。

作品評価【SS】

まずは簡潔に作品の面白さをランク付け。SSという結果になりました。

期待していなかったが、予想外の傑作を見せられたのだから仕方ない!キャラ良し・脚本良し・アクション良し・独自性良しと無駄がなくヒーローのオリジン映画として文句ない出来栄え。

監督・スタッフ・キャストの方々に拍手です!

期待値【C】を覆した3つの要素

最初の期待値は【C】ラインでした。
延期を幾度となく繰り返していたことが大きな理由ですが、それ以外にも理由がいくつかあって期待値Cでした。

まずSSPU=ソニースパイダーマンユニバースの作品群に対するイメージ。これは良くも悪くも雑・大雑把という印象が強い。脚本クオリティが手放しで褒められるラインに到達していない作品が目立っています。

お次にヒーローのオリジン映画に対する高いハードル。どうしても力を手に入れた初期を描く作品は似たり寄ったりの傾向になりやすい。面白くても新鮮味が・・・という心象を抱きやすいのがネック。

ここ近年のスーパーヒーロー映画の乱蔵・飽和状態をみると余計に審査の目が厳しくなってしまうところがあります。

しかし、クレイヴン・ザ・ハンターは【延期】【SSPU】【ヒーローのオリジン】これら3つの壁をぶち破るに足る傑作を我々観客に届けてくれた!

それを実現したのが作品に宿っていた3つの独自性だと私は睨んでおります。
❶セルゲイが裏稼業の家庭に生まれ、生まれながらに家業という呪縛を背負っていたこと。
❷力に覚醒した彼が悪事を手を下す理由が動物たちへの敬意。人間を庇護対象としていないのは強烈!
❸唯一人間で護るべき対象としているのが弟ディミトリ。女性関係を安易に持ってこないところが好印象

これらの要素がセルゲイ=クレイヴンにヒーロー的な行動を取らせる理由として機能しつつも他のヒーローにはない独自性を生み出しているのが魅力的に映るのです。

セルゲイの前に姿を現した伝説の獅子。
このライオンにはセルゲイの本質・ヒーロー性が最初からわかっていたのかもしれないですね。

印象的なセリフ2選

少々あやふやな記憶を頼りにしているので本文ままではないかもしれませんが、印象に残ったセルゲイのセリフをご紹介させていただきます。

カリプソと再会した時に発せられた台詞。彼のアウトロー性が現れていて素晴らしいし、法律という不完全なものを端的に表していてセンスに溢れています。

ディミトリの誕生日を祝う席で発せられた台詞。これもセンス抜群で心にクリティカルヒット。
「罪を憎んで人を憎まず」を別の言い方するとこのように表現できるのかな?

お気に入りシーン3選

お気に入りなシーンについてもご紹介。上記3点がノミネート。

エピローグにてセルゲイとディミトリに亀裂が生じるシーン。父親を帰らぬ人に追いやったセルゲイを突き放すディミトリが印象深い。また、ディミトリを追いかけて彼の肩に手をかけたセルゲイが振り返った弟の容姿に驚愕する表情も非常にインパクトがありました。

本作の面白さを支えていたのは間違いなくセルゲイの弟への想い。それがまさかこんな結末を迎えるなんて信じ難いが続きが気になる最高の幕引きでもありました。

続編を希望したいです。本作品にはそれだけ魅力があり、伸び代もあるのだから。

お次はディミトリを救うためにセルゲイが裸足で市街を駆け巡ったシークエンス。この一連のシーンは躍動感抜群で映像的刺激が強い快をもたらしてくれた。状況の緊迫感とセルゲイ演じるアーロン・テイラー=ジョンソンさんの表情芝居がスリリングを演出してくれて手に汗握るとはこのことって感じです。

最後はコミカルなシーンと捉えて良かったのかな?
ディミトリを救出するために潜入したセルゲイが吹き矢や隠密スキルを駆使してディミトリまで近づくシークエンス。非常に真面目なシーンなのだが、超至近距離まで接近しているのに気付かない敵兵に笑いたくなってしまった。

志村後ろ後ろ〜的な面白さなので日本人特有の感覚なのかもしれません。

その他雑感

大きな感想は述べたのでその他の小さなところも軽くご紹介していきます。

本作の脚本の美しさを象徴しているのが✉️手紙。母が遺した手紙から始まり父が遺した手紙が幕引きの合図を送る。こんな美しい脚本なかなかお目に描かれないので脚本を務めたこちらのお三方の名を多くの方に刻んでいただきたい。

❶アート・マーカム    ❷マット・ホロウェイ         ❸リチャード・ウェンク
            (『アンチャーテッド』『アイアンマン』)  (『イコライザー』シリーズ)

本作のサブヴィランを務めたフォーリナー。スーパーパワー系ではなく訓練による瞳術使いなのでしょうか?よくわからないがメガネを外して瞳を晒してからのカウントダウンが異様に格好いい方。

職業に対する誇りも持っていて良い適役でありました。

フォーリナーを打ち倒したのがセルゲイではなくカリプソ女史。彼女は非常に謎めいていいます。何やら多くの秘密を抱えている模様です。やたらハイスペック。弁護士をしているだけでも上澄でしょうが身体能力や武術にも精通していると睨んで良い。ロシアの局地で敵に包囲された状況で動揺しないのはそういうことでしょう。

そして、秘薬=ポーションを隠し持っていたこともそうですが、祖母が他界している発言も疑って良いかもしれません。続編などで彼女の深掘りを期待したいですね。

セルゲイのファイティングスタイルも他のアメコミヒーローにはない独自性があって素晴らしい限り。野生的な身の構えに銃火器は一切使わないスタイル。研ぎ澄まされたフィジカルこそ最大の武器と言わんばかりの戦い方は男心を刺激します。

最後にスパイダーマンとの繋がりについて。かなり薄い点は好印象。単作としてスパイダーマンに依存していない姿勢が素晴らしい。

同時に適度な塩梅で関連性があるのもファンにとって嬉しいというもの。
本作のメインヴィランを務めたライノ。アメスパ2のラストで登場した同名キャラがいます。(随分と容姿と能力が異なる模様)また、カメレオンの施術を行った地:ニューヨーク。

ニューヨークを出すだけでスパイダーマンだと思わせるパワーがあるのはずるいですね。

まとめ&プレゼン

それでは最終チャプターです。
ここまで綴ってきたテキストを圧縮して作品の魅力を絞っていきましょう。

今回レビューしたタイトルはこちら。『クレイヴン・ザ・ハンター』

本作の魅力を一言にまとめるならば他のヒーローと類似することない独自性を放った唯一無二のオリジンストーリであったと言えます。

特殊な家庭環境がもたらした呪縛・動物を護ることで結果的に生まれるヒーロー性・弟にだけ向けられる愛情

これらの要素が主人公セルゲイことクレイヴンに異彩をもたらした。
キービジュアルではヴィランと銘打たれている彼ですが、彼の本質は優しい弟想いのお兄ちゃん。

彼と運命的な出会いをする獅子はその本質を見抜いていたのかもしれません。
彼ならば動物たちの盾となってくれると確信があったからこそ彼の前に姿を現した。そう思いたい限り。

最後に主人公セルゲイが放った印象深い台詞をご紹介させていただきます。
この台詞に彼のキャラクター造形の深さが宿っています。

まだ映画をご覧になっていない方は鑑賞機会に恵まれ次第是非ともご覧いただきたい。本記事では語り尽くせない作品・キャラクターの魅力と出会えることをお約束します。

それでは今回は以上となります。お時間いただきありがとうございました。



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